見出し画像

最初に座った席が好き ajura(翹璹欏)

一瞬迷って、傘を持ってマンションのエントランスまで出て、ちょうど小雨があがり際の雲が明るいように見えたので結局傘は置きに戻り、手をぶーらぶーらさせながら歩くことにした。今日はそっちがいい朝だった。傘はオーダーで作ってもらったとてもお気に入りのやつで、それは仲良しの人々に誕生日にねだったもので、6月生まれの喜びが凝縮されたみたいな傘なのだけどそれでも一か八かの賭けに出て置いていくある程度までは濡れてもいい派。

初めて行った日はまだ早朝モーニングをやっていたときで、最近ふと遊んでもらっている女の子二人と朝8時に待ち合わせをした。
最初に来た人がどこの席に座るのか問題、自分が最初についてしまったので年長者として一応よく考え、隅のベンチに座ってみた。壁があれば背をつけたい。
高田馬場のときからいらっしゃるバリスタのお姉さんが気付いてくれる接客業の素晴らしさ。
朝の待ち合わせにちゃんとくる大人はいい。しばらくして一人の女の子が恐る恐る入ってくるのが見えて、先に着いていたけど入れなくて、と笑った。かわいいな。躊躇なくチーズケーキを食べていた、私は。入れないどころか。席について尋ねたら、ここで良いと言ってもらえて安堵。3人なのですみっこにぎゅうと寄り、お姉さんが小さいテーブルを寄せてくれ、一人暮らしの友だちんちに押しかけたら椅子が足りなくてわちゃわちゃ作り上げたような手作りの一角になった。

出勤前の朝は儚いから良いなあとやっぱり朝から遊ぶのはとても好きだなあと思う。作品だなと思う綺麗なラテをごくごくいきたいけど我慢してちびちび飲んでもう一杯ブラックでいただきたいな、むしろ牛乳無しで今度から飲もうと人が淹れてくれた美味しい珈琲の有り難さに浸ってたくさん喋った記憶。

次は結構すぐにきて、また小雨でラッキーラッキーと思いながら朝一番の貸し切りを贅沢に堪能して、今度は最初からドリップをお願いし、壁に背をつけて座ってこのあと御苑を散歩するのに最高のスタートを切ってしまったなと思いながら更に温室のことを考えてわくわくした。
そもそも薄暗い翹璹欏は雨の日が最高に似合いすぎてコーヒーは美味しいし、よくわからないけどたのしくて台湾茶までおかわりしてお腹たぷたぷになった。また雨の日にこれますように。

この記事が参加している募集

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?