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夢にまでみて、そして、笑えてしまうほど怖かった優しい笑顔

先日、私はゲラゲラ笑いながら目が覚めた。

夢の中で笑っていて、その笑い声で起きた。


見た夢はいつもとちょっと変わっていて、
37才頃の記憶を辿るというか、再現する夢だった。


職場のセンパイで5つほど年上「ミヨコさん」の夢。


彼女は短時間勤務のパートさん。
ソフトな雰囲気で、接遇力も高いものがあり
見習うべきところはたくさんあった。

けれど一方で彼女の言動に違和感を感じて
戸惑うことも少なくなかった。

それは彼女との出会いからすぐに感じた。

入社してほどなく、「仲良くしましょうね」と
最初に声をかけてくれたのがミヨコさんだった。

「お誕生日も歳も近いし、末っ子が同い年だし」
とニッコリ笑うミヨコさん。
優しそうな笑顔。

ーー歳も近い?5つ違いって近いかな。
  ミヨコさんが90才になれば、私は85才か~
  ...まあ、似たようなもんなのかな?

当時のスタッフは女性ばかりで
42才のミヨコさんが一番年上、次が33才、
あとは20代で構成されていた。

そこへ37才の私が加わったことで
彼女にとっては自分により近い年齢だから
親近感を持ってもらえたみたいだった。

「双子座どうしも相性いいわよね~」

「双子座って、12星座の中で一番可哀そうよね?
損してばっかりっていうか。
繊細で常に他人に気を遣うとこ、あるじゃない。」

ーー12星座の中で一番可哀そう...?

ミヨコさんは「双子座コンビね」と微笑み、
私を「お仲間ね」と言った。

そして、私の思っていた「仲間」と
ニュアンスが少し違うらしいことにも気づく。

20代のスタッフたちが
晩ご飯を食べて帰ろうと相談していると

「いいわね~、若い人たちは自由で。
私たちは子供が待ってるし、
なかなかフットワーク軽くってわけにはね~?」

そこに一瞬、微妙な空気が流れたのは
「私たち」は誘われてないから。
でもそれだけじゃないかも。

棚卸で計算ミスが見つかって指摘されたとき、

「ボーっとしてたのかしら。
こんな計算間違うなんて、やっぱり歳のせいかなあ。
最近、目もすごく疲れやすいのよね。」

「若い人と同じようにはいかないわよね?」

溜息をつき、ちょっと悲しそうに笑ってみせる。

意識的ではなさそうだけれど、
上目遣いのときは
何かレスポンスを求められてるサインかな?

ここは「若くはないこと」に共感したらいいかな?

なのに、

「こういう作業もさぁ、歳甲斐もなくやってると
腰に来たりして結構キツイのよね~。
わかるでしょ?」

資材の運搬とか、力仕事は私に廻ってきた。
お願いされたわけではないけど、
共感の相槌を打っていたらそうなっていた。

ーー仲間ってどういう意味なんだろう?

ーー何でも同調して合わせてても
  勘違いされるかも。。

そんな予感がしていると
やっぱり「ほらね」ってことになる。

居残りの作業や、翌月のシフト調整の
休日取りでもミヨコさんはうまく切り抜けた。

「うちはほら、おチビちゃんがいるから」

たいていは
私の息子と同い年の娘さんが理由だった。

「あなたのとこは男の子だし、
お兄ちゃんと二人で遊んだりしながら
お留守番はできるものね、いいわね。」

ーーえ?え?
  ミヨコさんのところは
  お兄ちゃんが3人いますよね?

そう言おうとする前に
「うちは女の子一人にさせちゃうから。ゴメンね?」
と、上目遣いで謝る。

そんなこんなで違和感は感じつつも、
ミヨコさんの笑顔に何となく流されて数か月。

ある日、チーフに呼び出された。

「あなたとは一緒にやっていけないと
ミヨコさんが言ってるけど、
何か、思い当たることある?」

さっぱり理由はわからず、ただ戸惑う私に
実はミヨコさんから相談を受けたんだけど、
と、チーフは言った。

ミヨコさんは他のスタッフとの年齢差を気にしていて、
そのことを私にからかわれるのが辛いのだと。

「からかう、ですか?」私は目が点になった。

先輩のミヨコさんにそんな言動をした覚えなど
全くないし、
何をどう解釈されたのか思いもつかない。

ーーミヨコさんにどう関わればいいの?

