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【112社の求人を整理/分類してみた】採用ブランディングで活用すべき業界の魅力はこれだ!

みなさんこんにちは!
ポテンシャライトの「オクムー」こと奥村です。先日「ハイスキルなエンジニアを採用する手法」についてのnoteを執筆しました 👇


今回のテーマは「採用ブランディング」です。

採用ブランディングとは:
 その企業の魅力を「発掘」「言語化」「整理」をすること。

求人作成時、スカウトのテンプレート作成時、エージェントへ自社の魅力/特徴伝達時に「何を伝えたら、候補者に自社の特性が魅力的に伝わるのか」と悩まれたこと、人事の方であれば一度はあるのではないでしょうか?その際に役立つのが「採用ブランディング」です。いわゆる「自社の魅力のまとめ/ブランド化(他社との差別化)」ですね。

ポテンシャライトの場合は、具体的な採用実務支援前(Wantedly運用など)に取り組むことが多いです。ブランディングした内容を元に、求人、スカウトなどを設計していきます。

ポテンシャライトの代表的なサービスの1つである「採用ブランディング」ですが、実は設立当初からコツコツ取り組んでいました。この支援を継続的にさせていただいて、4年が経過しました。自分たちもびっくりするくらい数多くの事例が蓄積されておりましたので、今回はその「軌跡」を振り返ってみました。

「どのような業界に対して」「どのくらいの数」「どのような魅力設計をしてきたのか」をまとめましたので一部ご紹介できればと思っています。

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▲この量が3スクロールくらい続きます...  我ながら結構な量のまとめをしました...


0. どのように採用ブランディングをしているのか

早速事例の発表...!とその前に、そもそもポテンシャライトはどうやって採用ブランディングをしているのかをお伝えします。

当社の採用ブランディング手法は「ヒアリング」が軸です。ポテンシャライトはコーポレートブランディング屋ではないため「会社全体のブランディング」というよりも「採用におけるブランディング形成」を念頭にサービス提供しています。

具体的な手法は下記の通りです。

 0-1. 企業様の情報をできるだけ多くいただく

準備として企業様情報のインプットはもちろん重要なため、できるだけ多くの情報を事前にいただいています。

資金調達時の記事や、メディア掲載記事など、その企業様が魅力的に表現されている記事を共有いただき、ポテンシャライトなりの咀嚼/理解を行います。まずは、既に世の中に出ている内容を集めて、あらゆる方向から企業様の魅力を徹底的にインプットすることが大切と考えています。

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▲例えば、このような外部向けの広報の記事も参考にします。世に出ている情報をなるべく全て踏襲して理解を深めるイメージです

 0-2. 質問内容の設計

採用ブランディングのお打ち合わせ時にするスタンダードな質問を17つ準備をしているのですが、それ以外に企業様にカスタマイズした質問の設計もしています。

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▲スタンダードの質問17つ。この質問を軸に、企業様にカスタマイズした質問の設計を進めていきます。

例えば、業界で唯一無二のサービスをお持ちの企業様への質問内容は、業界に寄ったケースが多いです。(なぜ他社が取り組まないようなサービスを作ろうと思ったのかを、業界の特性に絡めて話していただく、など)
また、住宅メインの企業様はプロジェクト概要や担当領域の話を多めにすることもあります。そのため、企業様ごとに深掘りをする質問項目は大きく変わってきます。

 0-3. 採用ブランディングインタビュー

いよいよ、事前準備した質問をお伺いしていきます。ポテンシャライトでは、主にクライアント代表 or CxOクラスに直接ご質問させていただくケースが多いです。

最初は会社/事業説明を中心にお話していただき、その内容に対してポテンシャライト側が質問を重ねていきます。ポイントはこのインタビューだと思っており、基本的には企業様からアウトプットいただく時間の方が長いものの、当社が感じたことをディスカッション形式でお話を進めるケースもあります。

正直、思った以上にその企業の魅力がアウトプットされないこともあります。採用ブランディングのインタビューで重要なのは「事実ではなく魅力をお話いただくこと」。また、それを引き出すのが私たちの役目です。
そのため、正直に「本音を言うと魅力が感じられません。お話にはございませんでしたが、〇〇な点は御社の魅力だと思うのですがいかがでしょうか」とお伝えすることももしばしばです。

