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自分の言葉をつむぐ大切さ / 思考の脆弱性とハッキング / 最強のセキュリティ

前記事『感謝って結局なんですか?』の中で、マジック・ワードの危険についてちらりと触れましたが、今回もう少し深ぼりします。

マジック・ワードとは
すごく意味がありそうなのによく考えるとわからなくなる、いわば思考停止を招く言葉です。

思考を標語化させる『あやうさ』

  • 『マナー』『モラル』『ストレス』など和製英語(カタカナ語)

  • 『女子力』『プロ意識』など広告出身のキャッチコピー

  • 漫画・映画・音楽で有名な『決め台詞』『フレーズ』『歌詞』

  • ことわざ・熟語

  • インターネットミーム・お約束・小ネタ

定義の漠然とした言葉を、漠然と使う。何か言ったつもりになれるけど、実際はなにも言えてない。

『どういう意味ですか?具体的に教えていただけます?』なんて質問されたら虚をつかれ

『えぇ〜?? っとぉ…いゃつまり〜…アレ的な感じっていうかぁww』と苦笑いして目を泳がせるしかない。

これは《どういう状態》だと思いますか?

人は、自分の思考を言語化して、その言語化情報を再吸収した時、ようやく自分がなにを考え・感じているのかを認識します。

『漠然した標語』で自分を表していたら、当たり前ですが『認識される自分』も漠然とします。あやふやな存在になると

『脳を上書きし放題の人』になります

標語依存になると『考える意欲』が消えるんです。

物事の正解は『人の数』と『状況の数』だけあり『その時における、自分の正解』を都度考える必要がある。

しかし、考えることが面倒になった人は『出来合いの答え』を鵜呑みにするか『考えることをやめるため』に標語でフタをしてしまう。

『まぁ、そういうもんなんだろうさ、きっと』という具合に。

自分が何を考え、何を感じ、どう動けばいいのか。すべて周囲のマネになっているのです(オリジナルなき模倣として)

自分自身がない。主体性を喪失した『無防備なシステム』をハッカーは放っておきません。からなず狙ってきます。

標語化した脳内は、インターネットに例えれば、雑なコードで作られたセキュリティゼロのシステムです。み●ほ銀行状態

ハッキングは、システムに無断侵入され、中のコードを勝手に書き換えられたり、無関係なスクリプトを埋め込まれたりすることです。

これが、そのまま『人の脳内』でも行われると思ってください。

あなたが何を考え、何を感じ、どう動けばいいのか。すべてを予め決めつけられ、お膳立てされ、都合のいいように誘導されてしまうのです(主に搾取する側にとって)

まとめ:マジック・ワードは『中身のない綺麗なカプセル』のようなもの。安易に使っていると、カプセルの中に見知らぬマインドを詰め込まれて脳内をハッキングされちゃうぞ!

昔こんなことがありました

私は高校1年生で、相手は30代男性でした。
なにかの話題で『真実はなぁ〜たった一つなんだよ!』とコナン君の『セリフ』を丸パクして悦に浸っていたので

『それおかしいですよ。少なくとも、私と・あなたと・その他大勢という3つ(の視点分)があるのでは?』というと、みるみる表情が歪んでいき

『はぁ!?意味わかんねー。真実は一つなんだよ!ひとつ!!!』と壊れたラジオのように繰り返していました。

何度説明しても理解できないというか、したくないようでしたね。理由はわかっていますが、ここでは割愛します。

その人はまさに『思考が標語化』していたのです。国民的人気漫画の主人公のセリフ…という『ブランド力・権威』に己を重ねて自己陶酔。

帰属意識、権威をカサに着た安心感から気が大きくなり、遥か年下の少女に『どうだ俺はテンプレ通りなんだぞ』とドヤる中年。

なんというカラッポさでしょうか。

(これが、私の倍以上生きているオトナか)と目眩を覚えつつ、しかしある意味で象徴的であるとも思い、その虚しいやりとりを胸に刻んだのでした。

以上、2000年初頭。新宿西口ガード下の記憶でした。

泥臭くてもつたなくても、自分の言葉を使おう

『ストレス』という言葉一つとっても、それが一体なんであるのか、どういう状態を示すのか、はっきりと言えない人が殆どではないでしょうか。

そのくせ、何かあるとすぐにストレスが〜と原因にする。それじゃなんでもオバケのせい〜っていうのと大差ないです。

そのオバケがなにかを定義する『声のでかい人』の言いなりになる

自分自身を表すために『うまく言う』必要はありません

ワンフレーズでバシッと言い表せなくていい。

会話の中で、相手を困らせないように『標語』を使うのもやめましょう。自己犠牲してまで『話しを簡略化すること』を、相手は望んでいないはず。

大切なのは、考え、感じたことを『そのままに言語化する』こと。適切な単語が見つからなければ、3語使っても4語使ってもいい。

たどたどしくても1から描いた絵と、市販の背景シールや素材で固めたコラージュと、どちらに『自分らしさ』があるかは言うまでもありません。

いかがでしたでしょうか?

言葉は、魂を構築するコードです

使う言葉には注意しなくてはなりません。たとえ声に出さなくても、思考の時点で。それが認識の元だからです。

標語に依存すれば、魂はサビれます。自分自身を誤認識しているのだから、引き寄せは歪み、世界も望むものになりません。

自らの言葉で構築された思考には(一見地味でパッとしないものであっても)主体性があり、ピカピカの魂が宿っています。

それこそが最強のOS。最強のセキュリティ。
最強のファイヤーウォール。最強のアンチウイルスソフト。

今を、生きる、チカラです。

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