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感染の夏。インドアな夏。

先週末の土曜日の朝、3歳の二男が発熱した。

最近、めっきり感染に強くなっていたから、ひさしぶりのことでちょっと焦る。とはいえ、元気に家中を足蹴りカーでブイブイいわせていたので、少し様子をみることにする。

お昼になると、ぐったりし始め、自分から寝始めたので、また熱を測ると39.6℃…!

あわてて病院へ行くと、「口の中にポツポツあるね〜」とのことで、手足口病の診断がなされた。(後に、手足には何も症状がなかったこと、高熱がでたことより、ヘルパンギーナに診断変更となったのだけど。)

で、日曜日の夜には、6歳の長男も発熱した。

熱に弱く、頭が痛くなるタチの長男はすぐにぐったりモード。月曜日の朝、病院に連れて行き、これまた「ヘルパンギーナ、移っちゃったね…」と診断された。


私は三男の育休中である。

長男、二男の保育園では、保育時間は短くなるものの、ありがたいことに育休中も継続して保育してくれている。

というわけで、月曜〜水曜までの3日間、息子たちは保育園をお休みし、私はワンオペで0歳〜6歳の3人息子と日中を過ごした。

月曜は長男がぐったりだったので、もう元気になってきている二男と、幸いにも感染から免れている三男の相手だった。


火曜には長男の熱も下がり、あとは2人ともノドの痛みだけになった。退屈した6歳と3歳が、プラレールのレールで戦い始め、それを観戦する0歳児にちょっかいをだし泣かせる。

「かっかーみてみてー」

「ねーねーねー」

の応酬…。

まだノドが痛い〜と言うので、ゼリーとか、喉越しがいいもので過ごす。私はカレーで手早く済ませてしまった。


水曜はみんな元気になってきたし、インドア限界値を迎えたので、朝だけ公園に遊びに行く。

濡れた手ぬぐいを頭に巻き、ひんやりタオルを首に、うすめたアクエリアスを水筒に…という完全防御態勢でのぞんだが、暑すぎて30分でギブアップ…。

その後は、お風呂で行水を楽しみ、録画してた「君の名は。」鑑賞会。

幼児たちには、まだ入れ替わりとか、タイムスリップとか、むずかしかったみたいだったけど、私は楽しかった。


そんなこんなで、やっと全回復した今朝、兄たちは元気に保育園に登園していった。

ひさしぶりの登園に、ちょっとイヤイヤしていたけれど、玄関でぎゅー!して送り出した。(今日は夫が送り当番)


みんなが出ていったあと、しん…と静まり返った玄関。玄関のライトダウンは人感センサー付きなので、一定時間、何も動きがないと勝手に消える。

玄関のドアの細い窓から、夏の光だけが差し込んでいる。セミの声が遠くに聞こえる。


この3日間、ずっと一緒に息子たちと過ごした。

喧嘩したり、危ないことしたり、大変だった。

毎回のごはん、考えるのがつらかった。なので適当になった。

これが毎日…だったら本当に大変だと思う。気が狂うかもしれない。

けど、涼しい部屋で、息子たちにひっつかれたり、ゴロゴロしたりする時間は、なんともいえずしあわせな空気に満ちていた気もするのは、期間限定だったからかな。

こうやって過ごせるのは、育休中だけ…。

いないならいないで、やっぱりちょっと、さみしい。ないものねだりもいいとこだ。


一緒にお見送りするために、上がり框にテディベアみたいに座っていた三男と目を合わせる。

「にぃにたち、いっちゃったね」

三男は、目をぱちくりさせて、ちょっと考えてから、ふえぇん!と小さく泣いた。

私の方に、抱っこしろ〜と手を伸ばしてくる。

そうかそうか、さんちゃんもちょっとさみしいよね。

いや、やっと母を独り占めできる…!の安堵のふぇぇん…か?


どうやら眠そうなので、授乳すると寝てしまった。

そっと布団に置こうとしたけど、勢いあまってゴロン!と転がしてしまう。やば!起きたかな?

…いや、ぐっすりと寝ていた。

兄たちとのインドア3日間は、三男も大変だったのかもしれない。


ふひーとひと息ついて、冷蔵庫から炭酸水をだしてくる。

ほんとは白のスパークリングワインなどをあけたいとこだけど、授乳中だし、朝だし、の、炭酸水妥協。

ペットボトルの蓋を、慎重にそーっとあける。三男が、起きませんように。

小さくぷしゅ…と鳴って、私はひとりきりで「乾杯」をした。

おつまみは、三男の寝顔である。

〈おわり〉

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