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イギリス留学・授業の振り返りと残りの1ヶ月の過ごし方

イギリス留学中のまいやんです。
ついに授業が終わり、あとはエッセイを提出するだけになりました。
課題も目処がついたので、授業の振り返りと残りの1ヶ月の過ごし方についてまとめようと思います。


授業&課題のまとめ

とっていた授業についてはこちら

Development and the State

この授業では主要となるイデオロギー(リベラリズム、ネオリベラリズム、国家資本主義、etc)を包括的に取り扱っていました。
課題はいくつかの設定されたテーマから1つを選び、そのトピックについて3000ワードのエッセイを書くというものでした。

最終的に私はヨーロッパの福祉国家の包括性について書くことにしました。
提供されていたテーマのうち、「アジアの発展においてLabor Repressionがどの程度貢献したか」というテーマもあったのですが、少しテーマが狭すぎると感じたのと、福祉国家にもともと興味があったのでテーマに設定しました。

福祉国家について詳しく調べる以前は北欧=福祉国家=幸福度高いというイメージで全世界が北欧のような福祉国家になればいいのでは?と安直な考えを持っていました。しかし、詳しく調べていくにつれて、福祉国家にもさまざまな問題があることを知りました。

まず、ヨーロッパにおける福祉国家にもいくつかのバリエーションがあります。1番有名なのが以下のエスピン・アンデルセンの福祉国家3形態です。

  1. 自由主義レジーム(アメリカ、イギリスなど)

  2. 保守主義レジーム(ドイツ、フランスなど)

  3. 社会民主主義レジーム(北欧諸国など)

以上の3つの説明は割愛しますが、国家の担う役割(大きな政府か小さな政府か)や福祉の対象の寛容さ(選別主義か普遍主義か)という点で大きく異なる形態をとります。アンデルセンがレジーム論を提唱した当初は、福祉への財政支出や寛容指数がレジームごとにはっきりと区別されていました。

しかし、過去の世界的な金融危機の後、既存の福祉国家は新自由主義的の影響を受け、財政支出の減少と選別主義の傾向を強めていきます。社会民主主義レジームは格差を縮小しつつ経済を成長させることに最も成功した国でしたが、財政圧迫に批判が集まり福祉の縮小を余儀なくされます。

結果的にどの福祉国家の形態も一長一短があるよねという結論に至ったのですが、コロナの影響でまた変わってきたように思います。福祉とは社会の本来予測不可能な出来事に対するセーフティネットとして機能するものであり、その重要性が改めて認識されたきっかけになりました。個人的に今後は社会民主主義レジームの手厚い福祉国家を目指しつつ、いかに持続可能な財政を実現できるかというところが鍵になるのではないかと思っています。

論文を書く上で、理論と実際のデータを用いながら論理を作り上げていくことの難しさを実感しました。また、再分配と不平等の関係や財政支出と不平等の関係を分析する上で、統計の知識やスキルの不足を実感しました。実際に分析している論文を読むときにも、理解が及ばずにふわっとした理解にとどまってしまいました。大学で統計入門の授業を受けていたものの、使えるレベルにはなっていなかったのだなとちょっと落ち込みましたが、今後の課題がわかったのでまた勉強しなおしたいと思います。

総じて、興味深くて書いていて楽しいテーマでした!

Environmental Perspectives on Development

環境という側面から開発について学ぶ授業で、植民地主義やカーボンオフセットなど多様なテーマを扱いました。
この授業も上と同様、いくつかのテーマから自分が興味のあるものを選ぶ形式で、私は「カーボンオフセットの可能性は?」というテーマを選択しました。

カーボンクレジットとは二酸化炭素の排出量を取引可能なクレジットとすることです。カーボンクレジットの取引市場にはコンプライアンス(義務)市場とボランタリー(任意)市場の2種類があります。
カーボンオフセットは基本的には後者の自発的な市場でやりとりされるもので、企業や個人はカーボンクレジットを購入することで自身の排出量を相殺することができる、という仕組みになっています。

そもそも炭素市場の目的は、簡単にいうとよりコスパがいい排出量削減方法にお金が回るようにすることで効率的な排出量削減を目指すことです。しかし、このような方法にはいくつかの批判があります。

まず、透明性やガバナンスに対する批判です。そもそもカーボンクレジットとして認定する正当性やプロセスの透明性が欠けていると炭素市場が機能しない可能性があります。

また、ポランニーは「大転換」で自然の商品化が大惨事を引き起こしたと主張しています。ポランニーが問題視していたのは自由主義者が唱える「自己調整市場」への過度な期待であり、炭素(自然)を商品化するカーボンクレジットは同様の構造にあると捉えることもできます。

炭素植民地主義をもたらす恐れも指摘されています。炭素植民地主義とは、カーボンクレジットのプロジェクトとして認定されるために、本来共有地として使用されていた土地へのアクセスを原住民から奪う事例などを含めています。

以上のように制度上、そして理論上批判の多い炭素市場ですが、その効果には複数の説があります。カーボンオフセットの有効性についてはさらなる研究が必要です。私としては環境問題に市場アプローチを導入することのリスクをより大きく捉えるべきなのではないかと考えています。少なくとも、カーボンオフセットが気候変動に対処する唯一のアプローチになり得ないことは明らかです。

炭素市場は私が現時点で最も興味のあるテーマで、かつ卒業論文でも取り扱いたいと思っていたので非常に書いていて勉強になる部分がたくさんありました。

Political Ecology and Environmental Justice

この授業は特徴的で、学びを「伝える」ことに重きを置いた授業でした。
中間課題のポッドキャストと、3000ワードのブログが評価対象でした。
ポッドキャストは5人のチームで取り組んでいたのですが、かな〜〜〜〜り苦労しました!留学で最も大きな壁だったと言っても過言ではない?

