見出し画像

子どもの あざ と選択 1

子育ては自身のことだけでなく子供に関することでも選択の日々。
生きるということが、小さな一瞬一瞬の選択の連続であることはあたりまえだけれど、時に慎重な選択、大きな選択をする必要が出てくる事がある。

「生まれてきた赤ちゃんにはあざがあります。」
じゃあ、何をするのかしないのか。


この子にはあざがあります

分娩直後、まだうまく身動きのとれない私の腕の中に タオルでくる
まれて赤ちゃんがやってきた。初対面。
同じ産婦人科での2度目の出産だったこともあり、陣痛からの経過や体の感覚、また分娩室を出てからの流れがわかっていたため私はとても落ち着いて出産する事ができた。

同じ部屋には、夫・長男・私の父母。
こんにちは私の赤ちゃん。
あ、次はこれね。そうそうこんな感じだったよね。
長男の時のことを思い出しながら、目の前の小さくて大きな存在に喜びと達成感。
みんなでかわるがわる抱っこして再び夫に赤ちゃんが抱っこされた時、「一つだけお伝えする事があり確認していただきたいのですが。」と看護師さん。くるんでいたタオルをはずしながら「この子にはあざがあります。」と。小さな体を見ると広く赤黒い部分が確認できた。

ああそうなのね。
「これは母斑といって・・・。あるからどうっていうものでもなくて・・・。」簡単な説明を聞いた後、「ああそういうものなのですね。わかりました。」なぜか私は世間話をしているくらいの軽い感じで笑顔で返事をしていた。
後になってこの時のことを思い出してみても不思議なくらいただ淡々と落ち着きはらっていた。というよりも実際どうでも良いことに思えていた。出産の達成感の方が大きかったからかもしれない。まだ静かで力強い感動が私の中を占めていたからかもしれない。

一度皮膚科で診てもらってください

二日後にあった、小児科医による診察。
出産後の赤ちゃんがみんな診てもらうもので、基本となる体の目視と共にそれぞれの器官に気になることはないかを確認してくれる。

結果、
① 心雑音あり
② 母斑あり
ここで初めて知らされた心雑音。
そして今回のお話の母斑。
「たぶん血管腫だと思うけれど、専門の医師に見てもらう必要があります。こちらはあざがあるというだけで他に心配するようなことはないものなので、急がなくても良いのでこの産婦人科を退院後、1度皮膚科を受診してください。」とのこと。
どうやらたくさんあるあざの種類のうちどの種類なのかの確定診断は、皮膚科で行うもののようだ。

のんきな私はこの時まだあざについてネット検索していなかったしなんの情報も得ていなかった。そしてその後も、皮膚科を受診したら先生が説明してくれるだろうからとなんとなく放っておくことにしていた。
でも、夫や父母は少し調べてそのことについての話題になったりしていたようだ。産後5日間の入院中顔を見にきては少しその話になったりした。

そして私は、そういえば夫とこのあざについて一度も今後の話をしていないということに気付いた。
でも実際には心雑音の方が退院後すぐに循環器を受診する必要があり、あざのほうは気にもならないしさらに情報収集するようなこともなくしばらく放っておくこととなっていった。



この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?