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Welcome !初出勤!シンガポール勤務1ヶ月目ー後編ー

もう出向して3ヶ月経ってますが、今更初出勤がどうだったか記しておきます。


1_翻訳ツールを使いながら上司と仕事が始まる

シンガポールオフィスの風景


出勤の初日、まずは機材の説明や、挨拶回りをします。
機材については、私は同じグループ会社への出向なので、PCはそのまま日本の会社のPCを使えました。wifiなどの認証もそのまま使えました。
違ったのは勤怠入力と、精算ですね。これはシンガポール支社のものを使用しました。
なので、入社のセッティングは、とても楽に済みました。

で、挨拶回りすると、もちろんみんな英語で話します。
最初の健診の病院で絶望的に英語が聞き取れなかったのですが、会社の人の方が英語の発音がはるかに良かったので、少し聞き取れました。
この時に「あの健診の病院、シングリッシュだった…」と確信しました。

まず上司からKVの制作を依頼されますが、最初は英語になれるまで時間がかかったので、Deep Lを使ってコミュニケーションを取りました。

なんなら何人かは日本語で話しかけてくれて、優しすぎて衝撃でした。

2_Thirsty Thursday ! 社員同士の交流会

最初に、たくさんの交流会のイベントが開催されたのも驚きでした。
いくつかご紹介します。

・Thirsty Thursday

会社のテラスでのThirsty Thursday

乾いた木曜日。ダジャレですね。不定期に木曜日に開催される社内の飲み会。会社のバルコニーとバースペースで開催されます。そして、バルコニーからマリーナベイサンズが眺められるという最高のロケーションです。


Improve Event

Improve Event会場 どこの貴族の社交会かと
ワークショップの様子
ワークショップの後の飲み会


新入社員と、既にいる社員との交流会。トピックに基づいて、個人の意見を話したり、ジェスチャーゲームなどをします。個人の意見を言う時が、英語が下手な人間にとって地獄でしたね。「I agree with you」とか言って誤魔化すか、Deep L事前に使って暗記して話しましたよ。でもみんな優しいんで、大丈夫でしたよ。ジェスチャーゲームが面白かったですね。


・突然のブランチ

ブランチメニュー

そのほか、突然ブランチが振る舞われるなど、社員同士が交流できる場が、数多く用意されていました。日本では、「歓迎会」をきっちり1回やって終わりな感じですが、こういった気軽に参加できる交流会を開催するのはとても重要だなと思いました。シンガポール支社は様々な国の人がいるので、こういった機会が充実しているのかもしれません。また、社内でも、こういう企業カルチャーを大事にしているようでした。

3_めちゃくちゃ優しい同僚と上司

渡航前に、周りから「いやぁ…その英語力で大丈夫ですか…(?」
とか「通訳いないの?!大変だと思うよ…」「え?留学したことないのに働くの?」と何人かから心配されてました。

なので、渡航前に、月に12回のNativeのオンラインレッスン、日本語教師の英会話教室は通っており、渡航前にはTOEIC自己採点で600点くらいまでには上げました。TOEIC600点はランクC、つまり社会人の平均クラスなので、600点だとビジネス会話は苦労しました。(ちなみに勉強前は、TOEIC400点代でした…)

実際には、同僚や上司が想像絶するほど優しかったです。
日本人より優しいのでは…というくらいでした。
みんなコミュニケーションを非常に大事にしており、挨拶など色々と声をかけてくださって、本当にたくさんのことをフォローしていただけました。

どうやったらこんなに素晴らしい人格が揃うんですかね…?
みんなリテラシー高すぎて、自分も日本に帰ったら海外から来た人にちゃんと声かけようと胸に誓いました…
ただ、バックグラウンドとして、ほとんどが海外からやってきた人なので、
海外から働きに来る人の気持ちがきっとわかるんだろうなと思いました。

社員の7〜8割くらいが外国人だったと思います。1~3割程度がシンガポーリアンかPR(永住権保持者)だった印象ですが、シンガポールの会社には一定数シンガポーリアンが居ないといけないという法律があるので、もっと居るんですかねシンガポーリアン?