まずメンバーは中国やイギリスからのメンバーがいたのですが、まず中国の子が体調不良で緊急帰国し早々にチームから離脱します。その後、1人かけた状態でグループワークが始まったのですが、積極性がない、ミーティングは遅刻する、授業には来ない、などなどで進捗がなかなかうめず焦りました…😅
イースター休暇中に作り上げなければならないということで、私はイースタ期間中に長期間の旅行を入れていたのでその前までに作らなければ!と焦っていましたが、結局終わらず。休暇中も連絡を撮ってはいましたが、編集には全く貢献できない状態で終わってしまいました。

ここで悔しかったのは、言語の壁が自分自身の能力発揮の足枷になったことです。日本ではグループの中で計画を立てて役割分担をして進行するという経験は積んでいたし、得意だと思っていました。しかし、イギリスでは自分の英語が未熟な状態で出しゃばってると思われないだろうか、とか原稿の作成やポッドキャストの話し手になるのでさえも「他の子達がやった方がいいものが作れるのではないか」という思いが頭を掠めてしまい、それが積極性を失わせてしまったように感じます。
これは私にとって留学中での1番大きな後悔となりました。

ブログの執筆は個人での課題だったので、提出の2-3週間前から準備を始めました。具体的なケースをもとにそれをいかにストーリーとして伝えるかという点が鍵になります。リサーチをした結果、私はノーベル平和賞を受賞したマータイさんのグリーンベルト運動を取り上げることにしました。

グリーンベルト運動は、戦後のポスト植民地主義的な政策の影響で引き起こされた環境悪化や健康問題、女性の経済的依存といった問題を植林活動を通じて解決することを目指した運動です。グリーンベルト運動の強調すべき点はただの「木を植える」活動ではなく、現地の女性たちが現場に疑問を持ち、主体性と責任感を培うきっかけになったということです。

このストーリーは環境保護と女性のエンパワーメントという2点において力強いメッセージ性があり、今回の趣旨ぴったりのテーマを選択できたと思っています。論文ではなく、アカデミックブログという分類であるため、論理的な展開だけでなく表現にも工夫が必要な点が非常に難しかったです。個人的に最も自信がない状態で提出した課題にはなりましたが、この授業が最も得るものが多かった授業だと思います。
帰国後の活動を決めるきっかけにもなりました。

英語で論文を書いてみて

私にとって英語で3000wordの文章を書くのが初めてだったので始めはかなり苦労したのですが、大学が提供している英語のwriting classを受講していたのとSkill Hubというサポートコンテンツが豊富だったのでそれらを頼りにしながらなんとか書き切ることができました。

正直日本ではレポートを本気で書いたことがなく、なんとなく感覚で書いていたような気がします。今回、構成やリサーチなどのステップをしっかり踏んで丁寧に執筆を進めてみて、過去の自分がいかに適当に描いていたかを思い知りました。笑

英語で3000ワードだと日本語では約6000字相当になります。つまり内容も単純に考えて2倍😇
アウトラインを書くのに1番時間を使いました。与えられたトピックに対して明確に答えているか?一貫した論理が通っているか?と何度も自分に問いながら進めていきました。

1番苦戦したのは表現の少なさです。間接引用するときには パラフレーズする必要がありますが、語彙や表現方法が少なすぎて全然パラフレーズできない💦結果的にパラフレーズできるサイトに頼ることになりました。

ちゃんと計画的に進めて、期限内に全ての課題を出せたのはよかったなと思います^^

残りの1ヶ月の過ごし方

授業も終了し、課題も提出し終わった今、帰国日が1ヶ月後に迫っています。
本来はもっと早く帰国することもできたのですが、在寮期限ギリギリまで滞在しようと思い帰りの飛行機を取りました。
寮費が鬼高いので元をとってやろう…という思いもあります(笑)

残りの1ヶ月は旅行と帰国後の準備の主に2つに時間を使っていきたいと思っています

旅行

現時点で決まっている予定は、海外旅行はフランスのニースと北欧諸国、国内旅行は湖水地方とエジンバラ、オックスフォード、バース、コッツウォルズなどを訪れる予定です。

イギリスからだとヨーロッパの国への旅行の交通費が往復3-4万円以内には絶対収まるので、日本から来るより圧倒的にお得だと思い、いきたいところには全部行こうと思っていました。

また、イギリス国内に住んでいるからこそいきたい場所にも行っておきたいと思い予定を立てています。日本からイギリスに来るとなるとまず選ばれるのはロンドンで、それ以外の都市や街は今後行く機会がないかもしれない!それならば今行くしかない!と考えました。

残り1ヶ月のうち、2週間ほどは旅行をする予定です。

帰国後の準備

帰国後の準備というのは、帰国後に取り組む活動やプログラムの応募です。
交換留学を通して環境問題への関心が深まったので、環境問題に取り組むNGOでのインターンや事業立案プログラムへの応募を予定しています。

もちろん貴重なイギリスで過ごす目の前の時間を大切にしたい!という思いもありますが、ここで学んだことを学んだだけで終わらせないために、帰国後に行う活動の準備を今進めることにしました。鉄は熱いうちに打て!ということです。

残り1ヶ月は、きっとあっという間に過ぎていくだろうなと思っています。なので、イギリスでの生活や旅行を楽しみながらも、自分の今後について考える時間をしっかりととって、充実した時間を過ごせていけたらと思います。

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