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コーポレートエンジニア奮闘記 -スタートアップでコーポレートIT部門を立ち上げた話-

はじめまして。
Asobicaというスタートアップ企業でコーポレートエンジニアをしているnatsukiです。
今回、所属部門の部長から熱いメッセージを受けたので、noteデビューしてみました。

立ち上げや技術的な内容等については、どこかのタイミングでコーポレートITの責任者にnote書いてもらおうと思います。

スタートアップのコーポレートITの重要性を語ってみた-エンプラ領域開拓を支える役割-

(「強制されて」とか「嫌々」とかではないのでご安心くださいw)

この記事では、Asobicaに入社してコーポレートIT部門を立ち上げた時の話について書いてみようと思います。
この記事が、これからコーポレートIT部門や情シス部門を立ち上げようとされている方、立ち上げ前に情報を整理しようとしている方のお役に立てば幸いです。


自己紹介

自分がどんな人間かを知っていただくためにも、まずは簡単に自己紹介を。

私のキャリア

管理会計SaaS企業(インフラエンジニア 兼 コーポレートエンジニア)
ファーストキャリアはSaaS企業に新卒入社し、自社の事業用インフラからお客様のインフラ、さらには社内のインフラまで幅広く対応していました。
事業の特性もあり、仕事をする上での考え方の多くはこの頃に形成されたような気がします。

3D関連スタートアップ企業(常務取締役 兼 フロントエンドエンジニア)
1社目の会社の新規事業開発企画に応募し、会社を立ち上げました。
Angularでフロントエンドを開発したり、Three.jsで3Dビューアを実装したりと、開発をメインとしながらも営業のようなこともやっていました。

管理会計SaaS企業(自社事業用インフラ責任者)
その後、諸々検討した結果会社を畳み、1社目の会社に戻りました。
戻ってからは、自社事業用インフラの責任者としてマネジメントをしながら仮想化基盤のリプレースプロジェクトを回したりしていました。

グローバルコンサルティングファーム(部門内セキュリティ関連施策担当)
自社事業用インフラを担当していく中で、「会社全体の情報戦略や情報セキュリティに関わることで会社全体のMVV体現に貢献したい」、「1社だけでは無く、他社を含めた広い世界を見てみたい」という想いが強くなり、転職を考え始めました。
有難いことに複数の企業からオファーをいただいたのですが、前述の想いを最も形にできそうと感じ、転職先に決めました。
この会社では部門内のセキュリティ担当者として、自社全体のセキュリティ体制のアップデートに関わっていました。

Asobica(コーポレートIT責任者)
より一層自分の組織に強くコミットしたいと考えるようになり、スタートアップへの転職を考えているときに出会ったのが現職のAsobica。
「元々インフラエンジニアだった私が何故専任コーポレートエンジニアになろうと思ったのか」や「私が何故Asobicaに入社したのか」は、長くなりそうなのでまた別の機会に書こうと思います。

コーポレートIT部門の立ち上げ時に行ったこと

以降は、そんな私がコーポレートIT部門を立ち上げるときに何を行ったのがを思い出しながら書いていきます。

使命の確認

この部分は転職時にも大切にしていて、選考を受けた各社からお話を伺っていました。
「なぜコーポレートエンジニアを必要としているのか」や「今、どういった課題感があるのか」、「今後の社内IT戦略はあるか」や「今後のコーポレートエンジニアの採用見込みやコーポレートIT組織の成長イメージはどのようなものか」など、企業として歩んでいきたい方向性を確認しました。
この方向性を実際に実現するのがコーポレートIT部門の使命になります。
私の場合、転職時に入社する企業を選ぶ軸の1つでもあったため、会社の方向性と自身の考える方向性が近かったことが大きなアドバンテージになったように思います。

