#022 勉強しない学習法--理系各員に捧ぐ
本シリーズは、①勉強頑張ったら選択肢が増える、②理系かつ高成績の方が選択肢は多い、③選択肢が多いと良い会社に入れて幸せになれるというよくあるお話の②まで必死で頑張ったものの、③は半分嘘である。ということに気付いて四苦八苦した僕が、理系が気付かぬうちに罠にハマらないために、一生懸命に生きる理系各員が考えて損のないだろうトピックを書いていくものである。
「勉強をする」というと、机に向かって、ノートとペン、本を広げている様子が頭に思い浮かぶ。
でも、本当なら、そんなに敷居の高いセッティングを整えたくはない。もっと気軽に、さらっとできないと学ぶ気になんてなれない。
そんな気軽に学ぶ方法はあるのか?というと、ありますよ。というのが今回のテーマである。
高校時代、入学当初は学年トップとは言えない成績だったが、高校時代にぐんぐん成績を伸ばし、国公立医学部に入学した友人を思い出す。彼は、勉強の時に必ずやる「癖」のようなものがあった。
彼は、勉強中お調子者のように見えた。人に勉強を教えるときも、彼自身の勉強を自分でするときも、その「癖」はずっと出ていて、特に人に教えるときは、その「癖」が大活躍していた。
勉強しない学習法「ものまね」
彼の癖、それは先生のものまねだ。古典をやるときは古典の先生のものまね、数学をやるときは数学の先生のものまねをしていた。
とんでもなく似ているのだ。どの先生のまねも、まるで本当にその先生が話しているかのように見える。
人に教えるときは、それこそ本当に講義をしているような感じで、人の疑問点を解説する先生になっていた。
自分の勉強をするときは、自分自身に教える専用家庭教師の役割を、自分自身のものまね先生が担っていた。
なぜ、この「癖」が成績向上に役立つのか?少し考えると、想像以上にメリットが多いことがわかってきた。
メリット1.講義自体をしっかり聞く
先生のものまねができるということは、先生の講義をしっかり聞いているということだ。
しかも、講義で言っていたことのマネだけではない。講義でその先生が話したことのないことまで、話すことができる。まさにモノマネ芸人のように、その先生自体を自分の中にインストールしているかのようだ。
講義は講義内容を理解するためだけの場所じゃない、先生をインストールする場所なのだ。
メリット2.直接脳に、内容を入れることができる
耳学問という言葉をご存知だろうか。字面の通り、耳で聞いて学ぶことだ。
近代日本でもっとも長く続いた江戸時代、初代将軍の徳川家康は耳学問で学を深めたことで有名だ。政治に必要な知識も、数学や天文学などの知識も、家康が天下を取り、政治を行なっていく上で必要な知識を耳学問で得ていたと言われているようだ。
聴覚で学んだ内容は、なぜか忘れにくい。自身の血肉になりやすい。
思うに、直接脳に、大事なエッセンスだけが取り込まれやすいのだ。目は尋常でない量の情報を取り込むので、視覚情報は常に取捨選択され、整理され続けている。一方、耳は目ほどに情報を取り込まないので、耳から入れた情報は、結構すんなり脳に届くのではないだろうか?
まあ、これはただの推測だが、耳で聞くと自分の行動につながりやすいのは、僕自身ここ数年で経験していることだ。
メリット3.教える側の思考を自然と考える
ラーニングピラミッド(wikipedia)というものがある。
どんな学習方法が学習効率が良いか、ということを示したモデルだと言われているが、その数値の信憑性は不明だ。ただ、感覚的には合っている。
ここで重視したいのは、教えるという行為の学習性の高さである。
教えられる側では、曖昧でもよかった情報を、教える側ははっきりさせないといけない。さらに、間違った事を言わないように、間違えやすそうな内容をつぶす検証作業も必要になる。
つまり、教える側の思考は、教えられる側では思いもよらないほど練り上げられた物になっている。
モノマネをして、教える側の人間を自分の中にインストールすれば、その教える側の人に喋らせないといけない。喋るには、喋れるだけの思考が脳の内部にないといけない。
したがって、脳内先生に話させて、ものまねができている時点で、かなり学習内容を理解できているはずだということになる。しかも、その話した内容を自分が受講側として、また聞くのである。復習も瞬時にできているのだ。
メリット4.どこででも、学べる
この学習法は、頭に先生をインストールしているので、講義内容をものまねするだけで、学習することができる。
机に向かって、ノートを広げなくても勉強できてしまうのである。
高校時代の友人は、帰り道に自転車を漕ぎながら先生のものまねをしていた。
まとめ
先生を脳内にインストールして、ものまねする学習方法を紹介した。
どこでも学べて、しかも学習効果が高い、そしてお手軽な学習法だ。とにかく講義時間だけ真面目にやればいいし、講義時間も先生のものまねをするんだという目的のためなら楽しく過ごせるだろう。
話し方に特徴のある先生の教え方は、一生頭に残っている物だ。それを自分で作ればいい。
ではまた次回も、よろしくお願いします。
※トップフォトは、ぱくたそさまを利用しています。
ぱくたそ(www.pakutaso.com)
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