映画『トラスト・ミー』のはなし

登場人物それぞれが明確な悩みと問題を抱えている

家庭、特に両親なんて自分の意思では選べず
最近では親ガチャとかいったりもするように
自分ではどうしようもない問題というのがある

マシューもマリアも片親で物語が展開される
親はそれぞれ潔癖症や人形や道具のように子を扱う
ややこしく曲がった思考の人間で
家庭環境は悪く育ってきた２人だ
ファーストカット、一目でわかる育ちに難ありの少女マリアは
家庭環境のみならず妊娠し相手には捨てられ課題を抱えている

マシューも工場で働きつつも態度は悪く喧嘩っ早く結果無職

それぞれ問題を抱える２人が出会ってから
自然に物語が進んでいくのが面白かった
明確な転換はわからないが、
マリアが水色のワンピーズに着替えたシーン
なぜかはわからないけどとてもよかった
マシューが亡くなった母親の服をマリアが着たことに心惹かれたのか
メガネをかけた姿に惹かれたのかは分からないけどどちらもすごくよかった

印象に残ったのは、
・試着室でマリアの顔からお腹へのパンダウンから
　マリアが腰掛けると顔と抜けに鏡で顔が映るカット
・手榴弾を持ってキスをするカット
・マシューと母親が酒を飲むシーン
　ここは特に母親の方の照明がよかったと思う　
　背景に斜めのハイライトを入れ顔に強烈なコントラストをつけるのも良い
・手榴弾のピンを抜いた後のマシューの顔もよかった
・マリアの変貌がすごい
　シュリやヒットマンを思い出した

ラストシーン
警察に連行されるマシューを呆然と見るマリア
ゆっくりとメガネをかける
これはメガネをかけて離れていく彼を見たかったのか
それともマシューにメガネをかけている自身の姿を見せたかったのか
どちらだろうか
個人的には後者であった欲しいと思った

ラストカット望遠のニーショットがいい
ハル・ハートリー他のも見ようと思う