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郷に入らば食文化に親しめ ー沖縄の「へそ」うるま市石川のローカル生活(3)

今回はうるま市石川に限った話ではありませんが、沖縄の食文化について。

6月のよく晴れた日、引っ越しを無事に終えました。部屋に荷物があらかた運び込まれ、当座必要なものの開封が終わったところで夕刻。最初に行ってみたかったのは、近所のスーパーです。

僕は上京以来10年近く一人暮らしをしていたため、炊事・洗濯・掃除は一通りこなせるのですが、その中でも特に料理が好きです。

沖縄のローカルスーパーである「サンエー」が徒歩圏内にあったため、食材に興味が湧き覗いてみることに。

スーパーマーケットの食材事情は地域や都道府県によって色々あると思いますが、沖縄ももちろんその例にもれません。今回はその一部をちょっとご紹介。

(1)肉類
 沖縄では豚は「鳴き声以外全て食べる」と言われるほどメジャーな食材。
 豚肉は安くて豊富な部位を販売しています。豚足や内蔵など、内地(本土)ではあまり見かけない部位も取り扱うスーパーは多いです。
 ちなみに牛肉と鶏肉については、他の地域と差は感じませんでしたが、沖縄の夏の一大イベントであるビーチパーティーには牛肉が欠かせません。

(2)魚類

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 日本では珍しく、冷凍でないマグロが水揚げされるためマグロ(薄ピンクのキハダマグロ)はスーパーの定番です。その他は解凍もののサバとサケが並ぶくらいで生鮮の魚は少ないです。アジやイワシなどは見かけたことがありません。
 近海で取れるものを中心に刺身も取り扱っていますが、南国の魚は全体的に大味な気がします。居酒屋で仲良くなった地元のおじさん曰く「脂が乗ってないので沖縄の居酒屋では、刺身より酢味噌和えが定番になった」のだとか。

(3)野菜

 沖縄で栽培できないメジャーな野菜(レタスなど)は全般的に高いです。これは九州や関東から輸送されてくる関係かなと思います。
 一方で、沖縄産の野菜は種類が豊富で、安くて美味しい! 紫色で粘りのある葉物ハンダマ、ウリの仲間で漬物にするとホッとするモーウィなど試しましたが、やはりゴーヤが一番! 元々は馴染みがなかったのですが、夏にあの苦味を猛烈に食べたくなる大好きな野菜になりました。

(4)島◯◯
 島豆腐。島そば。島バナナ。「島◯◯」は沖縄独特の食品で、特に島豆腐にはお世話になりました。そのまま冷奴にして食べても大豆の旨味がしっかり味わえ、ゴーヤチャンプルーや豆腐チャンプルーで炒めても存在感抜群。東京に戻ってから木綿豆腐を水切りして代用しても、水っぽくてあの食感を再現できないんですよね。

(5)缶詰
 米軍統治下の歴史があるからか、アメリカの缶詰食品が子供からお年寄りまで根付いています。スパムやチューリップの缶詰や、キャンベルのスープ缶などは内地よりも格安で手に入ります。コーンビーフハッシュあたりも有名でしょうか。
 またなぜかツナ缶がお中元・お歳暮の定番だったり、お盆のお供物に供されたり、とりあえずツナと炒めようとしたり、ツナ缶の占める地位が高いです(笑)

食品事情、軽く触れようと思ったらまだまだ紙幅が足りないくらいなので、またの機会に改めます。

初めてサンエーに行った日、ゴーヤ、スパム缶、島豆腐を買って帰り、試しに自分でゴーヤチャンプルーを作ったのですが、その美味しさに悶絶しながらオリオンビールを飲んだことを覚えています。

沖縄の食が合わなくて長く住めなかった人の話を聞いたこともありますし、初対面の沖縄の人に「転勤で来ました」というと「沖縄の食べ物慣れた? 好きになれた?」と聞かれたことも一度や二度ではありません。

沖縄に馴染んで楽しく暮らしていくためには、食文化への適応も非常に重要だったのかなと思います。その点では、僕は非常に適性がありました。

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