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普段撮らないものを撮ってみる/#312

写真にはその人らしさが現れると言う。カメラを向けてシャッターを切る行為は、撮るものとタイミングを自分が決めれる。何に興味を持って、何が好きで、何を伝えたいのか。それらが何重にも折り重なってその人が撮った写真になる。撮る人によって世界観や撮り方が異なるのはこのためである。

だからこそ、人は自分以外の誰かが撮った写真に魅了される。自分では撮れない世界なのだから必然だろう。その違いにこそ他者と自分との間にある個性なのかもしれない。

撮れば撮るほどに自分らしさが確立される一方で、それ以上でもそれ以下でも無い写真になることがある。いわゆるスランプと呼ばれるもの。マンネリ化とも言い換えられるこの現象は、良くも悪くも自分らしさの確立でありそこからの成長や改善がぴたりと止まってしまう。

成長は必ず止まる時が来る。成果が見えづらくなるため、集中力や意欲が削がれてしまう。他者から見るとそうは感じないが、本人にとっては辛い時期。そんな時はあえて写真を撮らずに他のものに没頭する。むしろ苦しみながらも写真を撮り続けるなど向き合い方に決まりは無い。

そんな時は視点を広げるために普段撮らないものを撮ってみる。

カメラで写真を撮り始めたあの頃の感覚になる。右も左も分からない浮遊感だけれど、何だか楽しい。そんな漠然とした何かだが、撮るもの全てが輝いて見えてくる。そこには新しい世界への入り口があり視点が広がることがある。何よりもこのワクワク感が一番重要だと思う。楽しいからこそ続けられるし、続いてるからこそ楽しいもの。

普段撮らないものを撮ってみる。

自分の場合は日常、風景、スナップが中心。そのためポートレートは異次元の世界であり挑戦してみた。そんな写真たち。向き合い方、撮り方、関わり方。どのどれもが新鮮で新しい発見ばかり。写真って楽しい、そう感じられるのも、今まで多くのものと向き合い写真を撮ってきたからだと感じる。


SUBARU(マカベ スバル)
鳥取県在住 / なにげない日常をテーマに写真を撮っている / 出張撮影 / 写真イベント企画 / 鳥取のPR活動も行なっている。


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