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サラエヴォの花

ボスニア・ヘルツェゴビナの首都サラエヴォに暮らす母のエスマと娘のサラ。
サラにとって待ちに待った修学旅行。今週末までに200ユーロを学校に払い込めば旅行に行ける。
でも昼は靴工場、夜はバーで働くエスマにはそれがどうしても都合がつかなかった。勤め先に前借りも、知り合いに借金も断られた。どうしよう。
サラはクラス担任に「家族にシャヒード(殉教者)がいる人は旅行代免除」とおしえられた。母に告げるが、母は申請しようとしない。
あの戦争で、父は勇敢に戦い散ったシャヒードなのに。

1992年から1995年のボスニア・ヘルツェゴビナ紛争は熾烈を極め、非人道的なことが行われていると報じられました。
それから12年後くらいの物語設定。チェトニック、ボシュニャク人、セルビア人、クロアチア人・・同じ地域に多民族、多宗教が混在して多くの血が流れ、人を人と思わない抗争がありました。

その痛みを一身に受けて苦しむのは権力も資力もない庶民。
ファーストカットの眠る女たちの姿。

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