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乳がんで垣間見た不妊治療のつらさ

こんにちは。乳がん闘病中のまいです。
今日は産婦人科で卵子凍結の結果を聞いてきました。
これでとにかく、未受精卵凍結保存の一連の流れは終わり。
5年後に使うかどうかは分からんけど、とにかく、終わって良かった。


今回、私は「高度生殖医療」の「体外受精」のほんまに最初の最初、採卵までを行いました。
普通の不妊治療やと、ここから受精卵を子宮内に戻して着床を試みるって段階まであるん。
一つ一つの段階に、身体的・精神的負担がめちゃくちゃかかってくる。

特に女性に。

つーか、身体的負担はほとんど女性が引き受ける。それに伴う精神的負担も。
これを男性に理解しろって言うんは無理かもしれんけど、ほんまにつらいよ、これ。
旦那さんのサポートと理解なかったら、続けるん、ほんまにしんどい。

何がしんどいんか、私が体験した範囲で話そうかと思います。


不妊治療とは

一般的に、「避妊しないで性生活を続けて1年以上妊娠しない場合」=不妊症と言います。
原因はいろいろ。男性の場合もあるけど、女性の場合もあります。
ちゃんと原因を調べないと治療に入れんから、治療の前提として検査があるんやろうけど。

これ、検査だけでもめっちゃ精神的にきついと思う。
自分のせいで子どもができにくいって、パートナーに申し訳なく思うよね。
不妊治療を続けていく過程で、どうしても自分を責めがちになってしまう。
調べなあかんことは分かっとっても、その結果を前向きに受け止めるんて難しいよなぁ。

そして、場合によっては検査が身体的にきつい場合もある。
検査の方法と、病院の腕によるんかなぁ。
私の乳がんの場合もそうやけど、原因を調べるための検査ってめっちゃきついん。(その話はこちら↓)
https://note.com/maimai430/n/n7d336a635bb1

精神的にもきついのに、痛みを伴うともっときつくなる。
個人差あるし、病院の対応にもよるけれど。
だからこそ、理解してもらえない苦痛を抱えてる人がようけおると思います。


不妊治療の種類

一般不妊治療と高度生殖医療があるんやって。

このサイトの説明が分かりやすかったん↓
https://www.senshiniryo.net/column_a/34/index.html
(先進医療.net:不妊治療の流れと種類 大切なのは二人で取り組むこと)

人口授精は保険適用の場合と自費診療の場合があるらしい。ほとんどの場合は自費診療なんかな。治療の種類にもよります。
体外受精・顕微授精は自費診療。
不妊治療は自治体で助成が受けられる場合もあります。自治体ごとに助成を受けられる範囲や制限に差があるみたい。

何が原因で不妊なんかによって、効果がある治療と効果がない治療があるらしい。夫婦ごとに検査してみな分からんってことですね。


女性が受ける身体的負担

男性にも男性なりの負担はあると思いますけど、さまざまな負担は女性に降りかかってくる割合が圧倒的に多いんやと思います。


まず、薬の副作用。
私も今回経験したけど、排卵を誘発したり、できた卵子を排出してしまわんように、注射を毎日10日間ほど休まず継続せなあかん。
薬の種類にもよるけど、私は5日間くらい身体のだるさや眠気を感じた。これ、仕事しながらやと結構きついよ。
あと、普通に注射は痛い。時もある。いつもじゃないけどね。だんだん慣れてくるけど。。


次に、検査や採卵の際の身体的苦痛。
検査も痛みを伴う場合があります。
卵管造影は痛いって二人くらいから聞きました。。
私も今回、採卵は痛かったし、同じ病院で採卵した人が絶叫したって話も聞きました。

私は大丈夫やったけど、採卵時の合併症の危険とかもあるらしい。
(今の医学だと割と大丈夫やと思うけど)


女性が受ける精神的負担

検査や採卵時の精神的負担。
私、検査はマジで嫌やったん。ほんまにエコー不快。これはやった人には分かってもらえると思う。検査の体勢もなかなか精神的にきついよね。しゃーないんやけど。
採卵も、もし次やらなあかんとしたら、相当嫌やと思う。一回目の痛かった記憶が甦る。やる前から相当憂鬱になるゎ。


不妊治療の結果で一喜一憂する精神的負担。
排卵誘発剤で何個卵子ができた、成熟卵の数は、受精卵の数は、着床に成功したかどうか、いちいち一つ一つの結果で一喜一憂する。
この一連の流れ、一回で済めばそれでえぇんやけど。そうもいかないから世の中には子どもがいなくて悩んでるご夫婦が多いんよね。
確率とか個数とか、数字に踊らされてるんは分かるけど、頼みになるんがそれしかないと盲目的に数字に頼りたくなるんはよく分かりました。

精神的にものすごい疲弊する。


そして、時間と労力を取られることの精神的負担。
注射は毎日必要。仕事とかの都合で通院できない人は家で自己注射。
採卵の日は軽い手術したんと同じような感じやし、一日休みたいところよね。でも仕事をしてたらなかなか休みも取りにくい。
人によっては職場に相談できん場合もあるし。(男社会の現場は特にね)
注射も慣れるけど、やっぱり痛い時は痛いし、身体的な負担に加え、日常生活も送っていかなあかんという精神的な負担。


