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響け!ユーフォニアム 北宇治高校の吹奏楽部日誌

ユーフォ原作履修も、11巻目(スピンオフ含)となりました。
(シリーズの通しでは7巻目)
先頃、京都で購入したものなので、ダブルカバー(アニメ絵)仕様であります。
一寸面白い構成で、短編(そこそこのボリューム)2作と、著者インタビューや吹奏楽やシリーズの解説が収められていて、ある意味ユーフォシリーズ久美子1年生編の集大成の様でもありました。

響け!ユーフォニアム
北宇治高校の吹奏楽部日誌

01 冬色ラプソディー
  〜北宇治高校 定期演奏会〜

[106頁]

時系列で言うと、最初の短編集(ヒミツの話)最後の物語の後になりますね。
その感想で、集大成の様だと書いたのですけど、まだまだ黄前久美子1年生編は続いてました。
コンクールと並んで、吹奏楽部の重要イベントである、定期演奏会に向けてのお話でした。
北宇治高校は、2月なのですね。
準備を担当するのは、2年生の鎧塚みぞれと、補佐として抜擢された?4月迄は暇な新入生担当に就任した久美子でした。
みぞれと久美子の組合せは、新鮮な感じもありますが、案外コミュニケーションを取れていたのも確かです。
定期演奏会はある意味、吹部の部員全員が主役になれる晴れ舞台でしょうから、その準備となると大変そうでした。
意外にも、みぞれが有能でしたし、久美子も苦労しながらも頑張っていました。
コンクールとはまた違った緊張感があるにせよ、日頃の練習の成果を発表出来る場と言うのは、やはり貴重で大切なんでしょうね。

02 星彩セレナーデ
  〜北宇治高校&立華高校
   合同演奏会〜

[73頁]

前のお話で少し出て来ましたが、3月には立華高校との合同演奏会が予定されていました。
立華高校の1年生や、北宇治の引退した3年生も登場して、正しく久美子1年生編の掉尾を飾る作品です。
ですよね?
(こちらの刊行前にスピンオフの『立華高校マーチングバンド』が出ていました。)
立華と言えば、やはり本編でもおなじみの"ささあず(佐々木梓)"ですが、久美子を嫉妬させる程の成長を遂げていた訳ですが、まぁスピンオフを読んでいれば、充分過ぎる程に納得出来ますね。
久美子にとっても、良い刺激になった筈で、更に上を目指して行く上でも、現状に甘んじている場合では無いでしょうし、日々の努力を積み重ねて行くしかありません。
運動部であれば、練習試合や合同練習等の機会も珍しくありませんが、吹部であればこうした合同演奏会が、そうしたものであり、得るものも多い貴重な機会なのでしょう。
何れにしても、オールスターキャストでありまして、楽しく読む事が出来ました。
表紙絵も、このお話のものですね。

03 『響け!ユーフォニアム』 日誌

残りの1/3は、著者である武田綾乃さんのインタビュー等の企画ページとなりました。

この時点での、既刊(今作含め7巻)ネタバレが含まれていますが、順番に読み進めて行けば、全くの無問題ですね。
個人的には、最新刊から読み始めて、順番こそ前後したところもありましたが、偶々最終楽章計2巻(未読温存)を除いて、1番最後の読了でありましたね。

武田さんのインタビューでは、作品の裏話的なものも興味深かったですが、ご本人が吹奏楽経験者(勿論ユーフォニアム奏者)であり、始めた切掛がとある登場人物と似ているところも、印象的でありました。
但し、作中のキャラクターに自己投影はしないそうですので、あくまでも切掛の部分だけみたいですけどね。
キャラクターが自ら動き出すタイプの作家さんの様なので、早い段階(1巻刊行)でのアニメ化は、きっと相乗効果があったのかも知れません。

インタビューの他には、シリーズ全巻紹介や登場人物紹介等もありまして、元々表紙絵以外には、口絵は勿論挿絵すら皆無の作品なので、絵や写真が掲載されているのは、何とも不思議な感じでした。

作品そのものからは、少し離れていますが、吹奏楽の基礎知識(あるある?)や楽器の解説もありましたが、厳密には「吹奏楽」イコール「ブラバン(ブラスバンド)」では無い話は、確かに作中では「吹奏楽」で統一されていた気がします。
正確な「ブラスバンド」は、「金管バンド」を指すそうで、個人的には馴染の薄い言葉でしたが、やはり作中では折に触れて出て来ていました。
金管楽器と木管楽器の違いも、部外者には判別が難しいですが、唇を震わせるかどうかの奏法の違いだそうで、フルートやサクソフォン(サックス)等は金属製でありますが、唇を震わせないので木管楽器に分類されています。

最後は、吹奏楽関係者のコメントや、原画やコミカライズにアニメ制作(京都アニメーション)関係者のコメントもありました。
そして、このシリーズでは初めての、あとがきで締め括られています。

この時点(2016年)で、次回作の予定は定まっていなかった様で、一先ずは久美子1年生編で、大きな一区切りだったのは確かでしょう。

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そんなこんなで
個人的に原作履修も、ユーフォ3期の原作(最終楽章計2巻)を除いて、一旦は小休止となりました。
兎に角、読み易い作品で、且つアニメを視ていた事もあって、面白かったです。
私自身、読書家ではありませんから、アニメと言う縁が無ければ、恐らく出会う事は無かった作品なので、だいぶ後追いにはなりましたが、読む事が出来てよかったと思います。

(了)


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