4_必要なスキルと使用する機材やApp

Photo by Unsplash / Milad Fakurian

スキルの問題ですが、主に要求されるスキルは下記です。

1_英語のブリーフを理解する
2_企画のラフスケッチ
3_カンプ製作
4_英語で企画のディスカッション
5_英語でのプレゼン


英語が流暢じゃなかったら、
概ね 2 と3のKV制作作業を頼まれます。あまり複雑な議論が必要ないからです。

企画出しから入れますので、KVの提案はできます。
ただ、日本と全然違う点が「いわゆるプロダクションデザイナーが社内にいないし、外注もしない」点です。
アートディレクターやクリエイティブディレクターが企画出し、ラフスケッチ、カンプ制作も全部やるので、ラフスケッチ、カンプの精度が日本より要求されます。レタッチは外注なんですけど、本当にフィニッシュの作業だけお願いするって感じです。

だから、ADが企画出しだけやって、あとは外注とかデザイナーに頼むというやり方は通用しないです。
どうしても外注する場合、マネージャーに事前に言う必要があります。(イラストレーターの発注とかはしてるみたいですけど)
ただ、英語が流暢であろうと、誰も外注してないし、外注する時間もない感じなんですよね。

Photo by Unsplash Simon Abrams

なので、昔、「何でこんな徹夜してカンプ作らないといけないんだ、もう朝じゃねぇかよ」って思ってましたけど、
まさかシンガポールでこのスキルが生命線になるとは。

あの時がなかったら私はシンガポールで干されてましたね。。。

先輩方、ありがとうございました。泣きながら2徹でカンプを作ったあの頃の報いが、今になって帰ってきました。

なので、今、プロダクションデザイナーの皆様、あなた方はシンガポールでも通用します。希望を持ってください。
外注ばかりしている方、そのままでは海外では通用しないかもしれません。

「日本では人によっては、アイデアだしとデザインを分業化している。私は元々プロダクションだったので、カンプまで作れますが、シンガポールではどうなんでしょうか」とシンガポールの上司に聞いたら、

「私たちは皆協力的です。あなたにはKVの制作もお願いしたいです。みんな、タイトルにこだわらず、分け隔てなく仕事を行います」

と回答され、それは事実でした。シンガポールではCDもゴリゴリのカンプやラフスケッチも作ってました‥(ていうか、みんな作ること自体が好きそう)

なので、同僚に、「CDとADの違いってシンガポールではどうなの?」って聞いたら「僕にもよくわからない…俺SAD(Senior Art Director)だけどもう一人で全部回してるからCD居ないようなもんだね!タイトルってなんだろうね?!」といった反応でした。

なので、まとめますと

Photo by Unsplash Annie Spratt

・フィニッシュまでできる方は、英語の語学力がディレクションの肝になるので、英語だけ頑張ってください。

Photo by Unsplash Faizur Rehman

・カンプ制作苦手な方、まず英語より制作スキルが求められるので、まずカンプやレイアウトがしっかりできるように努力してください。
(逆の立場になって考えて欲しい。日本語ペラでもカンプやレイアウトまともにできないデザイナーに頼めることは何もないんです。日本語下手でも、カンプやレイアウトがちゃんと作れる人にはお願いができる。)

その他、アプリケーションは大体日本と一緒ですが、ラフスケッチがIpadやスケッチのappを使って効率的にやってる印象でした。

あとワッツアップの使用率がめちゃ高いですね。デックはkeynoteかgoogle slideがメイン。

このような感じで、序盤は概ね「環境に慣れる」ことがメインです。
2~3ヶ月目から色々と問題が発生してくる(主に住宅)ので、海外生活における問題の対処については次回述べます。


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