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電話の緊張、いつまでも

電話で堂々と受け答えができる人は本当にすごい。小さい頃から電話が苦手で、実家の固定電話の呼び出し音が鳴るだけでもぴんっと背筋が勝手に伸ばされるような、慣れない感覚があった。わたし宛でないことがほとんどなのに謎である。アラームやインターホンなど「呼ばれる」系が苦手なのだろうか。前世は偉大な魔術師だった? もしくは成仏しきれなかった虫の魂?

社会人になるといやでも会社の人間として電話をとることが発生する。でもそれはわたしに掛かってきているのではなくて、わたしを通して会社に掛かってきているものだから、逆に割り切ってとれるようになった。いわゆる外面ができあがってくるからかもしれない。
問題は個人対個人の電話。家族や友人などの親しい間柄ならなんともないけれど、たとえば電気ガス系の問い合わせ先とか、役所手続き関係の窓口とか、しなくちゃいけない電話。向こうは向こうで仕事として対応していただいているのはわかっているのだが、いざ掛ける側になると全く気が進まない。

苦手な理由のひとつに、相手の顔が見えないから間の取り方がわからない、というのがある。よく知っている間柄ならだいたい会話のペースはつかめているし、多少は遮ってもらっても全然大丈夫。でもいきなり赤の他人と対話を始めるのってすごくハードル高くないか!? ある程度ビジネスライクな感じだし、普通に応答すれば問題ないはずなんだけど、名乗ろうとしたところでお名前をお願いしますと言われたり、相槌が無くて不安になったり、ちょっとしたタイミングのすれ違いがむずかしい。

そして問合せあるあるだが、電話一本では終わらずに担当者からまた掛けてくれることになる→電話に気付かずとれなかった→折り返す→その番号は窓口全体のもので「担当からまた折り返します」と切られる→待ちぼうけ のルートの長々しきことよ~! 引っ越し先の水回りの不具合で、またすぐ修理の電話きますので!と言われて、ほんとに翌日くらいの「すぐ」かと思ったら三ヶ月以上放置されていたときの気持ちは忘れられない。

電話という行為を避けるべく、ネットで完結できるものはとことんネットで済ませるようにしているが、どうしても電話が必要なものはある。やっぱりちょっと緊張してしまうので、話すことをメモしておいてから掛ける。むやみやたらと敬語を重ねてしまって、二重どころか三重敬語……腰低すぎてもはや地面に埋まってないか? と恥ずかしくなることもたまにある。横柄な態度をとるよりは、いいよね……! 御礼を言うときに実際に頭を下げてしまう人、仲間です。ありがとうございます。

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