7月、山下達郎の曲を聴くと思い出す / 映画「ジュブナイル」公開から20年
新しいイヤホンを買った。
いわゆる完全分離型、TWS(True Wireless Stereo)とも呼ばれるタイプのもの。
全くケーブルの類が無く、縛られない感じがとてもストレスフリー。
といっても、有線イヤホンに比べたら音質とかどうなの？なんて思っていたがこれが想像以上に良い。
予約していたので、発売日当日に無事受け取り。
試聴がてら、様々なテイストの曲をあれこれシャッフルで聴いていた。
そこで再生されたのが、この曲。
「アトムの子」
ふと、思い出した映画がある。
この曲が挿入歌として使われていた。
2000年7月公開、映画「ジュブナイル」だ。
「テラバイト」が現実に
【あらすじ】
2000年の夏休み。坂本祐介、木下岬、大野秀隆、松岡俊也の四人の子供たちは、キャンプ場で超高性能ロボット「テトラ」と出会う。テトラはひとまず祐介の家に置くことになり、四人が集める廃品を材料にテトラは自分の体を改造、歩けるようになる。近所に住む天才物理学者・神崎も巻き込んで四人とテトラの夏休みは過ぎていった。だが、ある日テトラは祐介たちの前から姿を消してしまう。
そのころ、地球上空には地球の海を奪うという注文を異星の住民から受けた宇宙の商人・ボイド人の巨大宇宙船団が停泊していた。（中略）
そして、物語は2020年という、未来へとつながっていく。
2020年って、今年じゃん！
大して進歩してないのでは…なんて思ったが、細かく色々進歩しては、いる。
例えば、劇中で祐介達が出会うロボット、テトラに使われている記憶媒体。
タテヨコ2cm位のディスクなのだが、その容量「2000TB(テラバイト)」。
富士通の子供向けページが一番分かりやすかった。
当時1GB(ギガバイト)でも相当な大容量！だなんて謳われていたのに、テラなんてなんかもう途方も無さ過ぎる。日常生活に「1京」とかそんなとんでもない単位が飛び込んでくる感じ。
20年経った今、ブルーレイ/DVDレコーダーの最新機種には
「HDD容量 10TB」の文字。
家電量販店でこれを見た時、
「テトラの時代じゃん！！！」と一人興奮したものだ。
青春と、SF活劇、そしてPS2
いつの時代だって青春とSFは相性は最高だ。
大きく言えば「ドラえもん」だって青春とSFだ。
完全自立型AI搭載のロボットが、少し先の未来から現代に生きる小学生の部屋に突然現れる。そこから大きく変わる君と僕の生活。
こう書くと「ジュブナイル」のあらすじとなんだか似ているような。
実際、山崎貴監督は「ドラえもん」「E.T.」あたりの作品に強く影響を受けた、と当時のインタビューで語っていた。
少年少女の日常の中に、突然現れる「ロボット」「宇宙人」そして「未来」というSFワード。
スクリーンの中で活躍する、私とそう変わらない年齢のキャラクター達。ワクワクしない訳が無い。
山崎貴監督、と聞いて「おや？」と思った方がいるかもしれない。
「ALWAYS 三丁目の夕日」「永遠の０」等で監督を務めた方だ。
この方が描く、
夏の風景、夕暮れ、半径１kmの群像劇、
のようなキーワードから連想されるシーンと、VFX技術バリバリのCGで描かれた巨大ロボだとかマザーシップだとかの対比効果、いや化学反応がきっとこのワクワクの根本にある、気がする。
巨大ロボで思い出した。
劇中、なんやかんやあって（ネタバレ回避の為割愛します）ユースケが巨大ロボを動かす事になるんだけど、その操縦桿がですね
「DUALSHOCK2」
そう、当時発売されて半年足らずの「PlayStation 2」向けのコントローラー。
劇中でユースケの部屋にすっ転がっていて、いつの間にか割と重要アイテムになっているPS2。
当時の最新ゲームハードのコントローラーで、巨大ロボを操縦。
なんだそれ、めっちゃワクワクするじゃん…。
監督、ティーンの心をしっかりまだ持ってらっしゃるおじさんだな、さては。
無論、10歳だった私もワクワクしまくった。家にあるPS2がこんなに、ロマン溢れるアイテムに！
2020年、大人になった貴方に
書いてて2000年が「20年前」であるのにまだちょっと違和感が拭えない。
しかし時というのは不可逆性、かつ万物に対して平等に流れている。
過去は過去。
切ない、でもだからこそ美しく今もこうして輝いてくれるのだ。
音楽も、映画も、触れればその時の思い出が蘇る。
まだタイムトラベルは出来ない2020年だけど。
現代の再生装置に触れて心だけ時空を飛び越えてみるのも、なかなかワクワク出来るんじゃないだろうか。
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