ムスリムじゃない私が、クルアーンを読むことに決めた理由
ヨルダンから帰国して早3ヶ月。
東京に住んでいる今、中東にルーツのある人と話をする機会が多く、改めてそれぞれが持つ価値観について考えさせられることが多い。
というか、最近はモヤモヤすることが多かった。
ある中東の国出身のAさん(仮)と話した時、Aさんの出身国はムスリムが人口の大多数を占めていて、Aさん自身もムスリムのご両親の下で育てられたと言っていた。
私は、ヨルダンでの体験や、イスラム教について学んだことなどをAさんに楽しげに話していたが、後日、Aさんはムスリムを嫌っていることが判明。
Aさん自身、大学生くらいまでは熱心にクルアーン(コーラン)を読んでいたと言っていたが、一体何をきっかけにしてムスリムを嫌うようになったのか、、、
(そこまで話を深めることはできず、、、)
一方で、また別の中東の国出身のBさん(仮)と話した時は、日本でムスリムとして生きることの難しさを教えてくれた。
豚を食べないことやお酒を飲まないことは、自分のアイデンティティーでもあると言っていた。
自分の欲望のままに行動するのではなく、自分をコントロールすることが大切であるとも教えてくれた。
AさんとBさんの出身国は違えど、同じ中東のイスラム教の国出身の人たちが、一方はムスリムであることを誇りに思い、一方は(自分もそうであったはずの)ムスリムに対して嫌悪感を抱いていることは、とても不思議に思えた。
Aさんは、クルアーンに書かれていることをよく知った上で、ムスリムを嫌に思うようになったと言う。
「一体、クルアーンには何が書かれているんだろう」
と言う疑問が、膨れ上がった。
ヨルダンにいる時も、クルアーンに書かれていることについては、現地の人に教えてもらう機会が多かった。
でも、人によって言うことはバラバラであり、クルアーンに書かれていることの解釈は人それぞれであった。
パレスチナ難民キャンプの中の幼稚園では、4歳児からクルアーンの暗唱を毎朝行なっていたし、私もクルアーンの最初と最後の章は暗唱できるようにはなった。
それでも、あの分厚いページの中にはまだまだ非常に多くのことが書かれており、一体何が書かれているのかを、少しずつ知っていこうと思った。
クルアーンは、「アッラー」というイスラム教の神の言葉を記したものである。
アッラーの言葉はアラビア語であったため、他の言語で訳したものは、「翻訳」ではなく「意訳」とされている。
書かれていることをアッラーの言葉通りに理解するためには、アラビア語で読んでいく必要がある。
しかし、アラビア語で理解することはとても難しく、現地の人ですら理解に時間がかかったり、解説が必要なほど固い昔ながらのアラビア語で表現されているので、私はまず、日本語の解説本を読んでいくことにする。
東京の五反田にある「日本ムスリム協会」に行けば、以下の赤い解説本が無料でもらえるという噂を聞いた。
日本では、約700人に1人がムスリムと言われていて、イスラム教はそこまで身近ではない。
それでも、東京の街を歩けば、ヒジャブを被る女性を見かけることは多く、毎年少しずつムスリムの人口は増え続けているように感じる。
実際に、今や世界の人口の4人に1人はムスリムであり、その数は増加の一途をたどる。
2070年にはキリスト教徒と並んで、世界で最も信者数の多い宗教になるとの見込みもある。
クルアーンを読むことで、少しでも中東に住む人たちの根底にある価値観を理解できるようになればと思う。
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