この魅力の深堀は難易度が非常に高いと感じています。当社メンバーも、さらに良い魅力の引き出し方を追求し日々トレーニングを積み重ねております。 

 0-4. 内容取りまとめ

ヒアリングをした結果、内容を取りまとめます。
取りまとめる際に、その企業についてだけではなく、周辺業界の話、そして業界の上流にある社会的背景、日本の情勢、世界のトレンドなどからブレイクダウンをして魅力の打ち出しをすることが多いです。(その方が、より多くの方に企業様の魅力を理解していただけると考えいます)

やはりこれも難易度が高く、より魅力的に表現するための引き出しはかなり必要になるかと思います。(私も、まだまだ勉強中です汗)

 0-5. 取りまとめた内容をもとにディスカッション

取りまとめた内容は2回に分けて企業様に共有/ディスカッションさせていただくようにしています。

設立してから2年程度はポテンシャライトがまとめた内容を最終成果物として提出していたのですが、やはりそれだと頑固なお寿司屋のようなサービス提供になってしまい、双方がベストだと思う成果にはなりません。そのため、採用ブランディングミーティングは合計2回やるのが現在の基本です。採用活動の根幹となる採用ブランディングは、ご相談を重ねながら徹底的に固めていきます。

長くなりましたが、以上が当社の採用ブランディング手法です。
改めて文字に起こしてみると、採用ブランディングはお客様と事業内容/採用背景に誠実に向き合い、真剣に考え続けたからこそ生まれる賜物だなあと感じております。


1. 採用ブランディング内容を振り返ってみた結果

お待たせいたしました。今回の本題である、設立以降に携わった全社の採用ブランディングの取りまとめ結果をお伝えいたします。

改めてお伝えしますが、自分たちもびっくりするくらい数多くの事例が蓄積されておりました。今回のnoteもボリューミーですが(既にボリューミー)是非ご覧ください(一生懸命書きました)

 1-1. 採用ブランディング合計

まず、これまでの採用ブランディングを実施させていただいた企業 合計数は下記です。

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一緒にまとめたメンバーや代表も「こんなにたくさんの企業様と向き合ってきたのか」と驚いたのですが、それと同時に「もっと早く整理すればよかったね」とノウハウを長らく整理できなかったことを少々悔やみました。

正直、採用ブランディングの設計は、当社業務の中で最も負荷のかかるものです。答えがないですし、質問の引き出し方も難しく、取りまとめも苦労します。しかしながら、この苦労を乗り越えると採用ブランディングを担当した企業様の周辺業界はすごく詳しくなります。詳しくなると同時にその業界を魅力的に語る能力が身に付きます。(私も、自分が担当しているお客様の業界について語るのは大得意です)

エージェント出身の代表も、各社の求人紹介には自信を持っていたものの、会社を語る能力はブランディングを取り行ってから断然上がったと話していました。(求人紹介とは比べ物にならないくらいの情報量を得るそうです)

採用ブランディングを行う上で「どれくらいの情報量をインプットする必要があるのか」またそれと同時に「どれくらいの情報量が血肉となるのか」が伝わりましたら幸いです。

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☝️ 今回のまとめの対象となった「企業一覧」。さすがにクライアント様の社名が赤裸々に入っているので、ぼかしが入れています。

 1-2. SaaS企業

これまでの採用ブランディングを実施させていただいたSaaS企業 合計数は下記です。

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さて、今回のまとめを行う上で一番と言っても過言ではないほどのノウハウが蓄積されていたのはSaaS企業です。

数年前からトレンドとなっているSaaS企業からお問い合わせを頂戴する機会は、非常に多いです。そのためSaaS企業の採用ブランディングに携わらせていただく機会も多かったです。

SaaS企業は、業界課題を解決するために存在していることが多いです。そのため、その企業が位置する業界を熟知することはマストです。各SaaS企業の特色は本当に様々なので、単純に「この業界は成長しており〜」、「この業界の課題は〜」というようなアプローチだけでは採用ブランディング上あまり効果的ではありません。あらゆる打ち出し方で整備していく必要があります。

