おんくえん、いくない!-行き渋りと戦った話-
めありーは生後10ヶ月から保育園に通っている。
通い始めから保育園が大好きだったのだけど、過去2回、保育園に行きたくない時期があった。
行き渋りの話と、ニコニコで通えるようになったきっかけの話。
コロナ禍による変化で大泣き
毎朝私と手を繋いで駐車場を歩き、脱いだ靴を自分で片付けて、教室の入り口で私とバイバイタッチして、お友達のところに走っていく。
お友達とおはよータッチをする姿を頼もしく思いながら、私も仕事へ向かう毎日だった。
ご機嫌で通っていた保育園に、大きな変化が訪れた。
コロナの感染拡大だった。
園側も厳戒態勢、2020年4月には保護者が園内に入れなくなり、先生への受け渡しが玄関になった。
その変化にびっくりして受け入れられず、その日から登園時のめありーは大泣き!
駐車場はご機嫌で歩くものの、園門をくぐって、玄関に先生の姿を確認するとその場で座り込んで泣き始める。
仕方がないので抱き上げて、暴れる娘を先生に手渡しパス。
駐車場まで聞こえる泣き声に後ろ髪を引かれながら仕事に向かう日々。(つらい)
先生によると泣くのは朝だけで、日中はとても機嫌がいいですよとのことだった。
コロナで緊急事態宣言が出たGW前後、登園自粛の呼びかけがあったので、しばらく家庭保育で過ごした。
登園再開すると、従来のように保育室まで送っていけるようになった。
それと同時に2人目妊娠中だった私が切迫早産で安静になったため、夫に送り迎えをバトンタッチした。
すると、娘の行き渋りはなくなった。
夫曰く「部屋の入り口まで連れて行くと、こちらを振り返ることなく入っていって、遊び始める」とのことだった。
娘は変化に弱いのかもしれない。
大体生き物は環境の変化にストレスを感じるものだし。
とりあえず泣かずに登園できるようになって一安心した私だった。
弟が生まれてからの「おんくえん、いくない!」
その後、第二子が生まれてまた環境が大きく変わった。
出産よりだいぶ前に夫にバトンタッチした送り迎えは、出産後1ヶ月まで続けてもらった。
私の住む町では、最近育休退園をしなくてよくなったので、下の子の育休中も上の子を預かってもらえる。
1ヶ月経って私が動けるようになったら、送り迎えの任務が私に戻ってきた。
まだほやほやの下の子を抱っこして、園かばんを持って、娘と手を繋いで歩く。
二人連れての外出自体慣れないことだったので、私はワタワタしていた。
でも最近はずっと朝泣かずに行けていると夫から聞いている。
先生からも「めありーちゃん、弟君が生まれても心が安定していて、どっしりした子ですね!」と言ってもらっていた。
が、いざ保育室までたどり着くと、足を止めて泣き始めた。
おろろろ!
送りを私に変わった途端再発してしまった行き渋り。
下の子が生まれたら保育園に行くのを嫌がるようになるっていうのは聞いていたので、きっと来るだろうと覚悟はしていたけれど、思ったより早い。
その日からまた泣く子を預けて置いてくる日々が始まった。
登園後は泣き止んで、機嫌良く遊んでいると先生が教えてくれた。
毎日早めに迎えに行って、こっそり外から見てみると、一生懸命ブロックで遊んでいたり、寝そべって絵本を読んでいたり(家か!)、楽しそうに見える。
しばらくして、先生から気になることを聞いた。
「めありーちゃん、お昼寝のときに早く起きちゃって、しくしく泣くんです。
それ以降はもう寝られないみたいで、ごろごろしてます」
確かに家でも一人では寝ないし、寝起きに私がいないとものすごい声で泣くんだけど、園だと人目もあるから静かに泣くのかな。
これを聞いて、もう少しケアしてあげないといけないなと思った。
私も仕事が休みで家にいるんだし、娘もそんなにがんばって保育園に行かなくてもいい。
なんなら一旦退園しようかな?とまで考えた。
でも退園してしまうと、復帰するときには保活からしなければいけないし、いざという時に預けられる場所はあった方がいいと思い、籍は置いたまま登園時間を減らすことにした。
ゆるゆる登園
それからは一日休んだり、お昼寝がネックなら、と午前中だけ登園したりした。
私に用事がある日は1日登園もしてもらった。
前日の早いうちから「明日は保育園行こうね、お昼寝はおうちでしようね」
「明日はおやつも保育園で食べようね」と伝えて心の準備をさせる。
「明日はお誕生日会だから、保育園に行こうね」と楽しいことも伝える。
12月から私の仕事復帰の4月までゆるゆる登園を続けた。
途中、家の事情で1カ月まるまる休んだり、2週間休んだりして、2月3月は数えるほどしか登園していない。(保育料は満額かかるからちょっと痛い!
私は退屈させないようにとか、食事の準備とか大変なこともあったけれど、仕事復帰したらこんなに一緒に過ごせる時間もないと思うと貴重な時間だったし楽しかった。
4月が近づいてくると、娘にこう伝えた。
「4月になったらぼぶくんも、めありーと一緒の保育園に行くんだよ。
いろいろ教えてあげてね。
お母さんはお仕事に行くからね。一緒に頑張ろうね」
すると娘は「しがつ?わかった!ぼぶくんも、いっしょにいこうね」と弟との登園を楽しみにしていた。
朝は相変わらずグズッたり泣いたりするけれど、園に迎えに行くと「おかーたん、めあり、がんばったよ!」と自己申告してきた。
お母さんも弟もがんばるなら、私もがんばろうと思ったのかもしれない。
4月、ひとつおねえさんになって
そしていよいよ2人で保育園に行ける春がやってきた。
娘は進級して、楽しみにしていた園リュックを背負って登園するようになった。
ぼぶくんを赤ちゃんクラスに預けた後、めありーを教室に連れていく。
先生に引き渡すときは相変わらず立ち止まって動かなくなったり、泣いたりしていたけれど、先生が助け舟を出してくれる。
「めありーちゃん、ぼぶくんのお部屋にいってみようか?」
すると泣き止んで、「うん、いく」と言って、リュックをロッカーに突っ込んでいる。
がんばれ、がんばれ。
お母さんもがんばるよ。
お父さんとの登園-振り返らず去っていく-
ぼぶくんの慣らし保育が終わったら、朝の送りは夫にお任せすることにした。
お迎えは私だ。
2台ある車の両方にチャイルドシートを2つずつ付けて、どっちの車にも子どもを乗せられるようにした。
夫の車は、(本当は私の)可愛い色の軽自動車で、その車に乗る時はめありーは助手席に乗れるので、それも楽しいようだった。
それに、夫との登園は時間が早いため、集合保育で3クラスを同室で見てくれている。
ぼぶくんと同じ部屋に登園できるのだ。これはお互いに心強い。
夫に送り任務をバトンタッチして、行き渋りで泣くことはなくなった。
夫曰く「振り返らず去っていく」とのこと。
(夫に任せると泣かなくなるということは、お父さんとのお別れはそんなに名残惜しくないのでは?と私は思っているのだけど)
最近は日曜の夜に「あちた、おいくえんだー!やったー!」という独り言も聞けて、頼もしい。
こうして、平日は家族みんな、それぞれの場所で過ごすようになった。
私の一日の一番の楽しみは、保育園に迎えに行くことだ。
めありーは今日何があったか教えてくれるし、ぼぶはこっちを見てニヤッとしてくれる。
そこからが私の本当に忙しい時間なのだけど、こんな小さな子ががんばっているのだから、私もがんばるぞ!
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