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企業内研修のつくりかたやり方考え方⑪

なぜ施策がうまくいかないのか

離職防止に関連してですが、多くの会社が目標管理だの1on1だの様々な施策を導入しています。でもうまくいっているというケースは思ったより少ないようです。経験から言わせていただくと、原因の多くは「ベースがない」ことが多かったです。「ベース」というのはコミュニケーション、もっと言うと「聴く」ということが日常できていないのです。たとえば1on1実施の時だけ「さあ話を聴くよ」と言われても、普段そうしてもらっていなかったら部下は「どうせ今だけ、形だけ」と見抜きます。それどころか、上司のほうが言いたいことを言うだけであればなおのこと部下は辟易します。上司の自己満足のために行われるだけであれば、早めにやめたほうがよいでしょう。それだけで残業が減るかもしれません。
だからこそ「聴く」研修が多く行われます。注意すべきは、その理解は簡単なのですが、実行や定着が容易であるわけではない、ということです。これらはイコールではないんです。聴くことが実はできていなかった場合は特にそうです。例えば上司が研修を受けて心機一転学んだことをやってみても、部下側は容易に信用しないんです。「研修を受けてなんかやり始めたけど、どうせ一過性ですぐ元に戻る」と思っている。変わろうと思った上司もなかなか手ごたえが得られないので「なんだ、効果ないじゃないか」などと思い、やめてしまう。ゼロからのスタート、ではなく、マイナスからのスタートなんです。ここに大きな壁があって、それを乗り越えるにはかなりの努力と時間が必要です。でもこの壁を乗り越えられないと「風土」は変わらないし、相変わらず施策を打っても効果は出ないです。これまでの経験でも、風土や部下との関係性がよくなったところは地道に気長に実行し続けたところでしたし、早々に辞めたり最初から実行しなかったところは当然変わりませんでした。

写真は「みんなのフォトギャラリー」からお借りしました。素敵な写真です。ありがとうございます。

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