就活生。夢は社会を変えるプリキュアになること。
突拍子もないタイトルから始めてしまった。
そう。私はプリキュアになりたい。
もうすぐ21歳。女性。大学生。もっと言えば就活生。夢はプリキュア。なんとも渋い感じである。
将来が見えない感じがすごい。
実際こんなことを言う人に会ったら、とりあえず「素敵ですね」とか言って距離を置くだろう。
うん。でもプリキュアみたいになりたいのだ。
ミスチルの「ヒーロー」
私の好きな歌の1つにミスターチルドレンのヒーローがある。
音楽サイトにも投稿されているから、知らない人は1度聞いてみてほしい。
曲は要約するとこうである。
僕は 小さいころに憧れていた皆を救えるヒーローにはなれない。
でもただ一人、君にとってのヒーローになりたい。
大人になって もうヒーローにはなれないと気づいたけれど、
君のそばにいて手を差し伸べられる 君にとってのヒーローになりたい。
この歌がとても好きだ。
大人になって見えてきた現実。
いろんな環境に囲まれて、完璧な理想だけを通せる潔癖な人間ではいられない。
それでも、ただ1人のひとの前だけでは昔憧れたようなヒーローになりたい。
私がヒーローになりたい相手は誰か
もう何度も繰り返し聞いてきたこの歌だけれど、今日ふと思った。
私は誰にとってのヒーローになりたいか。
ごく自然に出てきたのは、純粋無垢で自分が何者にでもなれると信じて疑わない子どもたちだった。
私はそんな子たちに虚構でも、見せかけでもいいから、
「貴方には無限の可能性があって、望めば何にでもなれるんだよ。」って言ってあげられる人になりたい。
子どもたちに向けて、それを体現できるような人になりたい。
「なんでもできる!なんでもなれる!」
プリキュアには各シリーズによってキャッチコピーが存在する。
※キャッチコピーの無いシリーズもある
その1つに「なんでもできる!なんでもなれる!輝く未来を抱きしめて!」がある。これは2018年に放送されていた「HUGっと!プリキュア」のキャッチコピーである。
これが放送されていたとき、私はなかなか「しんどい」状態だった。
インターン先でセクハラとパワハラに合った。
慣れない土地での1人暮らし。狭い友好関係。
長期のインターンで、会社と借りた家だけを往復し続ける毎日。
衝撃的だったのは、ハラスメントを行った人が私と同じ立場であるはずのインターン生だったことだ。
私は、自分が女性であること、その人よりも1つ年下だったこと。その2つの理由だけでハラスメントの被害にあった。
インターンのコーディネーターの方は真剣に解決を目指してくれた。
インターン先の社長もずいぶん気を回してくださった。
それでも彼のハラスメントがやむことはなかった。
プリキュアは私に理想を見せてくれた
ちょっと若いってだけで、こんなに勝手に見下されるのか。
ただ働きたいだけなのに「私」であることと「女」であることは切り離して考えてもらえないのか。なぜ性別だけでハンデを背負わされるのか。
いっそ若いことも女であることも捨てたような言動をすれば、こんなことにはならないのかな。
大学生活の後に待っている社会生活に、よい想像ができなくなった。
そんな中、Twitterでトレンドを賑わせていたのが「HUGっと!プリキュア」だった。
プリキュアは画面の中で、私が存在しないのだとあきらめた「未来は無限大であること」を女の子らしさたっぷりに肯定してくれた。
インターン前まで疑ったことの無かったその理想を、絶望した後の私にプリキュアはもう一度見せてくれた。
私は間違ってないと思わせてくれた。
私を構成する「女」と「若い」は、私の将来を狭めることや私を傷つけていい正当な理由にはならない。何ら関係はないのだ。
私にとってのヒーロー「プリキュア」
私にとってプリキュアは、弱きを助け強きをくじくヒーローである。
そして、決して強そう見せることなく相手を威圧することもない。
女の子であり、強いのだ。
この両立が心地よい。
例えば私は#KuToo に署名している。
でもヒールは好きだし、靴擦れしてでも履きたいときはある。
自立した意志を持ったかっこいい人になりたい。
でもピンク色がすきだし、女の子らしいものが好きだ。
私は私として、社会に参画したいだけであって、
男社会の中に女を捨てて入っていきたいわけじゃない。
プリキュアはそんな、一見相反するような要素を何一つ切り捨てることなく両立して見せてくれる。
私はプリキュアになりたい
自分の経験が先行しすぎて、なんだかジェンダーの話ばかりになってしまった。
しかしこの「HUGっと!プリキュア」の中では、プリキュアになりたいと願った老若男女、すべての人がプリキュアになった。
プリキュアになるための条件は「そう願うこと」のみであり、ほかに条件はない。
つまるところ、
自分の意志さえあれば、ほかのことはオールオッケーなのである。
やっぱり私はプリキュアになりたいなと思う。
残念ながら、今の日本社会は「何でもできる!なんでもなれる!」という訳ではなくて、他人や社会に阻まれることはあるし、抑圧されてしまうこともある。
私はそんな社会と戦いたい。
そして、ちょってずつでもその壁を壊して、ひっそりこっそり子どもたちのヒーローになりたいのである。
キラキラ自分らしい「好き」を大事にしながら、世界のもやもやを晴らしていきたい。
やっぱり好きだな。プリキュア。
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ミスチルのヒーローは本当にいい曲なので聞いてほしい。
長くなっちゃうからと思って要約してみたけど、最高にいい曲なのでやっぱり聞いてほしい。
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