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ひとりよりもふたりがいい

仲良くしているAさんが昨日ひと月ぶりに就労移行支援事業所に来た。久しぶりやん体調悪かったん?と聞いてみると「いや、それほど悪くはなかった」と言う。たしかに身体も精神的にもだるくてここに通所するのはしんどかったけど寝込んでしまうほどじゃなかったと。だからゲームをしたり本を読んだり近所に買い物にいったり等など日常生活はなんとかできていたと言う。

それを聞いて、あー分かるわと思った。何故ならばふた月ほど前のわたしがそうだったからだ。そしてわたしは彼女になんて声をかけようかと悩んだ。

わたしが事業所から足が遠のいてしまった一番の理由はモチベーションの低下だった。もちろん体調がすぐれなかったのもあるし、そのせいでモチベーションが低下していたんだろうと思う。

身体のだるさも精神的な不調も精神疾患のせいでもあるんだから当然やし事業所に通えないのは仕方がない。そう思っていたんだけれど同時にあーこの考えかたは甘えやなというふうにも思っていた。

ちょうどその頃に事業所で仲良くなったBさんが障害者雇用のトライアル期間を終えて本契約になったという話を聞いた。その話を彼女から聞いたときに就職したいというモチベーションが再び湧いてきて、久しぶりに事業所に通おうと思えることが出来た。

そのときのことを思い出して、自分は障碍に甘えてやらないことを障碍のせいにしていたなと改めて思った。そしてもしかしたらいまわたしの目の前にいるこの子も似たようなところがあるんじゃないかなと思った。

でもそのことは言わない。だって障碍の種類も程度も違うし、ましてやAさんのことなんてどこまで理解しているのかなんて言ったらたぶんなにも知らないに等しいだろう。ましてやきみは障害者であることに甘えているなんて言うこと口が避けても言わない。

それでわたしは彼女に「ねえ、Bさんがトライアル期間が終わって雇用契約結ぶことができたのは聞いた?わたしはそれを聞いてわたしでも出来るんちゃうか、頑張ろうって思った。一緒に就職目指そうよ」と言ってみた。身近な目標が出来たら自然にモチベーション上がってくるよって思ったから。

「それにな、Aさんと一緒にいろんなことが出来たらわたしも嬉しい。一緒にここに通おうよ」と言った。嘘じゃない、わたしの本当の気持ちだ。

Bさんごめんな、こんなことを言ったらBさんには失礼やけど、Bさんですら就職できたんやで、うちらでも就職できるってと言うと目の前のAさんが「そうやんな、Bちゃんでも就職できたんやもんな」と言って笑った。昼からはAさんと一緒に求人情報を検索したり、喋ったりして過ごした。

Aさん明日も来てくれたらいいなと思う。

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