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捨てられた【詩】

どこまでも
夜が
飛び越えてゆくと
思うのです

わたしの声が消えても
わたしの夢が消えても
わたしの姿が

どこまでも
あなたに
近づいてゆくと
思うのです

あなたの声が消えても
あなたの夢が消えても
あなたの姿が

殺して
しまいたいと思いながら
わたしたちは
全ての存在を費やしていた

生き物としての
悲しみとしての
象徴としての

この惑星の片隅で
そんな風に肩を寄せ合って
ただ
抱き合っていただけなのに
いつまでも
抱かれていたかった
だけなのに

あなたはいない
消えてしまった
忽然と

どこに
行ったのか
どこに
消えたのか
どこに

あなたの真剣な唇の
わたしを求める真っ直ぐな瞳の
屹立した温もりの
その全てに
いたというのに

もう
あなたはいない
もう
わたしはいない
二つの命を抱えながら
抱えたまま
消えてしまったの

そうして
山奥に
捨てられてしまったの

わたしたちの死体は
女のような
男のような
人間のような
生命のような

わたしたちの死体は
山の奥に
捨てられてしまったの








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