小説の下書き。「無題」
色々疲れたから深夜に小説の下書きを書かせてくれ。
たまにはいいだろう?小説の下書きぐらい書いたって。
疲れてるんだからさ。ご覧の有様さ。たまには書かせてくれたって。
飯野 ・・・ 本作の主人公。「いいのだよ」が口癖。本名ではない。
SOU ・・・ 飯野のチャット仲間。「そうなんだ~」とよく言ってくれる愉快なお友達。
菅生 ・・・ 凄腕技術者。チャットの管理人。何かあったらすぐ駆けつける。基本的にいい人。
飯野「そんな装備で大丈夫か?」
SOU「大丈夫なわけあるか。余ってるのなんかない?」
二人は最近ネットゲームにハマっている。
溯ること1ヶ月前。
飯野「やっぱ、ソロプレイはきついわ」
SOU「そうなんだ~」
飯野「いや誘ってんだよ。分かれよ」
SOU「やだよ」
二人は地元の幼なじみである。
もっとも、それが判明したのは飯野がオフ会を敢行した後でのことだったのだが。
飯野「お前っ・・・」
SOU「?」
かくして二人の仲は急接近。
とにかく、濃密な時間が流れた。
おっと、二人の性別には言及しないでおくことにする。
各自、ご想像にお任せします。
SOU「ゲームかぁ~。最近とんとご無沙汰だわ~」
飯野「マジ?あの、バケモン251匹コンプのお前が?」
SOU「それいつの話してんだよ~w 我ながらよくやったわ~」
飯野「お前のあの几帳面さが、俺には必要なんだ! ソロプレイだと結構シビアでさぁ・・・」
SOU「そうなんだ~~」
飯野「絶対損はさせないからさ!贈りつけとくから、気が向いたらやってみて!」
SOUのパソコンに新しいゲームが追加された。
通常500円で売られているらしい。
結構安価なゲームだった。
こんぼう。
布の服。
木のつるはし。
ジャンルはサバイバル。
最初は粗雑な装備しか作れないが、冒険を続けることで、強化していけるようだ。
他にもキャンプファイヤーをしたり、家を作ったりと、ゲームの中で暮らせるような機能もついているらしい。
これで500円とはリーズナブルな部類なのかも知れない。
飯野「龍だ。龍を狩るぞ!」
SOU「おやめください」
飯野「どうして?!」
SOU「どうしてじゃありません。非常識なことを・・・」
飯野はゲームの中であっという間にSOUに抜かれた。
飯野は蛮勇さが取り柄で、つねに敗北を味わっていたのだった。
対してSOUは几帳面さを武器に、コツコツと経験値を貯めて、レベルを上げ続けていた。
あの几帳面なSOUが。
まさか。
飯野が目を離した隙に、地面の割れ目へと落ちていった。
それは本来あってはならないバグなのであった。
しかしこのゲームは、アーリーアクセス版なのであった。
開 発 中
謎の復帰コマンドが用意されているかと思ったら、こういう時用か!とSOUは落ちながら思った。
ポチッ。
SOUは冒険の拠点に帰ってきた。
丸裸だった。
飯野「そんな装備で大丈夫か?」
SOU「大丈夫なわけあるか。」
損はしなかったかも知れない。
二人の腹筋がもたなかった以外には。
おしまい♪
おいぃぃ!菅生はどこにいったんだよ!
飯野「いいのだよ」
なら、いっか♪
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