君を見つめて生きる
今日は #世界猫の日 ですね。
猫ちゃんに必要なものってなんだろう。
すべてはわからないけれど、きっと愛と安心して暮らせる場所
それは最低限必要なのかな、なんて思ったりします。
パトラはきっと、外で何回も何十回も子どもを産んで、たくさん亡くして、飢えに苦しんで虐待に苦しんで。
ある日いきなり人間に捕らえられて、今までの家族はいなくなって、見知らぬ場所で生活を強いられて。
時には嫌な匂いがする場所に連れて行かれて、見知らぬ誰かに体を押さえつけられて爪を切られたり針で刺されたり。
不快でしかなかったはず。
きっとパトラは私が考えている以上の葛藤と努力を、うちに来て全力でしてくれているのだと思う。
私はパトラがかわいくて仕方ない。
最初はボロボロで、誰からも全然かわいくないと思われて。
それでも、うちにきたらいつのまにか猛烈なかわいさになっていて。
この表情の変化を、家猫になって一緒に過ごした7年間という年月を、『順応』という一言で片付けてはいけないと私は考えています。
外にいる時も虐待や飢えには苦しんだと思うけれど、きっとそれは生まれた瞬間からあたりまえの世界だったから、それよりもきっと子どもが愛しかったり、友達と毎日挨拶をして遊んだり、仲間といる暮らしが少なからずあったはずで。
こちらが考えているよりも、素敵で豊かな思い出もあったかもしれないと思っています。
保護してから何年もパトラが家で一生懸命暮らす姿を見てきて、本当にこれが正解だったんだろうかって私は何度も考えさせられました。
病院で大暴れする姿、牙をむく姿、家で人が近づくたびに逃げる姿、寝入っていても近づけばすぐに目を覚ます姿。
体に染み付いた野良猫の習性。
そう疑問に思う反面、ご飯を一生懸命噛み砕いているのを見て、これでよかった、よね?と自分に言い聞かせる。
ササミをかけてくれなきゃご飯を食べないと主張する姿を見て、家猫になってよかったんだよねと頷いてみたり。
パトラが「体を撫でて?」と目の前にその体を横たえる姿を見て、これでよかったんだって納得しようとしている。
パトラにとっての幸せは何だったんだろう。
パトラの前では迷いなどないフリをして、大丈夫だよと気丈に振る舞っているつもりでも、本当は人間がいない場所で我が子と暮らすことが幸せだったんじゃないのか、そんなふうに思ったりもします。
保護しなければきっともう今頃死んでいた。
あの時は保護が最善だと思っていた。それは確かだと思います。
パトラがかわいくなったのには、理由がある。
その過程を、時間の流れを、決して忘れてはいけない。
* * *
今、起きている間はずっと鳴いているのでは?というくらい、叫んで鳴いてが激しいパトラ。
特に、朝方、夕方、夜中に窓から窓を徘徊してニャーオウと誰かを呼んでいるのか探しているのか、そんな風に鳴くことがあります。
たまにはご飯、ブラシ、そんな要求がわかる時もあります。
でも、いろんなご飯をあげてみても、違う。
水をあげても、鶏肉の煮汁をあげても違う。
遊んでみても、違う。
体を撫でてブラシをしても、違う。
ベッドを整えてみても、違う。
窓を網戸にして外の空気を中に入れても、違う。
何をしても違う。
そんな時がたまにあって、パトラが何を求めて鳴いているのか
私にはわかってあげられない。
昔の仲間や我が子にも会わせてあげることができない。
そのもどかしさに辛くなって、疲れ果ててしまう夜もある。
泣いてしまいそうになる夜明けもある。
それでも、私はパトラの意見を聞かずに勝手に保護してきたのだから、すべてを受け止めて幸せにする努力をすることは当たり前だし、絶対に諦めてはいけないと毎日思っています。
パトラが家で暮らす今が、少しでも穏やかな日々であってほしい。
保護したことがパトラにとっての幸せかはわからないけれど、ほしいと言えば24時間必ずご飯が出てきて、ブラシをしてと言えばブラシで体を撫でて、空調はコントールされていて虐待されることもない。
そんな環境をきちんと整えることが今の私にできる最善だと思っています。
パトラが野良猫として生きる時間よりも、家猫として美味しい物をたくさん食べて、他の子とじゃれて、落ち着いて眠れる時間をたくさん過ごして欲しい。
* * *
家猫になって、満7年。
最近寝ているところに近づくと目は覚ますけれど、伸びたままだったり
パトラが座っているところをよこぎれるようになったり。
これはとてつもない進歩で。
ちゃなが来てからは、楽しそうに一緒に家の中を走り回ったり。
病院でも牙を剥いたり威嚇したりということがなくなって、嫌がりニャーニャー鳴きはするけれど以前よりも随分落ち着いてきていて
保護した日からは少しずつ様子がかわってきていて、やっとここの暮らしに安心が加わったのかなぁなんて感じています。
* * *
先日、ある猫ちゃんのタレント事務所の方からキャンペーンに参加しないかとお声をかけていただきました。
パトラさんがキャンペーンをするブランドイメージに合う猫ちゃんで、激選されて選んでくださったとのことでした。(あ、パトラはタレントではありません)
あんなに、かわいくない猫だって言われていたのに。ボロボロだったのに。
私の欲目だろうと思う反面、穏やかな顔つきになってきていることが誰からの目にもわかるようになってきたのかなぁって、嬉しくなりました。
猫ちゃんにとっての正解が何かはわからないけれど、どんな子とも工夫しながら一緒に暮らすことはできるし、野良猫はやっぱり0にしたい。
生まれてからあの過酷な環境が当たり前であることを否定していきたい。
これからも保護猫ちゃんがかわいくなる理由を考えて
パトラを見つめて、私は生きていきたい。
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