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震災から11年経った今

大阪に住み始めてからかなり時間が経つけれど、震災のあったあの日はまだ岩手に住んでいた。

確かに非日常ではあったものの、みんな少しずつ生活を積み上げて日常を取り戻していく様を見てきた。

私にとって“東日本大震災”は身近な出来事だった。

よく「忘れない」ことをキャッチコピーにされているが、当事者にとっては「忘れられない」のである。むしろ忘れたいほど怖かった記憶として染み付いていると思う。

全ての人にとっていつまでも身近な出来事ではないんだと初めて温度差を感じたのは、ゴールデン帯のドラマの中で震災を題材にしたものを観たとき。

あの瞬間、「あっ、震災って、一般的にはもう過去の出来事になってるんだ」と気付いた。

大きい地震が来る前のあの地響きが聞こえてくると動悸がするし、揺れが収まったあとは手が震える。

引っ越しの時は絶対に津波ハザードマップを確認するし、職場も津波が来たらどれくらい被害があるのか把握している。

子どもたちに何かあったらどうしようとか、どこかで大きい地震が起きるたび、いつか必ずくる南海トラフのことを考えて眠れなくなるのは、地震が怖いと自分の中に染みついているから。

東日本大震災と比べてしまいがちですが、昨夜の東北の地震も相当大きい部類です。

生きてさえいればいいなんて極論です。「あの時よりマシ」とかじゃない。家の壁がひび割れるのも、食器や大事にしていた物が壊れるのも、それを片付けないといけないのも、生きてたってキツいものはキツい。

やっぱり私には、「海の近くに住みた〜い!」と思える日は、一生こない。

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