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☝️ アパレル〜医療、介護までさまざまなSaaS系企業の特徴が並びます。まとめていて驚いたのですが、今まで携わらせていただいた業界はかなり幅広ですね。


 1-3. Web業界

これまでの採用ブランディングを実施させていただいたWeb業界の企業 合計数は下記です。

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ここで指すWeb業界とは、ECサービスや、B toCメディア、Web広告/デジタルマーケ等の業界です(つまりSaaS以外)。
設立当初はSaaS企業よりWeb業界の企業からのご依頼が多くありました。ただ、2018年頃からはSaaS企業からの問い合わせが増えた時期があり、その後2020年ごろから再びWeb業界の企業様からのお問い合わせが増えています。

当社のご支援企業数は結果的にこの数になっているのですが、SaaS企業と同様「なにかしら業界の課題解決をしたい」というご意向をお持ちの企業様が多い傾向にあります。企業様の周辺業界はもちろんのこと、世界におけるWeb業界のトレンドの移り変わりは細かくキャッチアップできるチャンスが多々あり、私たちも勉強になることが多いです。

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☝️ web業界の魅力一覧。一口に「Web業界」といってもその種類は様々です。上記はごく一部ですが、このほかにもたくさんの魅力が整理できました


 1-4. SI/SES/ITコンサル

これまでの採用ブランディングを実施させていただいたSI/SES/ITコンサル企業 合計数は下記です。

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事業/サービスを持っている事業会社ではなく、いわゆる受託開発を行っている企業様を指しています。この領域の企業様は自社にプロダクト/サービスがないため、自社の事業内容をプッシュする事はやや難しいです。そのため事業会社と比較すると採用ブランディングを深掘る武器は1つ減ります。

そして、お客様の要望に応じて開発をする流れになるため、ケースバイケースが求められ、採用ブランディング設計上、やや後手にもあります。
ただ、どのようなブランド形成をすれば良いのかの答えは過去の知見からある程度見つかっており、それを活用してブランド形成をすることが多いです。とはいえ、受託開発の会社は他社との差別化に苦しむケースが多く、上手にブランディングできていることは非常に少ない印象です。

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☝️ SI/SES/ITコンサルの魅力一覧。上記以外にも、整理した魅力が横にずらっと続きます。


 1-5. その他

ポテンシャライトでは上記でご紹介した分野以外にも、様々な業界の企業様の採用ブランディングに携わって参りました。

 - アパレル/美容
 - フィットネス
 - エンタメ
 - 不動産
 - 人材
 - 建設
 - 医療
 - 金融
 - 宿泊

 などが代表例です。

上記は一見非IT業界に見えがちなのですが、実は近年、何かしらITが関わっているケースが多いです。ITが関わっている際には必然的にエンジニアが必要になりますので、そのような場合にエンジニア採用を中心とした多職種の採用のご支援をすることが多いです。


2.  具体的な採用ブランディング事例を一部ご紹介

現在は112社の企業様の魅力(ブランディング)分類が完了しカテゴライズができています。採用ブランディングをする時、業界の普遍的な魅力が明確になっているのは非常に強い武器になります。(業界の普遍的な魅力をきっかけに、その会社独自の新しい魅力が見つかることも想定できます)

今回、自社の採用ブランディングを想定しているみなさま向けにいくつか代表的なブランディング事例をお伝えいたします。お役に立てましたら幸いです。

 2-1. Web業界全般

Web業界に所属する企業は多いかと思います。市場の状況を説明し、それに対して自社がどう取り組んできたかを明記するのは有効的な方法かと思います。

◆Web市場予測
 - 2015年:20.7兆円
 - 2020年:47.2兆円
 と予測されています。
 アパレル業界が10兆円規模と言われているので、違いがご理解いただけるかと思います。
 ※Web市場:ECサイト、Webアプリケーション(SaaS)、ISPなどの合計


 2-2. SI/SESなどの受託開発系の業界

「1-3. SI/SES/ITコンサル」でブランディングが難しいとお伝えした受託開発系企業ですが、業界構造を咀嚼して伝えるのもブランディングの一種となり得ます。以下はエンジニア派遣の業界構造について説明した一例です。

