更新時に、賃料の値上げをするのは、ありですか?

先日、友人から、
「聞いてないよぉ~」
という通知が届いたと
連絡、相談がありました。


更新の1か月前という
直前になって、
端的に言うと、


「更新後の賃料を約2倍にあげます」


という通知が届いたという
内容でした。


そんな通知を受け取ったら、
あなたは、
どう思いますか?


それこそ、
「聞いてないよぉ~」にとどまらず、
「そんなのありえない!」と
憤慨しますよね?


住まいではなく、
店舗での出来事なのですが、
約2年前にオーナーさんが変わり、
初めて迎えた
更新のタイミングでした。


路線価もあがり、
資産価値もあがり、
仮に今、新しく借りて
入居するとしたら、
このくらいの賃料になる。
だから、
値上げをお願いしたい。


と、もっともらしい
理由ではあるのですが、
それと、更新は、
別物だと、私は感じました。


その後、オーナーさん側からは、
更新期限の前日に1度コンタクトが
あっただけで、
値上げ要請に決着がつかないまま、
更新日は過ぎました。


友人の弁護士先生にも、
相談にのってもらい、
現状、積極的なコンタクトを
してきてもいないので、
次に、どんな連絡が来るのか?
オーナーさん側の出方を待って、
それを踏まえて、
対応を考える、ということになり、
友人は不安な気持ちを
抱えながらも、
営業を続けています。


不動産は、インフレに強い
資産だと言われています。


物価が上がると、
それに連動して、
売買の価格、賃料の価格も
上がりやすい、
と言われています。


たしかに、それはもっともな
考え方だと思います。
不動産投資、大家業を
している立場からすれば、
ビジネスと割り切るならば、
それもあり、だとは思います。


ただ、私は、


「賃料上げるなら、
 更新時は避けた方が良い」


と考えています。


これは、
「住まい」「事務所」「店舗」
など、
種類は問わず、そう考えています。


不動産投資、大家業が
成り立つおおもとには、
何があるでしょうか?


それは、あなたの部屋を
借りて、賃料を払って下さる
方がいることです。


部屋に住んだり、部屋を利用して
下さっているからこそ、
成り立つのが、
不動産投資、大家業です。


だからこそ、入居者さんに
不安を抱かせず、安心して過ごし、
できるだけ長く、
賃料を払い続けて頂くことこそ、
不動産投資、大家業を
末永く継続する上で、
大切なことだと
私は考えています。


その点を踏まえて考えると、
更新時に賃料を値上げする、
というのは、
入居者さんの立場からしたら、


「このまま住み続けられるのか・・・」
「このまま借りて
 利用し続けられるのか・・・」


と不安な想いになってしまう
のではないでしょうか?


安心して暮らす基盤の住まい。


お客さんにも認知されて、
事業が継続できる基盤となる
事務所や店舗。


それを失うかもしれない不安。


更新時に賃料アップの提案を
一度でもされると、
もしかしたら、次の更新の時も、
そのようなことを
言われるのではないか?
という不安。


そんな、余計な心配事を
抱えながら、日々過ごすという、
マイナスな気持ちを、
入居者さんに
抱かせてしまうことになる。


これが、私が、更新時に
賃料の値上げをするのは
避けた方が良い、
と考える理由です。


投資やビジネスという
視点で見ると、
私のスタンスや考え方は、
弱い経営者、
というレッテルを
貼られてしまうかもしれません。


が、これが、私のスタンス、
考え方です、
としか言えないのです。


不動産投資、大家業で、
収入をあげる方法としては、
基本的には、賃料をあげることが
近道なので、更新などの
タイミングであげたいという
気持ちも分かります。


とは言え、入居者さんに、
不安なく過ごして頂きたい。


だからこそ、空室になって、
次の入居者さんを募集する時に、
賃料を見直して、募集するのが
良いのではないか?
と私は考えていますが、
あなたは、
どう思いますか?

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