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遺伝子マッチング(オルタネート/加藤シゲアキ)

高校生限定のマッチングアプリ「オルタネート」を主軸に置いた、青春群像劇。「オルタネート」にはジーンマッチングという、遺伝子情報を元にしたマッチングシステムが搭載されているという設定を何かで読んで、気になって手に取った。

遺伝子情報を元に「あなたに一番合う人はこの人です」と提示される未来は、きっとそう遠くない。その時、人はその結果を本当に受け入れられるのだろうか?それとも、変わらずに自分の意志で相手を選択していくのだろうか?
これは、私がここ数年ずっと考えていた問いの一つだった。

結論、この作品は料理対決ありバンドあり恋愛ありLGBTありと要素が盛り沢山で、「オルタネート」は常に登場しながらもどこかサブ的な印象を受けた。もう少し遺伝子マッチングに踏み込んでほしかったなというのが正直な感想だ。(よく考えたら、高校生が生涯のパートナーを選ぶ気概をもってマッチングアプリをやるわけがないのだけど…)

だけどこの小説、一つの群像劇としてものすごくよくできていた。
昔『ピンクとグレー』を読んだ時は「ふーん」としか思わなかったのに、NEWSの加藤君が知らぬ間に一流の作家になっていて驚いてしまった。
新作をチェックしたい作家の一人になった。

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