ツール・ルール・ルーズの確認

次に行ったのは「今どういった状況にあるのか」の確認です。
私は主に「ツール(Tool)」「ルール(Rule)」「ルーズ(Loose)」を確認しました。

まずは「ツール(Tool)」から。全社で利用しているものだと

入社時に導入されていたツール

というような状況で、ラインナップとしてはかなり整っている印象でした。また、パスワード管理ツールが入っていたり、Salesforceを利用していたりと、「諸々充実しているな〜」と思ったことを記憶しています。

「ツール」の次に確認したのが「ルール(Rule)」です。
一般的な社内規程から運用ルールに渡って一通り読みました。
AsobicaはISMSの認証を取得しているので、特に情報セキュリティ系の規程やルールは注視して、次の「ルーズ」の確認に備えました。
また、読んだ内容を忘れてしまったとしても「○○はどこかで見たような気がする」となる可能性が高まるので、読む意味はあると感じています。

最後に確認したのが「ルーズ(Loose)」です。端的に言うと「まだまだこれから、な部分」ですね。
「ツール」と「ルール」で確認した内容をインプットにして「ルーズ」を探しました。
スタートアップは速度感と投資対象の選定が非常に大切なので、「何でもかんでも100%を目指せば良い」というわけではなく、必然的に「ルーズ」が発生します。
「どういったルーズがあるのか」を洗い出した上で、「ビジネスや時勢を踏まえたときに、いつくらいまで許容できそうなのか」を確認して、まとめました。

ロードマップの策定

現状の把握を終えた後は、ロードマップ作りに着手しました。
コーポレートITの活動において最重要となる「使命」と、その使命を妨げている(はず)の「ルーズ」から、「いつ、何をやるのか」を決めていきます。
まだ入社から間もない時期だったので、意図的に向こう3年以内くらいの比較的短期間に限定した上で「直近で改善するべきルーズ」と「3年後に在るべき/在りたいIT環境」との両端からざっくりとしたロードマップを作っていきました。
そして、ある程度形になったタイミングで社長や部長と認識合わせの時間を設け、ギャップの有無を確認しました。

パッチ的対応の実施

ロードマップがある程度固まったところで、実働に入ります。
とはいえ、ロードマップの策定をしつつも引き継ぎがあった内容や依頼された対応は平行して行ったりしていました。
上記の対応に加えて、ロードマップ上で最も直近のもの、つまり「すぐに一次対応を行った方がいいもの」に着手しました。

まず行ったのは、インシデント対応フローのアップデートです。私が入社したタイミングはちょうど長期休暇の前だったため、何かあった場合の連絡経路を見直したり、連絡経路に自分を入れたりしました。また、Intuneのポリシーを見直したり、簡単な自動化(簡単なGoogle Apps Scriptを利用して実現可能なもの)を行ったりと、じわじわと対応を進めていきました。

事前にロードマップを作ったので優先順位で悩むことも少なく、割り込みタスクに関してもロードマップ上の各項目と見比べて対応順序を決めることができました。

仲間探し

立ち上げ初期の最も大きな仕事のひとつが、2人目のコーポレートエンジニア探しでした。
結果として、Asobicaの二人目コーポレートエンジニア探しは「スキルといったハード面/ドライな部分ではなく、考え方や自社のMVVとの親和性といったソフト面/ウェットな部分を重視」という方針のもと、素敵な方と出会うことが出来ました。
こうしてAsobicaにJoinしてくれたちひろさんの入社エントリは↓から!

立ち上げ時の要点とこれからのコーポレートIT

立ち上げ期は「技術的にどうこう」というよりも、「現状の大枠を掴み、整理し、課題を抽出した上で解決方法を考える」というコンサルティング的なアプローチが必要でした。
月並みではありますが、こういった対応は改めて大切だと感じました。

とはいえ、解決方法を具体化する部分や実際に解決するためにはエンジニアとしての考え方や知見が必要。Asobicaは新しい仲間も迎え、今まさにエンジニアリングを駆使しながら改善を進めているフェーズです。
今後はコーポレートITとしての発信も強化していきたいと思っているため、良い知見が得られたら記事にして行けたらと考えています。
見かけた際は、ぜひ応援をよろしくお願いします!

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