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【鶯谷 John 来店メモ】

【鶯谷 John 来店メモ】

鶯谷駅から徒歩5分。
閑静な住宅街の中に突如深緑で「John」と書かれた表札が出てくる。

お店の前ではスタッフの方が出迎えてくださり迷うことがないシステム。

中は民家をそのまま店舗にしたような空間でテーブルは5つ程だろうか。


席の雰囲気

予約は1-4名で可能だが1月はほぼ満席。

ここは「味覚の旅」をコンセプトにした6品のデザートコースのお店。

コース開始前に使う食材とドリンクメニューの説明。


食材紹介

飲み物に関してはアルコール・ノンアルコール共に各料理とどの飲み物が相性が良いか教えてくれる。

飲み物も風変わりなものが多いイメージ。


ドリンクメニュー

今回は1-2皿目は「バラ×グリオット×ローズマリー」、3-5皿目は「お茶×白ワイン×レモン」のノンアルカクテルをいただいた。

いただいたおしぼりから微かなウッディな香りを感じ、席から見える庭を眺めていると「コースメニューには含まれていないんですが...」と言う枕詞から早速料理が登場。

0.5品目


1フランボワーズのジャムといちごのクリームを絞ったタルト
2レモンクリームを自家製セミドライみかんで挟んだもの
3食パンにバターを浸して焼き上げてアンチョビとケッパーを合わせたクリームチーズにディルとピンクペッパー

言うまでもなく美味しいのは間違いないが、素材それぞれがきちんと味を出している。
特に3は自分でも作ってみたい。

食べ終わり数分で次の料理が。
各個人の食べるスピードに合わせて提供しているようだが、1人で来ている方も多いためほぼ一斉提供のような形になっている。


1品目 包 いちご


※写真撮る前に食べ始める失態を犯した
ミント→熟成パルミジャーノ→マスカルポーネといちごの果肉→中にフランボワーズのジュレ

これがメニューに記載されている正真正銘の1品目。
美味しそうだったので写真を撮る前に食べ始めてしまったのが悔やまれる。
熟成パルミジャーノと聞いていたのでチーズの主張が激しすぎるのではと思っていたが、実際には他の食材を潰すことなく綺麗に調和していた。

次もメニューには書いてないんですが...と言われて出された1品。

1.5品目

バターロールの生地にナスのピューレ上にはジャガイモで作ったパスタにアクセントでトリュフ塩

ここからこのお店の真の姿が出てきた。
心の中で俺の知ってるバターロールじゃない!と思いながらもいただくと、凄く優しい味わい。
ただやはりトリュフ塩が強すぎたため茄子の風味はあまり感じられなかった。

これ以降はメニュー通りに出てきた。


2品目 解放 柑橘


セロリ→練乳を使ったミルククリーム→金柑のコンポート・ピンクグレープフルーツ・デコポン→塩のババロア→ネパール茶ファーストフラッシュを使ったゼリー→中にしょうがを使ったクリーム

解放というタイトルに相応しい料理。
そもそもデザートにセロリを使う発想、そして塩のババロアを合わせるのは初めての感覚。

ファーストフラッシュはその年の初めに春摘みの紅茶のこと。
苦味が少ない軽めのお茶の味だった。
しょうがも軽やかで主張が激しくないのでとても食べやすい。

3-5品目は果物と野菜のマリアージュなので甘さは控えめに。


3品目 光源 春菊

春菊のフリット+トマトのペースト+マッシュルームのペースト+ほうれん草のソースブリオッシュと燻製ミルクバターを添えて

春菊ってこんなに美味しいんだということがわかった1品。
各ペーストやソースと合わせることで表情がどんどん変わる春菊が面白かった。

ブリオッシュと燻製バター


ブリオッシュにほうれん草のソースをつけて食べるのがおすすめと聞いたので食べしてみたが、それもまた違った美味しさ。
燻製ミルクバターはしっかりと燻製の香りが鼻に抜けて新しい感覚。

4品目 深化 柑橘

八朔+オレンジ→ローストした人参の中にごま油で作ったカスタードクリーム→グレープフルーツのジュレ→みかんのソース

1番驚いたのはこの4品目。
柑橘と人参のローストを合わせるだけでも新感覚なのに、人参のローストの中にはごま油で作ったカスタードクリームが。

正直これは良い意味で意味がわからない。完全に未経験の味わい。
そもそもその3つを重ねるという発想に至った経緯を知りたい。

個人的にはタイトルの深化は進化が正しいのではとも感じたが、深化という言葉が表すとおり表層の味覚だけでは分からない領域だから深化なのかもしれない。


5品目 森林 ブロッコリー


ブロッコリーのポタージュ+ローストしたブロッコリーとビーツ
アクセントはチリパウダー

私は元々ブロッコリーがめちゃくちゃ苦手だが、これはまた食べたいと思えるほど美味しかった。
ブロッコリー特有の苦味やエグ味が無く、旨味をすごく感じた。
ローストしたビーツとブロッコリーの味と食感がアクセントになり、しっかりとした味付けだったけど最後まで飽きが来なかった。


6品目 お茶菓子

・フィナンシェ・ラングドシャにピスタチオのバタークリームといちごの果肉・オレンジピールと生クリームとメレンゲ

見た目のインパクトはこれが1番。
机パンパンの木枠が来た時はびっくりした。
この中だとフィナンシェが別格だった。外はカリッと中はしっとりと絶妙なバランス。

お茶菓子というだけあって〆に相応しい3品だったように思う。

【総評】
2年間の期間限定オープンなので行けるのであれば必ず1度は訪れて欲しい。
1人で訪れている人が半分くらいだったのでおひとり様でも全く問題ない。
たまたま訪れたタイミングの問題もあるが、空間としてはかなり静かだった。しかしスタッフさん曰く会話することは問題ないとのことなので友人や家族で訪れた際にはぜひ感想を交わしながらこの特別な感覚を楽しんで欲しい。

【値段】
デザートコース¥5,500
ドリンク2杯¥1,400
合計¥6,900

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