まるで、神の祈りじゃないか
その日は土曜日でお休みだった。かなり手強い人口知能の本を読み、感想を書く課題を、やっとこさ書き終え提出した開放感で、遅寝を決め込もうと寝床でごろごろしていた。日差しが眩しくていいお天気で爽やかな朝の気配はしていたが、寝床の心地良さの方を堪能していた。
次に目が覚めたのは8時を回っていた。
「めっちゃいいお天気だな、、、うん、走ろう」
もっと横になっているつもりだったけれど、唐突に走ることを決めた。
今年のお正月、神社を巡って走るルートを考えていた。三社を裏道を通って初詣しようと考えていた。
計画は滅多に来ない大寒波のせいでおじゃんとなった。
何十年に1度、という枕詞が半分本当で、寒波はやってきた。
雪が積もって溶けて、道に残っている。裏道では、とても神社巡りできない。普通の道路を走って初詣を済ませた。走れるときに走ればいいやと諦めたのだ。
いいお天気だったのでテンション上がって、計画ルートの半分を走ってみようと思い立ち、布団から脱出した。
決めてしまうと早くて、サクサク着替え、飛び出した。
快晴、快調。
音楽の友は気まぐれに「鋼の錬金術師」主題歌。
「リライト」でテンション上げて、田んぼの道を過ぎ、大庭の大宮「神魂神社」に到着した。
参道に続く道、昔に比べ随分よくなった。
突然置いてある石。なにかの目印?
参道入口
つくばい。苔が、いい感じです。
試社、出雲大社を建てる前に、尺を縮小し建立した神社で、最古の大社造り。
国宝なんです。
こちらは地味だけど古く、大宮と尊敬を集める由緒ある神社。小泉八雲も愛した神社。我が家は車のお祓いをここでやります。
撮れた写真も綺麗で満足。
賽銭、最後ちょっと足りなくなった(笑)
いい気分で神魂神社を後にする。
帰路、新しく出来た大きな道を走りながら、思考があちこち巡る。
足が少し痛みだしたけれど、まだいけるな、今日はケアを念入りにしよう。
没頭し出すと、思考がいろいろ飛んでいく。何故か出したばかりの課題、人工知能の本について考え始めた。人工知能と、拡張身体を持った人間が対等になる。そんな発想はなかったな、と本文の印象的な箇所をしみじみ思い返した。当分勝てないと言われていた囲碁で、AIが人間に勝ち人間は敗北した。
人工知能を身体に実装し、補完された人間(拡張身体)で足りない部分を補い、囲碁AIと対峙すれば、また勝負は始められる。本の意図は人工知能に命を与え、新たな人口生物を生み出すことだったけれど、私が1番興奮したのは身体拡張された人間が人工知能と一体化し人工知能と渡り合う、というイメージだった。
この時、始めて気がついた。「そうか、私は身体拡張に1番興味があったんだ」本の結論でもなく、人工知能の話でさえなかった。パラリンピック選手の義足、あの俊足の動物を模した、しなる義足のフォルムは綺麗だと前から思っていた。欠損部分に人工知能の機能を備えた身体拡張、大いに結構じゃないか。
そう言えば、昔、バイオニックジェミー(アメリカのドラマ、事故で耳と両足、右手をサイボーグ化した女性の話)すごく好きだった。
今更、自分の指向に気がついた。
そうか、人工知能より身体拡張だったのか。
これも走っていて、妄想出来たから気がつけた。
走ることの巧妙だ。
たまたま、今日の音楽の友は、鋼の錬金術師の主題歌集、機械鎧(オートメイル)で右腕と足を補う国家錬金術師エドワード・エルリックの物語。ちょっと笑ってしまった。出来すぎだ。
エドが錬成するときは、柏手をうち、祈りのポーズを取る。神社ランにはうってつけだった。
提出したのは、人工知能について取り留めのない感想で、今更もう遅いが、課題本の何に興味があったのか気がついてしまった。
神様の社をめぐって、人工知能を周り、身体にたどり着いた。
よい内省、よい朝のランニングでした。
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#鋼の錬金術師 #人工知能が生命になるとき
#題はリンの台詞
ちょっと寂しいみんなに😢