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小説 闇の囁き


第2章 影の暴力

ゆりは学校への登校がますます憂鬱になっていた。まゆこと彼女たちのグループが彼女に対して行ういじめが続いていたからだ。

まゆこはなんとなくゆりのことが嫌いだった。彼女はいつも自然な笑顔で周囲の人々を明るくする存在であり、その存在がまゆこにはどうしても許せなかった。ゆりの笑顔は彼女の居場所を脅かしているように感じられたのだ。

ある日、ゆりはいつものように学校へ向かっていた。彼女は内心で心細さと恐怖を感じながらも、勇気を振り絞って学校に足を踏み入れた。

しかし、いじめは彼女を待ち構えていた。まゆこと彼女の仲間たちはゆりに近づき、嫌がる彼女の髪を切り始めた。ゆりは絶叫し、泣きながら助けを求めたが、周囲の人々は見て見ぬふりをした。

彩香もその場にいた。彼女はゆりの苦しみに心を痛めながらも、何もすることができなかった。彩香はまゆこの嫌悪感やいじめの理由については理解できなかったが、まゆこの存在がゆりを苦しめることを目の当たりにしていた。

まゆこは冷たく笑いながら「こんな髪型が似合ってるよ。これでおしゃれになったんじゃない?」と言い放った。彼女たちはゆりの痛みや苦しみに喜びを見出していた。

ゆりは傷つき、絶望に打ちのめされた。彼女はなぜまゆこたちが自分をいじめるのか理解できなかった。まゆこの嫌悪感はどこから来ているのか、それが彼女には理解できなかった。

その日以降、ゆりは学校に行くことを避けるようになった。彼女は自分自身を傷つけられる場所に身を置くことができなかったのだ。彼女の心は闇に包まれ、絶望の淵に沈んでいった。

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