宮古島日記8:とんでもない職場で罵倒されながらも生き延びる

なんだかんだで、宮古島での生活も2か月目が過ぎようとしている。なんだかんだ色々あったのに日記上はまだ9日間分くらいしか書けていないのが歯痒い。今週からはもう少し書く時間を取ろうと思う。

職場はとんでもない体育会系で、周りが10歳以上年齢が下の若者たち。年齢や自身のコミュ力の低さから浮きに浮きまくり、馴染めずにいたが、今はそれさえも慣れてしまった。
若者たちの間からもなんだかよくわからない婆一点として認識されていることだろう。
ただ、1か月前と違い新しい人たちが続々と入ったため、新人同士ちょっとした会話ができるようになってきただけでもだいぶ楽になってきた。

この職場はご丁寧にトレーナーがいる。
トレーナー2人が総監督と現場監督、その下に2人の腰元のような鬼リーダーと副リーダー、またその下にベテランの地元のババア達の下に我ら派遣というピラミッド式で構成されている。勝手に私が構成しているだけでそのように位置付けられているわけではないが。

トレーニングは期間が決まっていないというのが精神的に辛い。なぜか下が入ってくるまでずっとトレーニング期間に配属され、監督たちに監視されながら作業をすることになる。

初日から、ある女性監督に明らかに歓迎されていなかった。というか今も歓迎されていない。
彼女は明らかに若い男子が好きで、若い男と話すときはイキイキしている。
なぜか若い男子は下の名前で初日から呼び捨てという謎の習慣がここにはある。
確かに、彼女の立場からしたら、若い子の方が素直でポテンシャルも高く、注意もしやすい。
見る限り、自分が年下の面倒を見る世話焼きのおばさんだかお姉さんというポジションでいるのが気持ち良いように思う。

一方、私のような年上、しかも同性となってくると、一気に仕事がやりづらくなる様子が入った初日から感じられた。
まあ理解できる。一般的に年配者は若者に比べてコミュニケーションも取りずらく、動きも遅く、屁理屈が多いため注意しにくい。悲しいが自分も扱いにくい年配者の部類に入ってしまったのだ。

指摘するのも、彼女の仕事。その上、高級ホテルで毎月サービスのランキングが発表され一定以上のクオリテイが求められているため、多少部下に厳しいことを言うのも、理解している。

しかし仕事としての指摘のほかに、女性特有の感情が入り混じってくるため、言われるほうも段々と疲れてくる。彼女は息を吸うが如く、何かしら感情混じりの指摘をしてくる。
ちょっとしたミスを見つけると即座に「集中できてない!」「落ち着いて!」と勝手に大騒ぎしている。(ように見える。)
総監督(男性)が気を遣って褒めてきても「でも!ここができてない!」と横槍を入れてくる始末。


舐め回すように作業を目の前で見られた後、入って1か月も経っていない相手に対し、「何もかも中途半端。完璧にできていない。」「K(同時期に入った新人)はどんどん成長してるのに、先に入ったあなたは成長が全く見られない。変化が欲しい。今日変わって欲しい。」と無茶振りをされたり。人それぞれペースがあるから、と言いながら10個下の男子(自衛隊出身パワー型)と比べるのは違うんじゃないか・・。

初日に私が不安のあまり「物覚えが悪いんですが、よろしくお願いします。」と言った発言を持ち出し「あの初日の発言も私からしたらただの甘えです。そう言うこと言ってちょっと自分に甘えてるのかなと思いました。」確かに痛いところをついている。
だけど、たった3か月のリゾバの現場でなぜそこまでボロカスに言われるんだろうか・・つまりは私に辞めて欲しいんだろうなと思っていた。


仕事ができない奴は切っていくと言われていたので、もう今月でさよならかな、と期待していた。
しかし、1か月過ぎたあたりで体力がつき、アドレナリンが出るようになり、多少スピードアップしてからは女性監督の態度が柔らかくなり、やっとまともに人間として話をしてくれるようになった。

それからは辞めるのも色々と面倒なのでなんとか続けている。ただ、体育会系な雰囲気や、泣いてがむしゃらに仕事に食らいつく等の監督が好む美談は内心苦笑いだ。

周りより年齢が高く、コミュ力も高くないというハンデがある。そういう人間は、できるだけ早く仕事で認めてもらうしか生き延びる術がないことをこの現場で学んでいる。そして最近自身の口調も「うっす」「あざっす」「さーせん」「疲れさまっす」と変化してきたのが恐ろしい。

宮古島はいいところだが、職場はやっぱりトンデモない。



この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?