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いながキネマ

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『美しい夏キリシマ』

『美しい夏キリシマ』

監督 黒木和雄
主演 柄本佑、原田芳雄、石田えり、香川照之

1945年8月
宮崎県えびの市で祖父母の家に暮らすヤスオ。
学徒動員先の工場で空襲、死んでゆく友人たちを助けることができず「逃げた」。
軍国主義、戦争末期、傷ついた人々。
そして、どこまでも美しいキリシマの自然。

「戦争がどれほど、色濃く彼らを不幸にしていったかという話を見てほしい。あんなむごい残酷な冷酷なものはない。」と語る黒木和雄

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『ユーアーマイサンシャイン』

『ユーアーマイサンシャイン』

主演 チョンドヨン、ファンジョンミン

5.6年前にレンタルして半分くらい見たとこでガビガビで観れなくて返却したことがある。
その先がこんな内容だったなんて驚いた。
ストーカーチックに女を好きになってしまった男と、突き放す女。 
そりゃそうだろ。
「つきまとい」「迷惑条例」なのか?
純愛なのか?
ギリギリのとこでぶつかりあう二人。

チョンドヨンといえば「シークレットサンシャイン」でカンヌの最優秀

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『いつも奢ってくれる綺麗なお姉さん』

『いつも奢ってくれる綺麗なお姉さん』

主演 ソンイェジン、チョヘイン

気になる題名の韓国ドラマ最終話到着。
ほっとしました。

途中の納得いかん展開にイライラされられながらも、見事な着地で、ほっ!

何度も観てた『ある春の夜に』のスタッフやキャストとかぶってて、姉妹編なんですね。こちらの方が先だけど。

どちらもチョヘインが出ていて、ソンイェジンやハンジミンと言うスター女優とラブロマンス。そりゃヒットするわ。

でも、主演キャストの

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『生きものの記録』

『生きものの記録』

1955年
監督 黒澤明
主演 三船敏郎、志村喬

水爆実験が盛りだった頃の映画。
水爆実験の放射能が日本にやってくる。
恐怖に駆られた男が、家族を連れて秋田に移住しようとするが、北からも放射能はくるらしい。
南米なら、大丈夫だろうか。
家族を引き連れてブラジルに移住を決意するが、家族から大反対を受け、ついに禁治産者にされてしまう。

放射能や原水爆の恐怖におののき家族を守ろうと必死に考え行動する

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『フリッツ  バウアー』

『フリッツ バウアー』

1959年。
ナチスのアイヒマンが拘束された。
検事のバウアーは、それをきっかけにアデナウアー政権内部で大臣として居座る元ナチス高官を訴追しようとする。
検事局内には情報を連邦政府に流す者、毎日架かる脅迫電話。
さまざまな妨害が立ち塞がる。

西ドイツの戦後も日本と同じように「反共」のために、アメリカの意向により反共勢力を利用しようとした。それが元ナチスであっても。

1959年といえば日本では岸

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『素晴らしき眺め』

『素晴らしき眺め』

心臓病の妹の手術費50万元をあと2年で何がなんでも稼ぐ。
20歳のスマホの修理屋の兄は一大勝負に出て、再生スマホに手を出した。
しかし、法律で禁止となり敢えなく失敗。在庫と借金まるけに。
いきなり追い詰められたが、いやいや、このスマホの山を分解してスマホを作り正規ルートに流す。
改めて大大勝負にでた。
さて、成功するか?
  #視の日

サラエヴォの花

サラエヴォの花

ボスニア・ヘルツェゴビナの首都サラエヴォに暮らす母のエスマと娘のサラ。
サラにとって待ちに待った修学旅行。今週末までに200ユーロを学校に払い込めば旅行に行ける。
でも昼は靴工場、夜はバーで働くエスマにはそれがどうしても都合がつかなかった。勤め先に前借りも、知り合いに借金も断られた。どうしよう。
サラはクラス担任に「家族にシャヒード(殉教者)がいる人は旅行代免除」とおしえられた。母に告げるが、母は

