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薬味克服伝

別になくても生きてはいけるけど、あったらQOLが爆上がりするものたち。たくさんあるのですが、薬味!!!! 幼少期にはわからなかった彼らの重要性、いまならぼんぼん語れるのであった。

ニンニクは薬味というかもうほぼ自然に摂取してきた調味料のようなものなので、昔からずっと同盟を結ばせていただいている。
が、生姜は大学生前半まで苦手だった。あのちょっとツンとする感じとか独特の香りが……ジンジャーエールも飲まず嫌いだったし、実家暮らしのころも口に入れたことはたぶんなかった。で、薬味系は食べなくても年を重ねられるのだが、初めて克服した料理はかの王道定食、豚の生姜焼き! なぜ食べることになったのか記憶はぷわぷわしているが、え、おいしいやんこれ……これが……生姜のチカラ……とかきこんだのを覚えている。そこから生姜ロードを歩くに至り、今となっては特大生姜チューブが欠かせない。あとはお寿司のガリ。もうこれだけで日本酒を飲める。カーッちょっと行ってきま

ワサビと辛子だけはだめ。わさびは特に、ちょっと良い料亭とかで出てくるおろしたての高級わさびをちょびっとなら、辛味がまったくなくていける。でもこれはただ「いける」のであって、箸でつまむときの量は同行者にしつこく確認し(あまり意味はない)、口に入れる瞬間はいつも生か死かのあやうい綱渡りの気分なので、食体験としてあまりよろしくない。ミディアムレアステーキにわさび醤油が合うのはめっちゃわかるんです。前世のシェフがそう言ってるんです…

ワサビも辛子もほんとうに身体が受け付けないみたいで、うっかり食べてしまった日には冗談でなく星が散る。目の奥と脳の奥がチカチカして、こめかみあたりがガ―――ッと熱くなって、かなしくもないのに涙ぽろぽろ、たこわさをたこわさと知らず食べたときの記憶はずっとここに居続けるだろう。唯一、サンドイッチの辛子マヨネーズはおいしいと思える。パン好きの舌がサンドイッチ全体としての味わいにもってかれちゃってるのである。ふわふわだしまきサンドに辛子マヨ、合うんだよな……。
しかし通常モードのワサビと辛子、何度克服しようとしても無理なのである。わたしだっておでんに辛子をちょい乗せして薄く笑ってみたいし、良さげなお寿司屋さんで「……サビ抜きで……」とわざわざお願いせずに、「あらええワサビですこと」とそのままスマートにいただいてみたいのに。

あとはラー油とか……あれは薬味なのか? 山椒とか花椒、あのあたりは大好き。ハラペーニョはちょっと危ない。もしや前世は中華料理のシェフだった……!??
ワサビと辛子を克服された方、ぜひそのコツを教えてください。

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