ゴードン_双極性障害_躁状態
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【今回の情報】
S情報(患者・家族の言動)
A氏:「もう何も怖くない。世界を変えられる気がする。眠る必要もないんだ。」
A氏:「薬なんて必要ない。俺は完璧だ。誰も俺を止められない。」
A氏の妻:「夫が突然、大きな声で話し始めて、眠らなくなったんです。こんな状態は初めてで、怖くて…」
A氏:「家族のことなんてどうでもいい。俺には世界を救う使命があるんだ。」
A氏の父:「息子の様子がおかしくなって、仕事も辞めてしまいました。何とか元の息子を取り戻したいんです。」
O情報
基本情報
氏名:A氏
性別:男性
年齢:35歳
身長:175cm
体重:70kg(入院時)→ 68kg(現在)
家族構成:妻(33歳)、長男(5歳)、長女(3歳)との4人暮らし
職業:IT企業のプログラマー(現在は休職中)
性格:普段は几帳面で真面目だが、現在は多弁で攻撃的な様子
生活習慣
飲酒:機会飲酒(月1-2回程度)
喫煙:なし
趣味:読書、ジョギング(現在は中断)
既往歴
25歳時:うつ病と診断され、約6ヶ月間通院治療
30歳時:双極性障害と診断変更、以降定期的に通院・服薬を継続
33歳時:軽度の躁状態で2週間の入院歴あり
入院経緯
A氏は入院の2週間前から、急に活動的になり、睡眠時間が激減。仕事中も落ち着きがなく、突然辞職を申し出た。家族や同僚への攻撃的な言動が増え、「世界を変える」という大言壮語を繰り返すようになった。自宅で不眠が続き、極度の興奮状態となったため、家族が精神科救急を受診。双極性障害の躁状態と診断され、医師の判断により任意入院となった。
治療経過
入院日:2024年6月15日
6月15日-17日:隔離室での管理。リスペリドン4mg/日、バルプロ酸Na 600mg/日の投与開始。
6月18日-20日:開放病棟へ移動。多動と易怒性は残存するが、睡眠時間が増加。
6月21日-25日:薬物調整(リスペリドン6mg/日に増量)。気分の変動は続くが、攻撃性は軽減。
6月26日-30日:活動性の正常化傾向。睡眠リズムも改善。
7月1日-5日:言動の改善がみられ、病識も出現し始める。家族面会を開始。
現在(7月6日):躁状態は改善傾向にあるが、易刺激性と多弁さは残存。
食事・水分・嚥下
入院前:食事量不定。水分摂取量は1日500ml程度と少なめ。
現在:食事は3食全量摂取。水分は1日1500ml程度摂取。嚥下障害なし。
認知機能
見当識障害や記憶障害は認められない。注意力散漫で集中力の持続が困難。
睡眠
入院前:1日2-3時間程度の断続的な睡眠。
現在:薬物療法により、6-7時間の連続した睡眠が可能となっている。
服薬状況
現在は看護師管理下で確実に服薬。病識の改善に伴い、自己管理に向けた指導を開始している。
コミュニケーション
多弁で話題が次々と変わる。相手の話を最後まで聞くことが難しく、一方的な会話になりがち。
排尿・排便
入院前:特に問題なし。
現在:1日6-7回の排尿、1日1回の排便。失禁なし。
ADL(歩行・移乗・入浴・着脱)
入院前:すべて自立。
現在:歩行、移乗、着脱は自立。入浴は看護師見守りの下で実施。
アレルギー・信仰
食物アレルギーなし。特定の宗教的信仰なし。
バイタルサイン
入院時(6月15日)
体温:37.8℃
脈拍:110回/分
血圧:145/95mmHg
呼吸数:22回/分
SpO2:98%(室内気)
入院中(6月25日)
体温:36.9℃
脈拍:95回/分
血圧:132/88mmHg
呼吸数:18回/分
SpO2:99%(室内気)
現在(7月6日)
体温:36.7℃
脈拍:82回/分
血圧:128/80mmHg
呼吸数:16回/分
SpO2:99%(室内気)
内服薬(現在)
リスペリドン6mg 1日2回(朝・夕食後)
バルプロ酸Na 600mg 1日2回(朝・夕食後)
ロラゼパム1mg 1日1回(就寝前)
採血データ(7月5日)
総蛋白:7.2 g/dL
アルブミン:4.0 g/dL
BUN:15 mg/dL
eGFR:85 mL/min/1.73m²
K:4.2 mEq/L
Na:139 mEq/L
Hb:14.2 g/dL
WBC:6500 /μL
その他のデータ:
AST:25 U/L
ALT:30 U/L
γ-GTP:35 U/L
CK:150 U/L
CRP:0.3 mg/dL
T-Cho:180 mg/dL
TG:120 mg/dL
HDL-C:55 mg/dL
LDL-C:110 mg/dL
HbA1c:5.6 %
【アセスメント】
1.健康知覚-健康管理
〇健康状態、受診行動、疾患や治療への理解、運動習慣、服薬状況、身長、体重、BMI、飲酒、喫煙の有無、既往歴
疾患の簡単な説明
A氏は双極性障害の躁状態で入院中である。双極性障害は、躁状態とうつ状態を繰り返す慢性的な精神疾患であり、気分の極端な変動が特徴である。躁状態では、過度の興奮、多動、誇大妄想、睡眠欲求の減少などの症状が現れる。
健康状態
現在の健康状態は、入院による治療介入により改善傾向にあるが、依然として躁状態の症状が残存している。具体的には、多動性や易刺激性が見られ、「世界を変えられる」といった非現実的な発言が続いている。
受診行動、疾患や治療への理解、服薬状況
A氏の受診行動は、今回の入院が家族の判断によるものであり、自発的な受診ではない。疾患や治療への理解は乏しく、「薬なんて必要ない。俺は完璧だ。」という発言があり、病識の欠如が認められる。服薬状況は、現在看護師管理下で確実に行われているが、自己管理能力の評価と指導が必要である。
身長、体重、BMI、運動習慣
身長175cm、体重68kg(現在)でBMIは22.2であり、標準体重範囲内である。入院前はジョギングを趣味としていたが、現在は中断している。躁状態による過度の活動性はあるものの、計画的な運動習慣は失われている。
呼吸に関するアレルギー、飲酒、喫煙の有無
呼吸に関するアレルギーはない。飲酒は機会飲酒(月1-2回程度)であり、喫煙歴はない。
既往歴
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