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あなたを抱きしめる日まで

あなたを抱きしめる日まで

アイルランド
若い頃、婚外子を産んだフィロミナ。家族から恥と言われ、修道院に送られて子どもを産んだ。一日一時間だけ会える息子との時間わ楽しみに、修道院へのお礼奉公の洗濯仕事。
ある日、子どもが連れ去られる。相談も断りもなく里子に出されたのだ。
息子の50歳の誕生日に、フィロミナは娘にそのことを打ち明けた。娘は失職中のジャーナリストにフィロミナとの息子探しの手伝いをたのんだ。
2人はアメリカにわたっ

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笛吹川

笛吹川

監督 木下恵介
原作 深沢七郎
主演 高峰秀子、田村高広

いろいろ時代劇映画を見てみましたが、やっぱりこれが好き。

甲州笛吹川の木橋の袂の家に暮らす一家。武田の家に子どもが生まれた日におじじは殺され、その日にその家の娘に子が生まれた。
お屋形様と同じ日に生まれた男は、戦さから遠ざかるように暮らすが、叔父も息子もお屋形様の家来となり出世を望み仕官し戦働きをし、のし上がろうとする。
川中島、三方ヶ

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トノバン

トノバン

音楽家の加藤和彦さんのドキュメンタリー映画を観てきました。

加藤和彦さんは、フォーククルセダーズ、サディスティックミカバンド。たくさんの有名な楽曲ですごい人というのは知ってはいるけど、どんな方かわからなかった。
観終わった今もよくわからない。
あまり育ちや家族や内面もよくわからない。

私が小学校低学年だった頃、「3時から有線で面白い歌がかかる」と兄だったか、同級生だったかに聞いて、有線電話(今

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グレーティストショーマン

グレーティストショーマン

音楽最高
ダンス最高
ストーリー微妙 

何度見てもそんな感想ですね。
どの曲も大好きです。話が始まるスターティングからワクワクする。
でも、主人公の人柄が好きになれないんですよね。
それはストーリーのせいだと思う。

『否定と肯定』

『否定と肯定』

ホロコーストはなかった。
アウシュビッツで大量殺人など行われていない。ヒトラーはユダヤ人虐殺をむしろ禁じていた。
そう主張する歴史家アーヴィングを批判したリップシュタットが名誉毀損で訴えられた。

ホロコーストはあったのか?
なかったのか?
「あったに決まってる世紀の裁判」が始まる。 

弁護団は裁判の当事者リップシュタットにも、歴史の証人であるホロコーストサバイバーにも法廷での証言はさせない方針

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沖縄スパイ戦史

沖縄スパイ戦史

『沖縄スパイ戦史』

あさひこ幼稚園さんでの上映会に参加させていただきました。
映画では沖縄戦で15歳前後の少年達が集められ「護郷隊」と名づけられ、戦場に送り込まれた秘密戦の「秘密」が掘り起こされていきます。

先日の沖縄原付バイクの旅で向かった最北端が名護市の多野岳でした。
映画でも出てくる第一護郷隊が立てこもった場所。
ブロッコリーの森と呼ばれるヤンバルの美しい森をトコトコと原付バイクで登って

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ニッポン国 vs 泉南石綿村

ニッポン国 vs 泉南石綿村

監督 原一男

観る前と観たあとで世界が違って見える。
本物の映画はそんなもので、これはそんな映画です。

危険な鉱物として知られるアスベストはかつては燃えない、断熱性が高いなどで奇跡の鉱物として、建築や衣料資材として重宝されてきた。
・・・その危険性を国が半世紀も前に知っていたのにもかかわらず‼️

石綿産業に従事し、国の発展に貢献した。
でも肺に入った石綿は身体を蝕み大きな健康被害をもたらした

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