『カッコウの許嫁』は何故売れる?

週刊少年マガジンで連載中の漫画『カッコウの許嫁』が講談社で今世紀初の4週連続重版しました。
作者は『ヤンキー君とメガネちゃん』『山田くんと七人の魔女』の吉河美希さんです。

普段ラブコメを読まない私も読みました。
面白いです。
第1話読んだときは「ああ、よくある感じだなぁ」と私のイメージ通りのラブコメって感じでしたが読み進めていくと「こんなの見たことない…!」となるラブコメでした。

この作品はタイトルから想像がつきますが主人公に許嫁が出来ます。

超お嬢様JK・天野エリカと定食屋の息子・海野凪。
実はこの2人、なんと赤ちゃんの頃に取り違えられた子ども同士。
しかも、実の子も育ての子も可愛い両親✖️2により、なんと許嫁関係&同居生活を送るハメになってしまう!
運命の悪戯に翻弄される二人の日常、その行方はー⁉︎

主人公の凪。
そしてメインヒロインのエリカ、凪の妹(凪とは血が繋がっていない)の海野幸、そして凪が想いを寄せる瀬川ひろの4人が現在のヒロインです。

私のラブコメのイメージ

ラブコメをあまり読まない私の少年誌ラブコメのイメージは複数ヒロインの中から誰かを選ぶのですがその中のメインヒロインと大体くっつきます。

そしてメインヒロインは大体、主人公の初めから好きな人ではありません。
2人目のヒロインが主人公の元々の本命パターンでアプローチしたりしなかったりで奥手な感じでアプローチするとしてもメインヒロインが絡んできてなんか上手くアプローチ出来なくて気づいたらメインヒロインの事が好きになってるってイメージです。

ですが『カッコウの許嫁』はというと…

『カッコウの許嫁』の展開(ネタバレ有り)

カッコウの場合もメインヒロインのエリカが居ます。
そして主人公の凪には想い人のひろがいます。

普通ならひろにアプローチをあまりしないか、エリカを巻き込んでコメディをやるのですがカッコウの主人公・凪は違います。

凪はとても勉強ができる設定でテストで1位を目指す万年2位の男です。

何故、彼がそこまでテストで1位を狙うのか?

勉強が好きだから?違います!

ひろの好きなタイプが"自分より頭のいい人"だからです。

そしてひろはテストで常に1位。
凪がテストで1位を目指すのはひろに勝って告白する為なんです‼︎

つまり、積極的に好きな人にアプローチしてる主人公という事です。

受け身じゃなく、積極的にアプローチしていく主人公、私にとっては新しい感じがしました。

少年誌のラブコメだから主人公が男なのは当たり前で、読者を男性と想定すると感情移入するであろう主人公がアプローチしなくても周りからグイグイ来てくれるのは夢がありますよね。男性向きです。

しかし、女性読者も多い少年誌です。
積極的にアプローチしていく主人公も受け入れられる時代です。
それに今まで散々、受け身の主人公を見てきたのですから自ら動く主人公は好感が持てるでしょう。

さらにただのラブコメではなくて、取り違え子の設定を活かして、本当の両親、妹と仲良くしたいエリカや本当の姉と仲良くしたい、そして兄との関係にも悩んで来た妹の幸。

家の関係で凪とエリカと同様に許嫁を決められているひろなどの人間関係も魅力的にそして丁寧に描かれています。

人間ドラマ以外にも学校が舞台になっているので学園モノの青春ドラマにも出来ますし、『五等分の花嫁』のように進路に悩む様子も描く事ができることが強みだと思います。


この記事が参加している募集

#読書感想文

191,896件

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?