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#017 正解は貰うんじゃなくて作る--理系各員に捧ぐ

本シリーズは、①勉強頑張ったら選択肢が増える、②理系かつ高成績の方が選択肢は多い、③選択肢が多いと良い会社に入れて幸せになれるというよくあるお話の②まで必死で頑張ったものの、③は半分嘘である。ということに気付いて四苦八苦した僕が、理系が気付かぬうちに罠にハマらないために、考えて損のないだろうトピックを書いていくものである。

今回は、正解は他人から貰うんじゃなくて、自分の中で組み上げ作るものというテーマだ。

他人からもらった「正解」は、摘み取った花をもらったのと同じだ。自分では、その花が崩れないように、なんとか綺麗なまま保存することしかできない。

一方、他人の花からタネをいただき、自分の中で育てる人は、交配や成長の速度、方向もコントロールできる。自分なりに、世界の現実を柔らかに、自分の作った「正解」に吸収し、無駄な対立を省くことができる。

世間では人から植え付けられた「正解」を掲げて、人を殴る人が多すぎる。理系学生の場合、内容の理解が追いつかず、高校で先生に教えられたままの呪文で論述していた学生が、大学での、意味を重視した議論についていけず、「そんなことは習ってません」と文句を垂れることがある。

習ってませんなら、今理解すればいいのである。大学の先生は、学士の議論の範囲なら正しいことを教えるに決まっている。そこで自分の中で確固たる議論をしてから、先生の間違いを指摘する方が良い。

理系の仕事はAIに奪われやすい

そもそもの話だが、理系が扱う自然科学は、非常に再現性が高い。だからこそ、論理だけで考えると、理系の仕事こそ、AIが奪いやすい。AIも要らないかもしれないぐらいだろう。条件分岐で事足りる。

これを回避する理系こそ、自分の中でタネから花を咲かせる才能を育ててきた人だ。この人は飛べるのだ。やりたいことベースで、アイデアを出し、それを形にするには、必ず「飛躍」というプロセスが必要になる。今まで通りに考えていても、できないから世の中にないのだから、今まで通りでないところに飛ばねばならぬのは当然だ。

人の花で生きてきた人は、これからも自分の花を育てることは難しい。でも、少しずつ、小さな花からでも良いし、人の花と同じものを咲かせる練習でも良い。とにかく、自分の中でタネから育てるという経験が、絶対的に必要だ。

どうやって正解を自分で作るのか

案外簡単に一歩目を踏み出すことができる。

勉強するときに、教科書や板書を丸写ししなければいい。これだけだ。

先生が話し出す。このときに、先生は、何故今その話を始めるのだろう?と自分に問う。

先生は、自分であらかじめ整理してきた順番で話し出す。だから、聞いてる方は、何のために今の話をしてるのか分からないことがある。ここに、自分なりの予測を立てるゲームをするのだ。

例えば、微分方程式の講義を考えてみよう。先生は、「一階常微分方程式とは、こんな形である」と説明しながら、黒板に数式を書く。

こんなときこちらは、一階があるってことは、それ以外もあるのかな?とか、「常」ってなんだ?他にもあるのか?とか、そんなことを考える。

そして先生が、「変数分離形について説明する。変数分離形とは、このように整理できる微分方程式のことだ」と説明して板書している。

そのときこちらは、一階常微分方程式の中にもさらに種類があって、形が重要なのか。とか、変数分離系の話をしたってことは、今からこの形の時の解き方を話すな。とか考えながら、ノートに

○一階常微分方程式の変数分離形の解法
 □これはなに?
     (数式)
  とかける微分方程式のこと。
 □解き方

のようにノートをできるだけ構造的に書いていく。このとき、先生の細かな言い回しや、力を入れた点、出てきた余談などをメモしておくと、その先生の試験の出し方などの予測に便利だ。

こんな風に、先生の一挙手一投足に対し、自分の仮説を立てていく。そしてそれをノートに書く。これが、自分の中でタネを植え、育てる第一歩になる。

この感覚を掴むと、他の場面でも、人のことを丸パクリするのではなく、自分なりのものにリクリエイトする感覚が分かってくるはずだ。

まとめ

丸写しで生きる人は、なんだか人生自体もあまり面白くない人が多い。思うに、幸せな生き方すらも、学校の先生や親、好き勝手話すSNSやドラマなどの世間が植え付けた像に、支配されているのだと思う。世間が咲かせた花を貰ってはいけない。貰うのは先人たちが、大事に引き継いできたタネの方だ。

人の咲かせた花をそのまま保存するのは、やめた方がいい。自分でタネから育てれば、育てる喜びも味わえるし、自分用にカスタマイズできる。

金持ちボンボンの家に生まれた人からできた花を武器にしても、中流家庭に生まれた自分は、同じ方法でその花を咲かせることは出来ない。でも、自分でタネから育てれば、似た花を咲かす力をつけることができる。

ではまた次回も、よろしくお願いします。

※トップフォトは、ぱくたそさまを利用しています。
ぱくたそ(www.pakutaso.com)


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