見出し画像

ワタシの雲雀

ワタシのために
ワタシの前で
綺麗な声で ワタシの眼を見て

歌ってくれてた 雲雀が

ワタシの手のひらから
飛んでった
きっとこの冬空では
生きていけないけれど

ワタシのために
あの歌大好きな歌を
素敵な笑顔で 見つめながら

歌ってくれてた 雲雀が

ワタシの手のひらは
窮屈だと 逃げてった
きっとこの厳しい世の中じゃ
生きていけないけれど

羽ばたいたらいい
もっと余計な事は考えず
飛んだらいい
アナタには大きな空という
舞台がある

羽が折れて それでも
上を目指したらいい
イカロスの羽のように
焼き尽くされても まだ上を

満身創痍で息も絶え絶えで
地上に落ちてきても
ワタシは何も言わないわ
だって アナタは自由な雲雀

美しい声を響かせるのが
アナタの仕事 アナタの本能
ワタシは地面の上で
アナタの事を ずっと見上げてるわ

たとえ地上に落ちてきても
そっと暖めるだけ
後はアナタの アナタの生き様
ワタシは地面の上で
アナタの空を 遠く思い描くだけ

あらぬ方向を見て
遠くで囀る雲雀が
出来ればいい声であれと
思い描く
アナタの空が 澄んだものであれと

思い描く
ただ  それだけ

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?