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スルーされ、またまたスルーされ、僕はトイストーリーの“ハム”に完敗した…

◆1

ゆかりちゃんが、ヒロミさんと伊代ちゃんのプライベートを紹介するバラエティー番組を観ていました。

伊代ちゃんの天然っぷりを観て、

「ひょっとして伊代ちゃんって、わたしに似てる?」

と、ゆかりちゃんが言いました。


「おお!」
「ゆかりちゃんが伊代ちゃんに似ているのではなく…」
「伊代ちゃんが、ゆかりちゃんに似ている!」
「さすがだなぁ~」

と、僕は言いました。


◆2

僕は、

「やっと、わかってきた?」
「自分が天然だってこと」

と、つけ加えました。

ゆかりちゃんは、僕の言葉をスルーして、

「ヒロミは私に出会っていたなら、私にホレたのか~」

と、のたまっちゃってます。


◆3

もちろん僕は、

「絶対にそうだよ~!」
「そうに決まっているよ~!」

と言いました。


◆4

ゆかりちゃんは、またまた僕の言葉をスルーします。
ソファーに鎮座ちんざする ” ぬいぐるみの ハム ” に語りかけました。
トイストーリーの『ハム』です。

「ハムちゃんは~」
「なぜ『トンちゃん』とかぁ、『ブタちゃん』とかじゃないの~?」
「加工されると、ハムだからぁ?」
「『ベーコン』ってのも、あるけどぉ~?」

「・・・」

当然ですが、ハムは無言です。

女性には「話し上手ではなく聞き上手であれ」と言いますが、ハムは僕より聞き上手でした。




おしまい


PS.トイストーリーのハム



※この記事は、エッセイ『妻に捧げる3650話』の第581話です
※マガジン【ゆかりちゃんの『天然』のポートフォリオ】↓ に加えます



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