見出し画像

この人を載せるべきだと編集者の心が動いたとき

とある業界雑誌の編集者です。

業界の活性化を願い、業界関係者を応援するための情報発信をするというのがコンセプトの雑誌。
その雑誌で、業界関係者が読んで面白い、役に立つコンテンツを発信しています。

編集者として4年ちょっと様々な人を取り上げて、記事をつくってきました。

取材相手、
つまり雑誌の記事で取り上げる相手を、
どのように選ぶのか、気になりませんか?

業界関係者が読んで面白いと思う情報を載せている雑誌ということなんだから、業界の有名人とかでしょ?
って思いますよね?

それはもちろん正解です。
・その業界に関わる人なら、誰もが知る影響力が絶大のレジェントクラスの人
・売上、技術の凄さが知られている人
・他メディアでも取り上げられて、名が知れ渡っている人
など

みなさんが想像する通りの人物を取り上げることも多いです。

だけど、

・現時点で多くの人に影響を与えているわけではない
・何がすごいのか知られていない
・メディア露出がなく全く無名の人
・SNSの発信すらもあまり目立たない

そんな人なのに関わらず、
「この人を取り上げないなんてありえない。この人の魅力をぜひとも記事にして伝え広めたい」
となった出来事がありました。

心が大きく動かされたんです。

それはどんな人だったか、どんな出来事だったか
そのエピソードを語りたいと思います。

本題に入る前に
編集者の立場ではなくて、一クリエイターの立場から思うこともつづっておきます。

私は、仕事を離れると、趣味で小説やエッセイを書いている一クリエイターでもあります。
多くの人に読まれたいな、多くの人の心に響くような作品を書きたいなと
夢を見るしがない物書きのひとりでもあります。
私の作品に対して、他者が「この作品は面白い!他の人にも読んでほしい!多くの人に広めたい」と思ってほしい。
そう切望しているのです。
だからこそ、
メディアや賞に取り上げる立場の人や、
他者におすすめするような人が、
どんな作品に目を止めるのかは
大きな関心事です。

雑誌編集者の仕事として、取材相手を選ぶ立場で
なるほどこうやって、仕事や作品を取り上げたいと思うものなんだなって、実感したんです。

「この人を取り上げずして誰を取り上げるんだ」という強い気持ちになった。
だから、その人を取材相手として取り上げたです。

心を動かした要因は一体、何だったのか・・・

答えから言います。
それは、”熱狂”でした。
熱狂が引き起こされ連鎖していったのです。


編集者の立場からそのエピソードをお話しします。


ここから先は

6,343字

¥ 300

いいなあと思ったらぜひポチっとしていただけると喜びます。更新の励みになります。また今後も読んでいただけるとうれしいです。