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流山市はなぜトップになったのか?歩行者優先の駅前広場と今後のポテンシャル【KLD】

人口増加率ナンバーワンの流山市

流山市と言えば近年子育て世代を中心として人口が増加している、ということで非常に有名ですね。現在総人口は20万人を超えたようですが、ここ15年で5万人増加したとか。すごい変化です。

そんな流山市に、都市経営プロフェッショナルスクール同期で流山市議の近藤みほさん、また同じく流山市議の渡辺じんじさん、そして流山市役所の友人である苅込さんと坂本さんにご案内いただきながら行ってまいりました!贅沢ツアーですねw

子育て世代の心をつかむ「おおたかの森」エリア

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ここが子育て世代の心をつかむ「おおたかの森」駅前広場です。パッと見の風景も緑が多く気持ちがよく、駅を降りてすぐ子どもを遊ばせられる、という点が非常に市民から好評のようです。

この駅前広場の優れた点は、しっかりと歩行者と自動車の分離がなされており、かつこの広場は歩行者が優先されている、ということにあります。

だいたい駅前広場というと、どうしてもバスやタクシープールが優先されてしまっています。近くにバスやタクシーがビュンビュン通る広場で子どもを遊ばせられるのかというと、無理というか、少しスペースがあってもやっぱり目に見えないストレスがかかるんですよね。これは多くの子育て世代が車通りのある商店街を避けてショッピングモールに行くのとも似た構造です。

他もせいぜい(維持費のかかる)ペデストリアンデッキがあればよい方ですが、おおたかの森はやっぱり回廊ではなくちゃんと広々したスペースであることのメリットを感じる風景ですね。

また、テクニカルな話としては、この広場は法律上道路や都市公園などに指定されていません。そのために道路交通法や都市公園法の面倒な縛りを受けることなく、フレキシブルにイベントなどを実施することが可能になっています。

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歴史を今に残す「本町」エリア

さてあえて有名な「おおたかの森」から入りましたが、流山市は他にも個性のあるエリアを持っています。その一つが古民家が多く江戸時代からの歴史を有する「本町」エリアです。みりん製造で栄え、幕末は新選組が本陣を置いたほか、明治維新直後に一時誕生した「葛飾県」では県庁所在地にもなったそうです。

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この日は古民家「寺田屋」を改装した茶カフェ&万華鏡ギャラリーがオープンしたということで、休憩がてら緑茶フロートに舌鼓を打ちました・・・

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さらにこのエリアでは電動キックボードの実証実験も行われており、ドキドキの体験!!なお特区なので現状でもヘルメットいらないです。

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電動キックボードは見慣れないもの、少しおっかなびっくりな気持ちは正直あります。ただ、初心者はMAX15キロに制限できるので、毎年数千人の死亡者と数十万人の負傷者を出す自動車よりは安全でしょう。

駅から少し距離があり、かつ歩くにはやや広い本町エリアの移動手段として、電動キックボードは非常に丁度よいサイズ感というのが率直な感想です。現状どこの道路も自動車最優先で設計されてしまっていますので、先に別の価値を見出したところが競争環境では有利になるでしょう。

自動車と歩行者ほかその他の手段とでどう住み分けていくか、まちづくりでは非常に問われていますね。この辺り、NY市での奮闘記である「ストリートファイト」はとても面白いです。

戸建てが並ぶノスタルジーな「江戸川台」エリア

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さらに「江戸川台」エリアもご案内いただきました。マンションの立ち並ぶ「おおたかの森」と違って、戸建て中心の市街地です。かつてはマダムの集まる高級住宅街だったそうで、まちのマダムたちのご挨拶は「ごきげんよう」がスタンダードだとか・・・!

こちらのエリアでは、市役所若手・商店街・地域住民の有志がチームを組んで商店街を車両通行止めにして歩行者天国化するイベントが実施されました。

何度も言いますが、自分が実際に子育てをしてみると、ベビーカーや小さい子を連れて車がビュンビュン通るところに行こうという気にならんのです。だからみんな安全で楽なショッピングモールに直行します。

これは単に情緒的な話ではなく、以下の研究では「街路の歩行者天国化による売上向上」の定量的結果も出てきています。(海外事例の研究なのでまださらなる調査が待たれるところではありますが)

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歩き回った最後は江戸川台の銭湯でサッパリw

3つのエリアが違った強みを活かし合う未来

こんな個性ある3つのエリアが揃っているのが流山市の強みです。非常に魅力的な「おおたかの森」が取り上げられることが多いですが、一般論として長いスパンで見ればまちというのは栄枯盛衰・盛者必衰の理。多様な個性を持ったエリアがそれぞれの強みを洗練させ、支え合うことが大切ですね。

流山市のみなさん、ありがとうございました!!


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