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#01 康楽@神保町

後継者問題や都市開発によって、多くの個人店が存続の危機にある。
かつて足しげく通い、胃袋を満たしてくれた馴染みの店。
歴史の幕を下ろすことが決まった名店を訪ね、思い出の味を堪能しつつ、感謝とともに惜別したい。

閉店が決まってしまった個人経営の飲食店へ行って、名残を惜しみつつ感謝を伝えるという新連載。
第1回は2019年6月25日に最後の営業となる神保町の町中華「康楽」へうかがいました。

町中華探検隊の北尾トロ、あきやまみみこ、半澤則吉、武田淳平とともにやってきました。

53年間、ここで営業されていたんですね。
このあたり一帯が再開発されるようで、閉店となるようです。
すでに夜の営業はやめていらっしゃって、ランチ時のみの営業です。
ランチは15時までなので、25日の15時までということになりますが、最終日はかなり混雑しそう。

僕はこれまで食べていなかった、カニ玉丼 750円を注文。
別名、天津丼なわけですが、店によってはカニ玉丼と呼ぶところもありますね。
東京の町中華ならでは甘酸っぱい餡。けっこうやさしめ。

おすすめというか、一番食べていただきたいのが、「康楽丼」「康楽定食」というここでしかないメニュー。

はい、こちらが康楽定食。
見た目はホイコーロー丼のようですが、まったく別物。
豚バラ肉とキャベツを一味、醤油、ニンニクで炒めたもので、かなり辛め。
いい意味でジャンクな味わいだといえましょう。
こちらでしかないメニューです。
キャベツの千切りもついていて、キャベツ好きにはたまらない定食ですね。

こちらが康楽丼。
康楽定食と同じキャベツと豚バラの辛み炒めがご飯にのっかっています。
康楽定食、康楽丼を注文すると業務用の大きなマヨネーズが提供されます。

マヨネーズをぶりぶりかけると、それまでの辛みがマイルドになります。

さらに、ここにしかないメニューを紹介しましょう。
「味自慢」です。壁に貼られたメニューには、麺のコーナーの最初にあります。

ラーメンよりも先にありますね。
メニュー名を聞いただけでは、よくわかりませんが、そこにはなんの説明もありません。
誰もが知るメニューのような顔をして、味自慢はそこにいます。

注文してみました。こちらです。
ひき肉と野菜のあんかけなのですが、味付けは麻婆豆腐ですね。
普通においしいです。

残りわずかですが、行ける方がいたら、最後に味わってみていただきたい。
初訪問なら、他にはない康楽定食、康楽丼、味自慢などを注文してみてはいかがでしょう。

住所は千代田区神田神保町1-35になります。

食べログはこちら。

最後の営業は令和元年6月25日のランチ営業まで。
53年間、お疲れ様でした!

【プロフィール】
下関マグロ(しものせき・まぐろ)
フリーライター、町中華探検隊副隊長。本名、増田剛己。
山口県生まれ。桃山学院大学卒業後、出版社に就職。編集プロダクション、広告代理店を経てフリーになる。
フェチに詳しい人物として、テレビ東京「ゴッドタン」、J-WAVE「PLATOn」などにゲスト出演。
本名でオールアバウトの散歩ガイドを担当。テレビ朝日「やじうまテレビ」「グッド!モーニング」、テレビ東京「7スタライブ」「なないろ日和!」、日本テレビ「ヒルナンデス!」、文化放送「浜美枝のいつかあなたと」「川中美幸 人・うた・心」など、各種メディアに散歩の達人として登場する。

ツイッター https://twitter.com/maguro_shimo

【著書】
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