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サービスは2次元マップでなく引き伸ばされたゼリーという話

前回のnoteの通りサービスをたくさん作って来ましたが、事業を立ち上げてから気がつく、外から見た時と中から見た時の違いで一番大きく大切なものがあります。

よく事業計画やピッチやセールス資料など、2軸で右上があいていますという競合比較マップありますよね。

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この、縦と横軸で右上があいてて、私達はここを狙っていきます!という明確なマップは幻です。

サービスが少ない時代は2軸で通用したかもしれませんが、バーティカル商材が増えてる時代です。2軸じゃ足りません。実際のサービス競争軸は2軸どころか10軸ぐらいあります。

簡単にあげて例えば以下。

商品(物/コト、...)

ターゲットユーザー(国/地域、役職、部署、個人/法人,...)

プラットフォーム(クラウド/オンプレ、アプリ/ブラウザ、SNS...)

端末(PC/携帯、既存/独自機械...)

販売手法(オフライン/オンライン、セールス有無...)

課金体系(支払い手法、値段、課金ユニット、契約期間...)

技術(マニュアル/自動/ミックス、特許...)

利用方法(課題/ニーズ)

なので、実際のマップはこんな感じになります。

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上記項目以上に選択肢がありかつ混ざっていたり、一つ異なるだけで違うターゲットに刺さるようになります。

この組み合わせについてのフィット感を探るために、元Hubspot社VP of GrowthのBrianが提唱している、100億の売上を出すフレームワークも必読です。

バズワードだけにとらわれずに本質を理解する

2013年頃メルカリ共同創業者の富島さんに、これから「フリマ系のサービス」を作ろうと思うんだ(なのでテストユーザーになって欲しい)と話を聞いた時、既にヤフオクもフリルもありました※。しかし、当時の「スマホ(プラットフォーム)」×「フリルより広いユーザー層(ターゲット)」×「頻度高く気軽に出品する(利用方法)」市場ではプレイヤーがいませんでした。競合のフリルと異なる「気軽な出品」を叶えるため、出品ステップも簡潔にコミュニティを排除した実用的なUX(機能)で出品数を伸ばしました。外から見てリリース後も上記軸にほぼブレがなかったので、経験豊富な創業者だとこの穴がばっちり見えていたのかもしれません。

※フリルはメルカリより1年ほど前にリリースされており、フリルのUXはターゲットユーザーをばっちり捉えた作りで大変勉強になりました。

このように事業経験のある人は、サービスを聞くだけで曲がり方(ヒット方法)が分かります。なのでちょっと触れている企業(=競合)も分かり、進めそうな領域(=スケール)もアドバイスできます。個人的にこれが上手いと思うのは、East Venturesのバタラさん。サービスを聞いただけで、海外の本当の類似サービスを頭から引っ張ってきてやり方を教えてくれます。当時流行ってたSNSを見抜いてMixiを作られたからそりゃ得意ですよね。

小さなピボットを繰り返す

サービスをこれから作る方は、よくそんな競合いるところ狙うよねって言われると思います。今どき競合のいない領域はないので当然の質問です。

でも大丈夫。ある程度仮説をたてて、入ってみてから方向を転換していく。そうして様々な軸がフィットしてきます。この改善を続ける軸はたくさんあるので、競合に勝てないと思っても簡単に諦めてはいけません

Airbnbも、スタート時は「寝床と朝食を提供する家」から、2年かけて「寝床がある室内」になりトラフィックが伸びました。大規模イベントがある街に駆けつけ宿泊先を登録してもらったり、Airbnbの宿泊者にシリアルを提供してブランディングしようとしたり、失敗もありながら様々な手法を試しています。

サービスは曲がって潰れてゼリーになる

Snapchat(当時はPicaboo)はリリース時は127ユーザーしかいなかったところ、Evan Spiegelのいとこに受けたのでターゲットを「高校生」に当て、伝統的な広告をやめ口コミを増やす施策(販売手法)をし、技術的課題を解決(技術)しヒットさせました。そしてFacebookのPokeにも打ち勝ち当時大量にあったSNSの網目を触れない縄張りを作りました。

まとめ

常にβ版というSaaSサービスを運営している自分にも向けた、これから事業を作る人へのアドバイスです

事業の本質になる軸を調査する

・事業立ち上げ経験者に相談する(小さいチームでの立ち上げ経験者は特に強い

最初からヒットしなくても気にしない

私はサービスが大好きなので、もし壁打ちや相談など末尾にあるSNSのリンクからお気軽にどうぞ。個人的には最近APIサービスProduct Led Growth Serviceに興味があります。

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