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【妊娠・出産・子育て疑似体験ボドゲ】企画をゲームにする際の課題と対策

みなさんこんにちは。久々にブログ作成日記を更新します。
なんと1月にテストプレイしてから、なんやかんや5月までほとんど活動ができませんでした…。6月に入ってようやく再開しております。亀スピードですがぼちぼち作成しております。

↓こんなボードゲームを作成しております。

現在は企画が定まって、実際にボードゲームのプロトタイプを作成→テストプレイを数回実施→修正、を繰り返しゲームはver8まで来ました。

そもそも、単純に遊んで楽しいボードゲーム…ではなく(いや、楽しんでほしいんですが)私たちが作っているのはシリアスボードゲームという、社会課題をボードゲームのテーマとして取り扱い、ゲームを通じて楽しく課題を理解したり対策を考えよう!という種類のゲームを作成しています。

1年以上作成し、テストプレイを何回か行っていますがまだ完成してません…。このシリアスボードゲーム特有の難しさにぶち当たっています。
伝えたいメッセージをゲームを通じて受け取ってほしいけど、ゲームを作り込む過程で別のメッセージの方が強く印象づいてしまうのです。

今日は特にどんな部分が難しいのか、どうやって解消していっているのかを書きたいと思います。

【課題1】伝えたいメッセージが明確になっていない

今私たちが作っているゲームで伝えたいメッセージは3つあります。
①「妊娠~出産~子育て、仕事など自分の時間と子育ての両立」という期間には様々なイベントが発生する
②①が発生しても助けてくれる仕組みがある
③現状ある仕組みは不十分なので、これからみんなで創っていく必要がある

渦中にいる私はあれもこれもメッセージを詰め込みたくなるんですが、テストプレイを何回か行い何度もメンバーと打合せをするうちに、メッセージは3つまでに着実に絞ろう!という考えに至りました。
これが本当に難しくて(笑)
最初はこのメッセージを見ながらゲームの骨子を考えるんですが、
・メッセージを盛り込む
・ゲーム性を高める
・プレイ時間を想定して時にはゲーム性を削る
・他のメッセージを強めない

というバランスを取りながら作成するのが本当に難しいです。

具体的には、この「妊娠~出産~子育て」期間での起こりうるイベントがあまりにもバリエーションが多すぎること。人に寄ってはそもそも子供を授かる段階で何年も苦労し、心身にダメージを追う人もいるし、妊娠~出産は順調だったけど、産まれた子供に障害が見つかった、妊娠中に旦那の転勤が決まり仕事を辞めた…など、人間の価値観を大きく変えるようなイベントが多く発生します。

こういったイベントが起こるよ!というのを知ってもらうために作成しているゲームなのでなるべくイベントは盛り込みたい、それに伴う価値観の変化によってその後の進むルートが異なるところもゲームに盛り込みたい…あれもこれも!
となると、ゲーム時間がとても長くなります。
(ゲーム時間が長くなるとなぜダメなのか?は次の章で説明します)

なのでテストプレイを行い、フィードバックを貰い、どこを修正するかを考えるタイミングで何度もメッセージを見返します。これによって私たちはゲームで何を一番に伝えたいのか?が具体的にゲームのプレイ上でだんだんと見えてくるようになりました。

【課題2】ゲームをプレイする人、買い手が明確になっていない

いま作成中のゲームの場合、いわゆる「買い手」と「ゲームをプレイする人」は異なっています。
例えば英語教材。自分自身で勉強の目標を立て、ある程度自分で教材を選ぶような年齢(中学生、高校生、大学生、社会人など)だと「買い手」と「教材を使う人」はイコールです。
しかし小学生や幼稚園児など親が子供に早期教育として教材を買い与える場合は「買い手」と「教材を使う人」は異なります。
このとき、教材は子供向けに作るのは当然ですが、この教材が子供にとって素晴らしいものであるという価値は買い手である親に訴求しなければなりません。
魅力をアピールするだけではなく、親が望むような子供の結果をある程度意識しながら教材を作る場合ももちろんあるでしょう。
今回の私たちのゲームも同様に買い手とゲームをプレイする人は異なります。
なのでプレイする人に【課題1】で述べたメッセージを受け取ってもらいつつ、買い手の人に魅力的に映るか?を意識する必要があります。
これがまた結構難しい(笑)
自分達のメッセージを残しつつ、買い手が興味を持ってくれるのは、どの部分なのか?買い手の背景を理解する必要があります。
このゲームの場合、大きなネックはプレイ時間です。学校の授業や研修などで活用してもらおうと思った場合、プレイ時間はゲームの説明、プレイ、振り返りを行い1時間程度が限界。そうなるとプレイ時間は45分程度に抑えないといけません。
メッセージが社会課題を取り扱い、重いテーマのわりにゲームのプレイ時間は短い必要があります。
このように買い手やプレイする人にメッセージが伝わるのか、以外にどういった場面で活用してもらえるか?がゲーム設計のキモになってきます。

対策としては、このゲームを通じて課題提起をしたいのか、課題解決したいのか、を分けたことです。
当初の狙いでは課題解決策までプレイした人が考えられるゲームにしたかったのですが、まずは課題を認識してもらうところにフォーカスを当てました。取捨選択の連続だなぁと思いますね。

【課題3】ゲームをプレイする人、買い手、課題の当事者からゲームのフィードバックをもらっていない

このゲームの企画を話すと、否定する人は誰もいませんでした。
しかし、いざゲームに落とし込み、プロトタイプのテストプレイに参加してもらうと、「ここは〇〇にしたほうがいいのでは?」など妊娠〜子育てについて当事者だと思っていた私たちが見えてなかった問題が噴出します。
そのたびに、課題を取りこぼさないようにと新たに修正を加えると、当初のメッセージがぼやける、プレイ時間が伸びる…などこの時点でバランス取りが非常〜に難しいです。何回も難しいと言っています(笑)

さらにゲームとして成立させるには、課題に深く関わっている人だけでなく、買い手やプレイする人の意見も重要だと思います。
これが課題に対するパネルディスカッションや取材などですと、課題に深く関わっている人だけに意見を聞くかと思いますが、ゲームとして発売するためには買ってもらわないといけない、プレイして楽しんでもらいたい、という視点が必要だと思います。
なかなか身の回りにそんな人がいないよ…と思いがちですが、友人の友人につなげてもらう、など、ここはしぶとくテストプレイに協力してもらう人を探すのが吉かなぁと思います。

以上が実際にゲームを設計中の課題と、現時点での対策でした!
色々と書きましたが、私たちのゲームもまだ完成はしておらずこの課題の中で産みの苦しみを味わっておりますが(笑)何度もテストプレイを行い、修正を行ううちに段々と洗練されてきたような気がします。
完成まで頑張ろうと思います!
今日はこの辺で。

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