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私は社長がしたいんじゃなくて、社長不在の会社を創りたいんだ、という矛盾

2021年になったし、改めて会社の方向性とか目標とか、そんなことを考える機会を設けてみたりした。

私たちが設立した合同会社PeerQuestも、2期目が半年すぎたところ。思ったよりも時の流れはゆっくりな気もするし、あっという間と言われたら、そう思わなくもない。

私が築いてきた、会社という居場所

ここまで代表としてPeerQuestをやってきて、最近ふと思ったことがある。

私のやっていること、感じていることって、従業員という意味での会社員として働いていた頃と根本は何も変わっていない気がする、って。

立場は違えど、私が会社という組織に生かされていることに変わりない。

よく、一人社長だったりすると最初の頃は自分で自分の給与を振り込んでた〜、とか社員の入社手続きも全部自分でやってさ〜、みたいな話を聞くけれど、実は私、一度も自分で振込をしたことがない。

初めから経理業務を外注していたし、会計や決算、社保や給与計算などの手続き関連も全て専門家任せである。

だから私は毎月決まった日に振り込まれる給料を楽しみに胸を踊らせているくらい、普通の会社の正社員となんら変わらないと思っている。

そういう意味では、私は一人では生きられないし、会社という組織あっての自分だなという自覚がある。個人事業主という形態で事業をしていたとしても同じように経理業務を外注しただろうし、おそらく一人では何もできない。

こういうことを言うと、「そんなの経営者じゃない」って否定したくなる立派な経営者の方がたくさんいると思うけど、経営者の定義がなんにせよ、事実この会社を登記しているのは私であって、こういう運営で会社を成り立たせているのも、それを決めたのも私であることに間違いはない。

ただ、そうであるとするならば、自分で会社をやるよりもどこかの会社に正社員として入社したほうが楽じゃない?という疑問も芽生える。

どうして私は自分で会社をつくったんだったか。

私が思う「Peer(ピア)」な関係

私は、どこまでいっても「Peer(ピア)」にこだわってきた。

それはなぜなら、私自身が誰かに気を遣って何かを我慢したりだとか、相手が上とか下とかで対応を変えなきゃいけないとか、そういう世界線で生きていけない人種だからだ。

PeerQuest(ピアクエスト)のPeerには「同僚、対等な関係、フラット」という意味があります。
私たちが目指すのは「上司やクライアントが偉くて部下や請負業者が指示に従う」という上下関係ではなく、全員が対等な立場でコミュニケーション価値を最大化し、円滑な開発プロジェクトを実現する仕組みづくりです。

▲コーポレートサイトより抜粋

社長や代表の強い意思に共感して、寄り添って一緒に目標を目指していくのが通常の会社のあり方だと仮定したとき、私にはそれが窮屈に感じてしまった。

例えば「うちは煎餅を先祖代々100年作ってきた!これからもこの秘伝のたれを受け継いでいくぞ!」という社長の下で、社員が「ところで自分、世界中のどこでも読書ができるVRを創りたいと思ってまして〜」という提案をしたとしたら?

「そんな1ミリもシナジーの見えない事業に投資できるか!」って思われるのが目に見えてる。(し、そんなようなことが会社員の時に実際にあった)

たくさんのやりたいことがある中で、しかも、それが日々の時代とともに変化していく中で、代表の思いとか会社とのシナジーがどうとか、そういうことに囚われて足踏みしなきゃならない時間がすごく無駄に感じた。

それをすることが成功するかどうかとか、仲間と力を合わせる達成感がどうとかじゃなくて、自分自身がいかに自由で、楽しく人生を謳歌できるかっていう視点で生きてもよくない?って私は思ってる。

だって私たち人間って、いつか死ぬとわかっているくせに、今こうしてせっかく生きてる。周りの意思でやりたいこと変えないといけないなんて変だ。

私が実現したい世界

だから、私が自分でつくる会社には社長がいらないと思ってる。

社長というポジションがいることがすでにPeerではないし、本当の意味でフラットな組織が実現できたなら、もっと本音で支え合えるはずだから。

私でも私以外のメンバーの誰でも、明日急にお菓子屋さんをやりたくなったらやってる、周りもいつだってそれを応援する、くらいの生き方をしていたい。

ただ、それには一つ問題がある。「社長不在の会社」を創ることを望んでいる私という社長がいる時点で、この話は矛盾する着地しかできないってことだ。

うーん、困った困った。

この会社の社長は、私は、一体どうしたらいいんだろう。

2021年も、そんな矛盾を抱えながら、Peer(ピア)を目指して頑張ってみる。


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