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”ただ、いっしょにいる”


”ただ、いっしょにいる”
その大切さは、私が出会った全ての「こどもたち」から学んだ。

私は、たくさんの「こどもたち」に、縁がある人生を送っている。
自身が幼少の頃は、幼かった自分自身と、同世代の子ども達から。
そして現在は、公私両方において出会った子ども達から。

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私は、女子校に通ったので、同世代の女の子達と共に育った。
外では、上手くやっているかのようにふるまったが、
時々は、外での疲れを表してしまうこともあった。
母は決まって”オンナノコ”にはこうしたらいいのよ、と
解決策を提示してくれた。

律儀な私は、まずは、その解決策を実行してみた。
少し上手くいくこともあったが、大半はかすりもしない結果。
そこで、私は考えてみた。
みんなが私に一番にしてほしいことは、なにかなあ、と。

まずは、周囲の女の子達をひたすら見ることにした。
みんなが、何が必要で必要でないかを、知ろうとしてみた。
その経験から、大きな気づきを得た。
”オンナノコ”の固定概念に当てはまる子は、見つからなかった。
そりゃ、母の提案した解決策で上手くいかないことも、あるよね。
そして、もう一つ気づいた。
何を欲しいか、受け取ってほしいか、みんな違う。

傍らにいるその子と、
だだ、いっしょにいる。

何か足す必要も、引く必要もない。
それは何でもないことのようで、
お互いが心地よくいれるようになる、魔法のような方法だと知った。

幼い私は、生きるのが、ちょっとラクになった。

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私は、複数の素晴らしい家族との出会いに、恵まれている。
この地で生まれ育つ彼らが、かなり幼かった時。
彼らに日本語を教え、日本文化に親しむ機会を与えることに加え、
より高い高等教育を受ける学力をつけ、多才な人間となるように、
私は情熱を注いだ。
今は、当時のそんな自分のアツさを微笑ましいとすら思うが、
その熱量は突き抜けていた。

私が彼らの生き方に、一方的な情熱を傾けなくなって、久しい。
ある時。彼らへの日本語学習での出来事をきっかけに、
自分の行動を猛省する機会があったからだ。
私は熱心に「私自身が良かれと思うこと、価値観」を、
彼らに押し付けていたに過ぎないことに気づいたのだ。

自分と同じように家族にも、想い、意志がある。
彼らの人生は、彼ら自身が主人公。
全ての行動・思考の主体は、彼ら自身。

わたしは、彼らと向き合うことができていなかった。
信じることができていなかった。
理由は、彼らにではなく、全て私自身にあった。
私の人生は、私自身が主人公。
全ての行動・思考の主体は、私自身。
その事実を認めていなかった。
自分自身の揺らぎから生じている欠乏を
他のもので埋めようとしていることに過ぎなかったのだ。

だだ、いっしょにいる。
何か足す必要も、引く必要もない。

お互いが笑顔でいれる、今の連続が愛おしい。

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だだ、いっしょにいる。
何か足す必要も、引く必要もない。
そういえば私は、その大切さを知っていたではないか。

「貴女は子どもだから知らないだろうけど、これが幸せの道。
ここから外れず歩んでさえいれば、それでいいのよ。」と
幼少の頃、私は両親にあらゆることを定められてしまっていた。

”ワタシ、子どもだけど。知ってるように思う。
自分が歩くところが、道になるんでしょ?
「幸せの道」って、他の人から用意されなるものじゃないと思う。”
そう思っていても、言えなかった。

自分の両親は本人達なりの価値観で、
最善と思われることを私にしようとしていることは理解していた。
それでも、私はその取り計らいに応えきって、喜ばせることはなかった。
その辛さは、沁みた。

「私は、お父さんやお母さんが用意した道を歩まなかったけど、幸せだ。
生きていると、お二人が想像だにしなかった歓喜や、可能性、
そして様々な人が暮らす広い世界を知ることができた。
絶望辛苦の経験からは、どんな状況でも、幸せに心を向けたその瞬間から、底なしの不幸は、幻であることを知れた。」

こう言えたのは。
私が、あの時の両親をはるかに越えた年齢になってからだった。
そう、そんな両親とも。
だだ、いっしょにいる。
これが、できるようになったから言えたのだ。

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仕事上、私はたくさんの親子と接する機会がある。
興味深いことに、「心配事」は、決まって親御さんから相談される。
時と場所を改めて、子どもと話す。
「心配事」の存在すら、本人には無いことが多い。

私ができることは、この二つ。
①子どもに、本人はどうしたいかを話してもらう。
親御さんの持つ「心配事」とは何かを伝え、気持ちに寄り添ってもらう。
②親御さんに、親御さんご本人はどうしたいかを話してもらう。
子どもの意向は何かを伝え、その気持ちに寄り添ってもらう。

大半は、これだけで事態は解決する。
私は、笑顔が戻る親子が増えることが、とても嬉しい。

だだ、いっしょにいる。
何か足す必要も、引く必要もない。
それは何でもないことのようで、この世界を明るくする。
こんな大切なことを教えてくれた みんな、ありがとう。

(このnoteの写真は、借用です)

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