◆エンジニア派遣業界について
エンジニア派遣事業でシェアを獲得するには、ある企業に在籍をしているエンジニアを別の企業にアサインしなくてはなりません。

現在の在籍企業をA社、ご紹介先企業をB社と仮定しましょう。
このアサインが成立するとB社は新たに「人材確保」ができ、A社は「人材難」となります。再びA社は採用活動をしなくてはならず、C社の人材をA社が新たに「人材確保」できたとしても、今度はC社が「人材難」となります。つまり、エンジニア派遣事業でシェア獲得しようとすると、椅子取りゲームのようになってしまうのです。

ビジネスが上手なエンジニア派遣企業は儲かりますが、結果的に「日本の成長のため」にはならないと感じておりました。皆さんご存知の通り、現在少子高齢化が急速に進んでいます。そんな中、2019年時点では日本において約27万人のエンジニア不足となることが国勢調査で発表をされています。

また、2030年には約60万人のエンジニア不足となることが予測されています。昨今の採用市場において「エンジニア不足」であることは承知の上かと思うのですが、10年後には倍以上のエンジニア人数不足となるのです。


 2-3. 医療業界

一見非ITに見えるが、実はSaaS企業が活躍している業界代表として医療業界の例をご紹介いたします。以下は、「なぜ今までこの業界に●●の企業がなかったのか」という逆説的観点からブランディングを深堀りした事例です。

◆なぜ今まで「薬局」という業界に焦点を当てていたIT/Web企業が出てこなかったのか?

そもそも薬局という業界は、古く、且つ閉鎖的な業界。ですので、簡単に参入することができないのが薬局の業界。そんな中、●●さんは●●で社長賞を獲得するなど実績を残されていた方で、業界に強いコネクションと持っており、信頼感も厚い。ただ、製薬メーカーは、給料も高いし福利厚生も良い。就業時間も短いので離職率も非常に低い。製薬メーカー出身者の起業家は非常に少なく、薬局に焦点を当てた企業はなかなか出て来ていない(競合がいない)、という状況。

薬局の業界は、約8兆円と言われており、ただイノベーションが起きないのは現状の環境から必然であり、化石化している業界なのです。そこにイノベーションを起こしていきたい、と思っているのが●●。
ただ競合が全くいない、というわけではなく大手SIは同じ市場に参入しています。日立、三菱、パナソニックなどがそれに当たります。そのため、●●が差別化のために意識していることは下記の3点です。


 2-4. 建設業界

一見非ITに見えるが、実はSaaS企業が活躍している業界その2。建設業界です。自社の魅力(ブランディング)を語る上でよく使われるパターンである、海外との比較です。

◆建設業において日本は業界2位
 - アメリカが1位
 - スペインが3位
 - 中国/韓国は建設業においてはあまり強くない
  - 建築現場の安全性/クオリティは日本のほうが遥かに高い。
 - 市場規模:10兆円以上の業界において日本がTop3を獲得できている業界は少ない。
 - 世界においても建設業は日本が誇れる業界の一つ。


 2-5. 製造業界

一見非ITに見えるが、実はSaaS企業が活躍している業界その3。製造業界です。今回は新人研修には欠かせない、OJT観点から自社の魅力を語るためのヒントを得ましょう。

◆製造業界の育成/教育の課題
「何よりもまずはOJTをすることが大切」という考え方が広まっている
  - OJTが中心の業界であり、各先輩で業務手法は異なり、質が高い先輩と仕事をすると結果的に自分のスキルは上がる、という実態となっている。

最後に

いかがでしたでしょうか。
今回もかなりボリュームの多い内容でしたが、採用ブランディングについての知見を深めるきっかけとなっていただけましたら幸いです。

採用ブランディングは全採用の根幹ともなる部分です。最初は取り組むべき内容の粒度も荒く着手するのが大変ですが、乗り越えれば、ターゲットに対して効果的に訴求ができる強い武器になります。
※当社の採用ご支援にご興味がある方はお気軽にお声掛けください。


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今後も採用/人事系のアプトプットを続けていきます。
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