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フランスの学校で、子供にこれだけはやらせてくださいと言われた2つのこと

子供たちがフランスの学校に行きはじめて、初のPTA総会的な行事に先日参加してきました。結構、私にとっては衝撃的(笑)?!度肝を抜かれたので、ここでシェアしたいと思います。

日本で学校教育を受けている私にとっても初めてのことだったので、どんなことするんだろう、どんなこと言われるんだろうと興味津々。クラスごとに担任や教科ごとの先生方が自己紹介し、授業のことやポリシーなどいろいろ説明をした後、大きな講堂に全部の親が呼ばれました。
そこでいわゆる校長に当たる女性がマイクをとり、話す場面になりました。
校長は親にいろいろと説明をするにあたって、我が校は今年度、全校生徒何人、こういう成績を上げている的な、とても細かい数字を含んだ資料をパワーポイントで作成し、それに基づいて話を進めようと思っていたようです。ところが、何が起こったのか?PCが切れて、どうやってももう立ち上がらず、(あきらめも早かった笑)
「あ~、いろいろと資料準備してたんですけど、コンピューターも今日は働きたくないようなので、二つのことだけ!これだけは皆様、親御様にお願いしたいと思います。」と切り替え、話し始めました。
その会議はうちの二女の学年の会議でした。日本で言えば小学校6年生の学年ですが、フランスは小学校が5年しかなく、中学校が4年あるので、彼女はフランスの中学校一年生です。皆さんにも覚えがあると思いますが、中学に入るときって、高学年の生徒たちがとても大きく見えて、大人への第一歩のような新たな世界で、緊張と期待と興奮の入り混じった感覚を抱く時でしたよね。
特にフランスでは、女生徒はバンバンに化粧をしていますし(笑)、制服もなく露出度の高い服を着たり、男子生徒たちもオッサンか?と突っ込みを入れたくなるような、おヒゲさんたちも多く、私でも結構カルチャーショックでした。そんな中に、日本で言えば6年生のまだまだ幼さの残る子供たちが突入していくわけです。

校長は続けました。
「私はもう長年子供たちを見てきて、経験から知っているんですが、この中学入学時というのは、子供たちの緊張は最高潮に達しています。背伸びをしようとします。子供の世界から、大人の世界への入り口のような。」

注)フランスの学校では生徒たちの部屋=いわゆる教室というものが存在しません。先生がそれぞれ部屋を持っていて、時間割によって、生徒がを移動していきます。外国映画とかでよく見るように子供たちは各自ロッカーを持っていて、そこに教科書や荷物を入れます。そしてお昼になると食堂へ行き、終わると荷物を取って次の教室へ行きます。

「そんな時、学校内でのスピード感ある生活になじめない子供は、次の授業に遅れてしまうからと、お昼ご飯を食べない子がいるんです。
ここでまず一つ目のお願いです。

授業に遅れても構いません。お昼ご飯を必ず食べなさいとお子さんに言ってください。

そのうち、遅れずに食べられるようになります。だから食べる時間を削ってはいけません。」

私は完全に反対を予想していました。遅れてはいけません、時間厳守。急いで食べるよう言ってくださいとか何とか。実際、日本の中学校に通っていた長女は給食をかきこんで食べろと言われてるけど、ムリだからいつもお腹すいてるといっていましたので。

「そして二つ目!!

子供が家に帰ってきたら、休ませてください!!

宿題をやったのか、もっと勉強しなさい、早く○○しなさい等と、子供を追い立ててはいけません。彼らはもう十分に緊張し、頑張っているのです。家に帰ってきたら、ふっと一息、休息の時間を与えるべきなのです。」

以上!と校長は早々と話を切り上げ、飄々と席に戻りました。

食べることと休むこと

この日、小さなころから植え付けられる教育の中に、日本人とフランス人の在り方に関する大きな違いを理解しました。

私はエサレンマッサージというボディーワークをする人で、コリや緊張のないカラダ、リラックスした状態はどうしたらできるのか等、いつも考えています。

緩むから張ることができる。休むから頑張れる。休息があるから、力が出せる。

良い悪いではなく、日本がもう少し緩めたらなあ、そしたらきっともっと人々が楽に、生きやすくなるのになあと遠い祖国に想いを馳せた出来事でした。

※お写真お借りしました。

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