何を直せばいいかさっぱりわからない。

私が無意識にでも彼女を傷つけるのなら
やれることといったら
新入りの自分がここを辞めることかな。

二人で話してみるなら同席するよと
チーフは提案してきたけど
何を話せばいいのかわからないので断った。

私が辞めるつもりだということを
チーフに聞いたミヨコさんから
電話があったのは次の日だった。

「何だかヘンに伝わっちゃったみたいで
ゴメンなさいね!
私、そんなつもりで言ったんじゃないのよ、
チーフがどう話したかわからないけど、
でも、違うのよ!
私の気持ちがわかってほしかっただけなの!
わかるでしょ⁉」

わかるでしょ⁉って、何を?
?????

私にはまったく解せない言い訳を
小一時間ほど聞いた。

なんだかうんざりするばかりだったが
ミヨコさんは満足そうだったので
それならいいかと思った。

結局、チーフからも引き留められて
私は退職に至らなかったが、
この件以来、
私はミヨコさんから距離を置くようになった。

距離を置くといっても
牽制的な態度をあからさまに取るとかではなく

無防備に相槌を打ったり、
調子を合わせたりしないようにするとか
その程度のことではあったけれど
気持ちにバリアを張るようになったのは確かだ。

地雷がどこにあるかわからないのだから
踏まないように歩くより、
立ち入らないでおこう、という感じだった。


それから約1年後、
ミヨコさんは短時間からフルタイムを
自ら希望したにもかかわらず、
なんと半年もしないうちに
長時間の勤務が辛いと言い出し、
職場を辞めることになった。

「お世話になりました。」
ミヨコさんに最後の挨拶をすると

「ねえ、今だから言うけど
私のこと、キライだったでしょ?」

ミヨコさんは決めつけるような言い方で
いきなり上目遣いに私を見た。

ーーそういうことって、急に言う⁉

「わかってたわ、嫌われてるって」

衝撃的なセリフにふいをつかれ、
視線を外すすべなく
ミヨコさんと見つめ合う私。

沈黙。


ーー「違いますよ」とかなんとか、
  何か言わなきゃ...

ミヨコさんの視線に焦る私。

何か答えようとするほど頭は真っ白、
どぎまぎして何も言葉が出て来ない。


やばい、震えて来そう。



ーー逃げられないこの状況
  追い詰められたゴキブリ?

ふいにそんな連想をした途端、
おかしさが込み上げてきて
私は吹き出してしまった。

震えそうなほどおののいているのに
何で笑えるんだろう。

おかしくて震えてるのかコワくて震えてるのか
どっちなんだかわからなかったけど
震えながら私は声を上げて笑った。

ーーー

ここで目が覚めた。
目覚めてもまだゲラゲラ笑っていた。
でも鼓動も早かった。

夢とわかってホッとしながら
20年ほども前の
あの頃のモヤモヤを思い出していた。

あのとき、私はミヨコさんに
どう答えたのか覚えていない。


私はミヨコさんに一線を引いてはいたけれど
彼女がキライなわけじゃなかった。

親切にしてもらったし、
尊敬できるところもあった。

ただ、優しそうなあの笑顔がコワかった。


ちなみに「笑う夢」は
緊張やストレスが溜まっていて、逃げ出したい気持ちの表れ。
現実の生活で抑圧された感情を暗示。
夢の中で笑うことで、心の負担を和らげようとしている。

引用 https://woman.mynavi.jp/

今はストレスフリーだから
思い当たること、、、ないんだけどなあ???



今日はここまで
では、また。



画像はフランチェスカさん
毎度、お世話になります。

フランチェスカさんもオラクルカードを
やってらっしゃいますよ~♪












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