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理想を忘れて練習してみること

お久しぶりです。このところいそがしく、暑さにもやられてなかなか更新できないでいました。久しぶりの記事になりますが、読んでいただければ幸いです。今日は、自分の理想としているピアノの演奏のイメージについて書きます。思い通りに弾けないことや理想と現実についてなどなどです。

ピアノをはじめる方にときどき、高度な曲を持ってきて「これが弾きたいのでレッスンしてください」という方がいます。もちろん弾けるように指導したりするのが仕事なので拒否はしません。ただ、基礎練習を嫌がる方が多いのも事実です。弾けるようになるためにこういった練習が必要ですと伝えても「そういうのはいらない。時間がもったいない」と。

よくよく話を聞いてみると、仕事もできて人望もあるタイプ。少ない時間でピアノもできると思っているようでした。子供大人関係なくピアノを弾けるようになるために必要な時間や練習をお話しても、頑固な方はなかなか理解を得られません。試しにレッスンをしてみると自分の弾けなさにイライラしてやめてしまうことも多いです。

また、プロの演奏家の曲を聴きすぎてしまい、頑固になっている方もたまに見受けられます。大人の方はいろいろな経験をしてきましたので、子供とは違う豊かな感性をもっているので、曲を聴くのも細かいところまで記憶して「こう弾きたい」とはっきりした理想があるんです。それってとても素敵な事ではありますが、足枷になることも。

まずはペダルなし、装飾音符は一旦省く、右手左手の片手練習などなど…。CDで聴いた演奏家の雰囲気とはかけ離れた演奏だと思う時間が長いと思いますが、一旦頭の中で流れている理想を忘れて、段階を経てから、ペダルを入れてみたり、両手で合わせてみたりすると、「あら。弾けるわ!」とすんなりできることもあります。

プロの演奏はもちろん素晴らしいものですが、その曲をいかに自分のものにするかも大事な事です。

このように、上達するチャンスを逃さないように、自分のなかにある理想や自信を一度忘れるのもうまくなるコツかもしれません。

人によってはこれをプライドというのかもしれません。また、考え方を変えるという表現をする人もいると思います。私は理想像といいました。

勘違いしないでほしいのが、理想をなくすことではありません。練習中に一時的に「忘れる」だけです。

ピアノを弾く姿はよく目にするのは「華やかな舞台で、きれいな衣装を着て、優雅にかっこよく演奏する姿」です。いつまでも憧れの形ではあります。ただしその裏では、毎日毎日地味な練習と研究の日々です。そっちの方が時間的に長いのです。

今一度自分の中の理想が自分を邪魔していないか、ゆっくりを振り返り、気持ちの整理をしてから練習に向かってみてはいかがでしょうか。

今回は以上となります。最後までお付き合いいただきありがとうございました。


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