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いい男【詩のようなもの】

満たされないものを満たそうとするから
いけなかったんだって
わたしはいま
思ってる

彼との時間を大切にしながら物足りなくて
ないものはないし
あるものはあるんだって
言ってくれれば
もっと楽だったのに

すれ違いとか
すれ違わなくても
何もない
冷たい時間に
彼の背中が遠くなって
隣で
寝てるのに
気持ちが
分からなくなって

つらい言葉と
つらい気持ちと
つらい素振りと
つらい唇で

温かい夢と
温かい香りと
温かい思いと
温かい腕の中で

もっと
ずっと
抱かれてたかったのに現実は
やがて
遠くに
静かに破滅
しながら闇へ
向かってしまう

彼を
引き止めたくて
彼を
自由に
泳がせたくて

わたしが
愛した
男の不幸を
強く願って
これから
ずっと
もっと
ずっと
不幸になって?

わたしと
一緒に
いればよかったと
後悔しながら
死ぬまで生きて
ほしい

今も
たくさん
願ってる

激しく後悔
すればいい
あの頃が
よかったと
思いながら
生きろよ

よりを
戻そうと
言われたら
わたしは
笑って
答えてやる

ありがとう
でも
ごめんね
ムリだよ?

おまえの
その
美しい顔が
涙で歪んで
もっと歪んで

わたしは
陰で
笑って泣いて
泣いて笑って

呪って
いつまでも
生きて
おまえより
長く生きて

生きて
生きて
生き抜いてやる

おまえの
不幸を
呪いながら
今日も
生きてやる

ありがとう
でも
ごめんね
ムリだよ?

おまえ以上に
いい男が
もう
わたしの隣には
いるから

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