加えて、なかなか人に話せないというのもつらい。
意外と世の中、同じような思いをしている人は多いけど、きっかけや機会がないと人にも言えん。
なかなか軽々しく話せる内容でもないしな。
いくら家族が理解してくれとっても、身体的苦痛までは共有できん。
同じ経験を共有できる人がいればまだしも、一人で抱えるにはかなりつらい。


しかも、治療が長期に渡る場合は、ずっとそのつらさが続くというよりもますますつらさは増すはず。
やるべきことはやって、つらいことにも耐えとんのに、上手くいかんという現実。押し寄せる不安。
注射も採卵も、治療のために実際に動くんは女性の場合が多い。
その分、不妊治療について考える時間も女性の方が多いはず。
自分が悪いんではないかと自分を責めがちになってしまう。
上手くいかんかった度にものすごく落ち込むんが、容易に想像できる。
つーか、こんなに身体的にも精神的にもつらい想いしてんのに授からんとか、途中で投げ出さずに続ける方が難しいよな。
採卵だけでこんだけしんどかったんやけん、妊娠するまでって、ほんまに長い道のり。。


私の場合:未受精卵凍結保存

ここまでは一般的な不妊治療の場合。
これが私の場合、未受精卵凍結保存になると確率とかが一般的なものよりちょっと変わってくるん。
妊よう性温存についてはこちら↓
https://note.com/maimai430/n/n898a56d7474f


・妊娠率
まず、凍結保存の場合、受精卵であればわりと簡単で、凍結の成功率も高い。らしい。
未受精卵の場合は成熟卵を凍結するのが少し難しくてできる医療機関が限られとる。さらに妊娠までの確率が下がるん。10%くらいって言われとる。
ほなけん、卵子10個凍結できれば安心できるってこと。一番最初に説明された。また数字と確率が出てくる。

産婦人科で一番最初に聞かれたんは、「パートナーがいるか」どうか。
成功率にも関わるけんね。
ただし、受精卵を凍結した場合、離婚後はその受精卵を使用できないというデメリットがあるんやって。
う~~~~ん、どっちの場合もいろんなリスクは避けられんってことよね。


・採卵の回数
乳がんの場合、薬物療法開始前に採卵を済ませなくてはならんから、基本、一回きり。
一般的な不妊治療だと上手くいかなければまた採卵ってことができるけど、私の場合、二度目の採卵を試みるなら40歳以降。
35歳の卵子を採卵できるのは今回きり。


・妊娠できる時期
私の場合、ここから5年間はホルモン療法を止めることができないんで、もし、凍結した卵子を使うとしても40歳以降。がんの再発なし、という前提で。
40歳以降の妊娠って、体外受精でも結構大変。確率低い。
自分の身体への負担も結構大きい。
一般的な不妊治療の場合、採卵してすぐ妊娠を試みるけど、それができないので凍結保存するってこと。


・助成
ほとんどの場合、結婚していないと助成金の対象にならんの。福島とか三重は妊よう性温存のための凍結保存には助成がある。東京都はなし。
がん治療で妊よう性を温存するために卵子凍結を行う時、自分の「希望」で卵子を保存するというより、治療のために今保存しておかないと将来妊娠できない可能性があるためで、これ以外選択肢がないって場合が多い。自分のせいじゃないんやけん、助成とかあってもえぇのになぁ。
治療開始までにやらなきゃいけないとか時間の制約もあり、結構ひっ迫した問題やと思うけど。


健康な女性が卵子保存するんとはわけが違う。

マイノリティに対する支援はなかなか行き届いてないもんよね。世の中の認知度も低いし。
患者数も多いはずの東京都、是非助成を検討してほしい。


周りの理解に救われる

今回、立場は違うけれど不妊治療の経験者に話を聞いてもらえたり励ましてもらえたりして、大分気持ちが楽になったん。
不妊治療してても、なかなか周りに相談できん人ってようけ(たくさん)おると思うゎ。
女同士だから共感できること、相談できること、愚痴れることがあるはず。

もちろん、家族(特に旦那さん)の理解は必須やけどね。
どんだけ女性が大変な想いで不妊治療に臨んでるんか、その負担を分かってくれてること、労わってくれてることが大前提やと思う。

働く女性の場合は、職場に理解者がおるかどうかっていうんも大きいやろね。
女性でも不妊治療に縁がなかった人とか、男性にはなかなか話しづらいもんやから。
職場の雰囲気、とかいう問題ではなくて、社会的認知ってことも関係してるんかな。

こうやって考えると、女性ってめんどいなぁ~。
私やって、女でなければ乳がんになることもなかったし、妊よう性温存について考える必要もなかった。(男性の乳がんもあるけどね。確率はものすごく低い)
いろんな不便やハンデを背負って女性は生きてるんですよ、男性諸君。


相手を思いやって労わるには、まず相手のことを「理解」しようと努めるんが第一歩。
どんな状況にあって、何がつらくて、何に困ってて、どうしたいんか。
自分のことだけでもよぅ分からんこともあるのに、他人のことなら尚更難しいもんよね。
でも、上手くいかんでも誠意はきっと伝わるはず。


不妊治療で頑張ってる女性の味方が少しでも増えますように。

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